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未来を支えるロボットが登場! 新領域商品開発センター

最後に鶴崎がやってきたのは、ショールームから歩いて5分ほどの場所にある新領域商品開発センター。ここでは産業機械やロボットなどに使われるメカトロニクス製品や、新規事業をテーマとした開発を行っています。

メカトロニクス:マイクロコンピュータなどの電子技術を用いて機械を動かすことで、機械の性能を高めたり自動化したりする技術。機械工学を意味する「メカニクス」と、電子工学を意味する「エレクトロニクス」を組み合わせた言葉。

ここからは研究開発を行っている部屋に入るため、安全のために帽子を着用して取材を行いました。

▲これでバッチリ!

まず説明していただいたのは、フィンガーモジュールという製品。勅使河原てしがわらさんにお話を伺います。

お、クレーンゲームみたいで楽しそう! こちらはどういった機械ですか?
こちらはフィンガーモジュールという、人間の指の動きを再現したマシンです。
指の動きかあ。
人間の指って関節があったりして、複雑な動きをするじゃないですか。中はどういう構造になっているんですか?
指の関節部分に小さなプーリー(滑車)を入れ、それらにワイヤを通すことによって動きを再現しています。その関節やプーリーを、直径5mmほどの小さなベアリング25個で支えています。
超精密だ! 中組み立てるの大変そうだな
コントローラーでモジュールを動かせますので、ぜひ動かしてみてください!
いいんですか!?

▲チキンをつかめるか……?

お〜、あのうるさいチキンを鳴らさずにつかんでる!
指の先端部分に力が加わったことを指を動かすワイヤーの張力から検知して、ものに触れた瞬間に指の動きを止めるよう制御されるので、ふわっと持てるんです。
▲柔らかいパンも
▲潰れやすい紙コップも
▲小さなビー玉もこの通り
へぇ〜 紙コップを潰さずにちゃんと持てるのすごいなあ
今お見せしたのは「掴む」動作なんですけど、「握る」に近い動作もできて、例えば根本部分に筒状のものを置いて作動させると……
こんな感じで、筒をグッと握りにいくような動作もできるんです。
なるほど、先端だとつまんで、末端だと握りにいくんですね、面白い!
▲指先で掴んでいるときとは違う形状になっている
フィンガーモジュールは主にどういった場面で使用されているんですか?
意外に思われるかもしれませんが、農家さんでの利用が期待されています。たとえばトマトの収穫ですね。
トマトの収穫!! 産業分野じゃないんですか?
手先の器用さが求められる分野では、ロボットの導入があまり進んでいないんです。トマトも力を入れすぎると潰れてしまうでしょ? それを解決してくれるのがフィンガーモジュールなんです。

人が乗れるロボットを作る!

続いて、アクティブキャスタという製品について近藤さんが教えてくださいました。

今度もなんか動いてますよ? こちらはどういったマシンでしょうか?
こちらは「人とロボットの共存」を目指して開発されたロボットです。といっても、注目していただきたいのは下のキャスター部分ですね。
下の部分?
「Palgo」というロゴの下と、その対角線の部分にアクティブキャスタという電動キャスターが入っています。
あ〜なるほど、自動で動くキャスターを開発したというわけですね。
人の生活の中にロボットが浸透しはじめていて、今後人とロボットの関わりはもっと深くなっていくと思うんですよね。
▲身近な例では、レストランの配膳ロボットなど
ロボットって、人間と一緒に動くように設計されていないんですよ。「ロボットに道譲ってほしいな」なんていっても、機敏に動いてくれないのが現状で。
二足歩行のロボットはひとつの解決策だと思うんですけど、脚より車輪を作るほうがより小回りがきいて効率がいいんじゃないかって思って作ったのがこのキャスターです。
ロボットって普通もっとカクカク動きますよね? でもこれは斜めに動いたり回ったりするんだ。不思議だなあ
遠隔操作で微調整ができますし、大きいものや長いものを運ぶときには斜めに動けた方が良かったりしますね。
これで大体200kgぐらいの重さのものを運べますよ。実際今、病院でストレッチャーをアシストするロボットとして使えるよう、実用化を進めています。
▲これ全体でおよそ200kg
キャスターとしてはかなり小さいのに、人を2人以上乗せられるだけの耐荷重があるのすごいですね
そうなんですよ。それで、アクティブキャスタの中身がこんな感じになってまして……
手前にハンドルが2つあるんですけど、片方のハンドルだけ回すとタイヤはその方向に回転し、両方揃えて回すとまっすぐタイヤが進みます。
ということは、両方回して片方の回す速度を変えると、タイヤが回転しながら向きが変わる、ということですね。
2つモーターがあってそれぞれの速度を制御しているんですが、その配分によって旋回方向、駆動方向をコントロールしています。そうすると、小さいながらもパワーが出るんです。
ここには、なにか特殊なベアリングが使われているんでしょうか?
いえ、実は普通のベアリングしか使っていないんですよ。
そうなんだ! シンプルなベアリングだけでこんなに複雑な機構を実現できるんですね。
いろんなアイデアを組み合わせて、この機構が実現したんです。

◇      ◇      ◇

では鶴崎さんにアクティブキャスタを動かしてもらいましょう! こちらのコントローラーで動かせますんで……

▲コントローラーはプレステのやつ

お〜 やっぱり斜めになめらかに動くの不思議だな〜
▲楽しそう

帽子にコントローラーがやけに似合う鶴崎。楽しそうに操作していると……

なんだあれ!!??

次ページ:鶴崎の目の前に突然現れたロボット、その正体とは……?

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