確立期
スタイルを作り、「QuizKnockというのはこういうメディアだ」というものを明確に手にし出した頃。案件記事から骨太なクイズまで、私はもう、ひとりの読者であり、ひとりの書き手となった。
逆に言えば、書き手として純粋に参画したい、と思える場だったことも確かだ。とにかく書きたいものを仕事として書いたのはだいぶ久しぶりだったが、そうした場を着実に創ってきたメンバーには感謝してもしきれない。
11. 『8番出口』風クイズ!「異変」を見つけたら引き返せ【怖くないよ】

クイズの裾野を広げ、可能性を拡張することがQuizKnockの務めでもある。
Webだからこそできるこのクイズ記事は、これまでにないクイズ体験と、流行のエンタメ体験が程よく融合された、知的かつフレンドリーな秀作である。どこかゲームブックを思わせる懐かしさも、個人的に好きなポイントだ。
クイズの可能性はまだまだ無限大であり、それゆえにこれからのQuizKnockもきっと楽しい。
12. 【新連載】伊沢拓司が「曲の歌詞」をナナメに考察。初回は『ultra soul』の謎に迫る

編集者としてはメディアを離れて数年、素晴らしい編集陣が揃った中で久々に純粋なる書き手として携わりたい……と思って立ち上げたのがこの連載だった。
逆に言えばそれだけ、当時のQuizKnockを取り巻く環境に満足していたということでもある。
今思えば、やっていることは2016年とあまり変わりがない。いちプレーヤーとしてコンテンツ作りに没頭できる、メディアとしての成熟を享受できた連載である。新作を待たれよ、辛抱強く……。
「伊沢拓司の低倍速プレイリスト」バックナンバーはこちら!
13. 【ズルし放題】ラップバトル、時間無限ならプロにも勝てる説【すぐに後悔】

個性豊かなライター陣の中にあって、大型企画をやらせたらシャカ夫はやはり白眉である。様々なメンバーを巻き込みつつ、バカらしくてでも気になるテーマを徹底的に深掘りしていく。
現役のラッパーと文通でラップバトルをするこの企画は、気になることの検証にとどまらず、ヒップホップカルチャーから四字熟語までありとあらゆる知識をごった煮した、大変にQuizKnockらしい名作だ。
14. 【まだやれます】第3回「細かすぎて伝わらないインテリモノマネ」選手権

企業とのコラボレーション企画が充実してきたのも、ここ数年の進化であろう。届けたいメッセージと、それをスムーズに運ぶ楽しい演出。
Webメディアだからこそできる表現を追求しているのが、こうしたコラボ企画の隠れた良さでもある。
15. 津波より「低い」堤防が作られるのはなぜ?「3.11」が変えた災害意識

2016年、メディアの中心に学生を据えたのは、ファクトに真摯であろうとしたとき、学生こそが学問という過程を今まさに経験している存在だからであった。
専門知(学習中)と学術的手法、事実を忠実に追いかける時間と資産(大学図書館など)。これが、間違いなくQuizKnockの強みのひとつだ。
防災について学び、それらについて多くの記事を残したユウによる、とても良い疑問とその解決がまとめられた秀逸なこの作品は、9年前に描いた理想そのままの一本である。