QuizKnock

アプリで記事をもっと見やすく

インストールする

カテゴリ

ログイン

2025年8月、QuizKnockが主催する高校生以下向けクイズ大会「ハイスクールクイズバトル WHAT 2025」が開催されました。

全国から2,278名もの参加者が集まりました。2日間の激闘の末、見事優勝したのが、開成高等学校1年生の有働うどう英永えいとさんです。

▲優勝した有働英永さん

この記事では、「WHAT 2025」の大会長 伊沢拓司による有働さんへのインタビューをお届けします。有働さんは今年の「WHAT」にどのように挑んだのか、また大会中最も印象に残っていることや、有働さんが考えるクイズの魅力について教えていただきました。

去年越えられなかった「ボードクイズ」の活躍

「WHAT 2025」優勝おめでとうございます! まずは、優勝したことについて率直な感想を教えてください。
自分は過密日程にならないように夏休みに出る大会を絞って参加していて、夏休みの最後に参加する大会はWHATだと心に決めて臨んでいたので、個人的に安定したプレイングをして優勝でき、夏休みを勝ちで締めくくることができて本当に嬉しいです。
▲表彰式の様子
有働さんは、前回の「WHAT」にも参加してくれて、2nd dayにも進出していますよね。去年はどうでしたか?
「WHAT」は、今年は2回目の参加でした。昨年は2nd dayには進出することはできたのですが、最初のボードクイズで早々に早押しを2回失敗してしまい、解答権が剥奪され惜しくもない点数で負けてしまいました。
ですが、負けた後の敗者復活ラウンドの自分の押しや、その後の決勝ラウンドの見学をして、「早押しはそこそこ戦えそうだな」と感じたので、来年こそは早押しボードを勝って、決勝ラウンドで自分のクイズ力を出しきりたいなと思いました。
なるほど、課題は去年の段階から見えていたわけですね。逆に言えば、それだけあの早押しボードが難しいとも言えますが。
今年の「WHAT」に向けて、特に意識して準備したことなどはありますか?
この夏休みは「WHAT」のために、「WHAT」を主催されている方の問題集を読むなど、普段と比べていろいろな傾向の問題に触れるようにして知識の基礎体力を増やすことを意識していました。
それで見事、今年も2nd dayに進出しました。再び「50問早押しボード」に挑むにあたって、今年はどんなことを考えていましたか?
この早押しボードは最初の2問で連続早押し誤答さえしなければ勝ち抜けられると思っていたので、絶対にわかる問題だけボタンを押すように心がけていました
その結果、不甲斐ない誤答や見当違いなことを書くなど悔いが残る問題が数問ありながらも、なんとか早押し無誤答で2抜けすることができました。
▲2nd day 準決勝 50問早押しボードクイズ の様子(左が有働さん)
「WHAT」で優勝するためには普段からもクイズに向き合わなければいけないと思うんですが、日常的にしている練習だったり、心がけていることはありますか?
全ての問題に対してというわけではないのですが、自分の中で、問題文の中に含まれている「答えの核となる表現・要素」などを意識してクイズの勉強をしています。

当日はどう過ごしていた?

有働さんは今回、1st dayはオンラインで、2nd dayはオフラインで参戦してくれました。当日は、それぞれどのように過ごしていましたか?
1st dayのオンライン予選の日は高校生オープンという別の大会に参加していて、会場に直接行けなかった強いプレイヤーがたくさんいました。その中からわずか5人しか2nd dayに行けないため、中々緊張したのを覚えています。
1st dayのオンラインは、どうしても通過枠が狭いですからね。慣れない形式もあって、もしかしたら最大の関門だったかもしれませんね。
逆に2nd dayはオフラインクイズは結構慣れているので、適度にリラックスした状態でクイズに臨めた気がします。
▲2nd day 準決勝 50問早押しボードクイズ の様子
1st dayから最後のFinalラウンドまで、印象に残っているシーンや出来事は何かありましたか?
「WHAT」の早押し問題はいつも部活などで押している問題集の問題などと比べて、少し癖のある問題が多いイメージがあったのですが、1st dayの早押し問題は自分の中で比較的押しやすく、最後のステップを8問で5〇して抜けられたことが印象に残っています。
またFinalラウンドで、最初離していた点差を他のお二方からどんどん縮められて危ない展開になった時に、限定問題終了のブザーが鳴ってギリギリ逃げ切り勝ちできた時は、瞬間的に驚きと嬉しさが入り混じった感情になりました。

限定問題終了:Finalラウンドでは、出題のために用意された問題が全て使いきられたため、その時点で最も点が高かった有働さんが優勝となった。

▲2nd day 決勝戦 1stラウンドの様子

ライバルの印象的な押しは?

大会中、特に印象深かった他のプレイヤーの押しや、大会の場面などがあれば教えてください。
札幌南高校の佐々木さんがクイズが強く、ボードもFinalラウンドの10人一斉早押しも1抜けをしていて、タイマンクイズで指名されたらもしかしたら負けるかも などと思っていました。そんな佐々木さんに指名された高橋さんが、佐々木さんを上回る強さで勝利した場面が特に印象に残っています。
▲2nd day 決勝戦 Finalラウンドの様子

優勝トロフィーに刻んだ「思い出の一問」

「WHAT」の優勝トロフィーには、優勝者に好きな問題を一つ選んでもらって、刻印してお渡ししています。 今回有働さんが選んだのは「カブトガニ」の問題でしたね。

細菌が生み出す毒素と反応して/ゲル状に固まる血液が医療の分野で重宝されている、硬い甲羅と鋭くて長い尾をもつ節足動物は何?

答え:カブトガニ

この問題を選んだ理由を、ぜひ教えてください。
自分はこの夏、いろいろな傾向の問題集を読んで知識幅を広げようという目的で座学していたので、大方の中高生がやっている短文基本対策にあまり重きを置けなかったのですが、その中でも数少ないスラッシュ研究の一つがWHATのFinalラウンドで出て、努力が少し報われたような気がしたので嬉しくなってトロフィーに刻む問題にしてもらいました。

短文基本:日常生活で触れたり、学校や職場で学習したりして得られる知識をクイズの題材に据え、1問あたりおおよそ60文字以内で問題文が構成されるクイズのこと。

スラッシュ研究:「スラッシュ」とは、早押しクイズの問題集において、問題文がどこまで読まれたかを示す場所のこと。クイズプレイヤーの中には、スラッシュの位置を見て、問題文をどこまで聞いてボタンを押せば正解にたどり着けるかを「研究する」人もいる。

▲2nd day 決勝 Finalラウンドの様子

マイペースに積み上げるクイズ力

有働さんは開成高校の1年生ですよね。クイズを始めたきっかけはなんだったんですか?
小学生の時に伊沢さんや青木(寛泰ひろやす)さんといった開成の方々が高校生クイズで無双しているのを見て、開成のクイズ研究部とか入って早押しボタン押してみたいなと思い、無事開成に合格できたのでクイズ研究部に入部しました
ありがたいことですね。いや多分、自分が高校生の頃よりは全然強いんですけど。系譜がつながってるのは、先輩の勝手として嬉しいものですね。
クイズをするうえで大切にしていることや意識していることはなんですか?
無理にやりすぎず、自分のペースでやることです。
クイズをしている人の多くはAnkiという単語学習アプリを使用したりしているのですが、自分は何もしたくない日にカードの復習をするなどの辛い思いをしてまでクイズをやりたい訳ではないので、ノートなどでマイペースにやっています。
「WHAT」を含めて、クイズ大会によく参加するときは、大会にどんな気持ちで臨んでいるのか教えてください。
もちろん大会ごとによって対策の度合いとか気合の入りようなどは異なると思うんですけど、壇上に立ったら真剣に押して、一問でも多く正解を出せるように心掛けているつもりです。
最後に、これからの目標を教えてください。
中高レギュだけではなく、学生レギュ(短文基本で言えばabc)の大会でもめちゃくちゃ良い結果を残せるようにこれからもクイズを頑張りたいです!

中高レギュ、学生レギュ:クイズ大会の中には、参加者にレギュレーションがあるものも少なくない。「中高レギュ」は中学生・高校生限定のクイズ大会、「学生レギュ」は主に大学4年生までの参加者を対象にしたクイズ大会。

ここ1、2年は、久々に高校年代のプレーヤーが何人も、学生レギュで活躍していますよね。新たな時代を切り開く一人として、今後の活躍にも期待しています。
そしてこの記事を目にした方は、ぜひそうした学生の大会をチェックしてみてください! 次の「WHAT」が、より楽しく見られるはずです!
▲大会終了後の集合写真

白熱した大会を動画でもどうぞ!

大会の模様については、YouTubeチャンネルでライブ配信のアーカイブを公開しています。ぜひ、驚異の知識量と判断力がぶつかり合う、白熱の戦いをご覧ください!

▼「WHAT 2025」現地レポートはこちら

Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。

関連記事

この記事を書いた人

QuizKnock編集部

身の回りの気になることをクイズでお伝えいたします。

QuizKnock編集部の記事一覧へ