日本一ベアリングに詳しい記事鶴崎が「日本一」の会社を直撃!機械に欠かせない「ある部品」とは…?
スペシャルQuizKnock編集部2024.08.26
世界が回っているのはベアリングのおかげ! ショールーム見学
続いて鶴崎は、神奈川県藤沢市にあるNSKの工場へ。ここにはショールームが併設されており、ベアリングに関するさまざまなものが展示されています。
※ショールームは普段一般公開されていませんが、今回特別に見学させていただきました。
入口付近には、何やら大きな装置が……。ここでは、若林さんにお話を伺います。
こちらの装置ではどんなことが体験できるのでしょうか?
こちらはベアリングがいかに機械に欠かせない部品かがわかる装置です。まずは、この「すべり」の状態でこの棒を引っ張って、装置の上に乗っている鉄板を動かしてみてください。
この棒ですね
よっ
ぐぬぬぬぬぬぬ……!
はっっっ!!!
ぜえ……ぜえ……びくともしねえ……
▲鶴崎がめちゃめちゃ頑張ってます
鉄板の重量がだいたい150kgぐらいなので、「すべり」の状態で動かそうとすると理論上30kgぐらいの力が必要になります。
30kg!?どうりで動かないわけだわ!
では今度は、「ころがり」の状態で棒を引っ張ってみてください。
これでまた重かったらやだなァ
よっ
ぬるぬる動く!!
▲いとも簡単に引っ張ってます
全然違うんだけど! さっきと何が変わったんですか!?
「ころがり」モードにすると重りの下にボールが入ります。そうすると摩擦が軽減されて、さっきのだいたい100分の1(0.3kgほど)の力で動かせるようになるんです。
そんなに低減されるの!? すごすぎる!
「すべりをころがりに変化させる事で摩擦が減る」という原理を応用したのがベアリングなんですよ。
自動車のタイヤにもベアリング!?
引っ張り摩擦を体験した後、自動車のタイヤに使用されているベアリングについて、石川さんに説明していただきました。
タイヤのホイールの中って見たことないなあ
黄色い部分がNSK製のベアリングになります。
こんな感じで中にボールが入ってまして、すごく軽く回ります。
ほんとだ、めちゃめちゃ回る。この状態でホイールに入ってるんですか?
右側は分解して内部が見えるようにしていますが、このままだと簡単に壊れちゃうんです。なので中にグリースというクリーム状の油を塗って壊れないようにするのですが、少し重くなって回りにくくなってしまいます。
軽く回せた方がガソリンの燃費やバッテリーの持ちが良くなるので、なるべく重く回らないようにグリースなどを工夫しているんです。
へぇ〜 とても細かな部分まで制御しているんですね
抵抗が少ないベアリングを開発することに力を入れているんですけれども、現行品と開発品とで手回りが違うことを実感いただける装置がございまして。ハンドルを回すとそれぞれトルク(抵抗力)がグラフとして奥のモニターに出力されます。
確かに開発品の方が、手に伝わってくる抵抗が小さいですね。実際、トルクも開発品の方が小さいですし。
ベアリングは同じ見た目でも、グリースや保持器やボールなど内部が違えば全然性能が変わってしまうんです。内部の違いが手に抵抗として伝わってくるんです。
なるほど! 壊れにくさを維持しつつ、回りやすさも追求しているというわけですね。
あれ、この丸いゴムのようなものにはどういう役割があるんですか?
この丸いゴムも、ベアリングにとって大事な部品なんですよ。
ベアリングの外側に沿ってはめて使います。ベアリングにとってはゴミや水が入るのが一番まずいので、それを防ぐための役割があります。
へー! そこにもこだわりがあるんですね
「摩擦を減らす」というベアリングの役割を体験し、ベアリングの仕組みについて学んだ鶴崎。摩擦の少ない、回りやすいベアリングを追い求めて、技術力を磨き続けるNSKのベアリング愛が垣間見えた見学でした。
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