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皆さまはじめまして。香川愛生(かがわ・まなお)です。

普段は将棋の女流棋士として活動しながら、「東大王」や「Qさま!!」などのクイズ番組にも出演させていただいています。

▲クイズが好きな女流棋士です

クイズが好きなご縁で、このたびQuizKnock様で個人連載の機会をいただくことになりました。

題して、香川愛生の「研Q会」

この連載では、棋士の先生方との対談企画などを通して、「将棋とクイズ」という2つの世界の魅力を考えていくコラムを書いていきたいと思っています。どうぞ今後の連載を楽しみにお待ちください。

さっそくですが、初回から豪華なゲストにご登場いただきます! 長年QuizKnockのファンだというプロ棋士の中村太地七段をお迎えし、幼少期の思い出からクイズの話題まで、貴重なお話をたっぷりと伺いました。

中村太地(なかむら・たいち)七段

東京都府中市出身、34歳。2006年に高校3年生でプロ入りし、2017年に初タイトル(王座)を獲得。

早稲田大学・政治経済学部卒という経歴を活かし、クイズ番組などでも活躍している。

トップ棋士でありながら、YouTubeでも精力的に活動。過去には報道番組のキャスターを務めたり、学生時代の論文が表彰を受けたり……。

多彩な才能を持つ太地先生に、将棋やクイズ、学びといったテーマでお話を伺います。

目次

◎ 「トップ棋士にして一流大学生」
◎ 大学に行ったから得られた「貴重な出会い」
◎ 「5年前からQuizKnockファン」メンバーとの関わりも
◎ プロ棋士が語る「藤井聡太・羽生善治の対決」「将棋の魅力」

「高校生棋士」から有名大学へ

ーー太地先生、今日はよろしくお願いします。

▲よろしくお願いします!

ーー「将棋棋士」というと、馴染みのない方にとっては遠い世界の人……という印象も受けるかもしれませんが、多くの人と同じように学生時代があったわけですよね。

中村 もちろんです。中・高・大学まで通ったので、16年間は学校で過ごしていたことになりますね。

ーー将棋界は学業との両立が非常に難しいといわれるなか、先生は名門・早稲田大学を卒業されています。

中村 確かに大学に進む棋士はあまり多くはありませんでしたが、最近では増えてきた印象がありますね。私の場合は、小学6年の時に両親と話し合って、大学に行くことを決めました。

▲小学校で「大学進学」を決めていた

ーーずいぶん早いご決断ですね。進学はご両親の希望だったんですか?

中村 奨励会※1に入る条件として、大学も目指すことを決めたんです。やはり棋士は専門的な仕事ですし、勝ち続けられるのは限られた人だけですから、「選択肢を広げておくに越したことはない」と気を配ってくれたんだと思います。

※1)奨励会:プロ棋士を目指すための養成機関。年齢制限や成績による厳しい退会規定があり、実際に棋士になれるのはほんの一握り。

ーー高校時代※2を含め、学業と将棋の両立は難しかったのではないでしょうか……?

※2)早稲田実業学校高等部。卒業生に、「ハンカチ王子」こと元プロ野球選手の斎藤佑樹氏(中村七段とは同学年)などがいる。

中村 大学よりも、高校の方が苦労しましたね

▲「高校時代は特に大変でした」

中村 当時、奨励会での対局は月に2日間、それも平日にあったんです。早稲田実業は同じ曜日の3分の1を休むと留年というシステムだったので、定期試験が受けられず代わりの試験を受けたり、友達にノートを借りて勉強したり、みたいなことも多かったですね。

ーーそれは大変でしたね。

中村 とはいえ、エスカレーター式で大学に進める高校だったので、将棋に集中しやすい環境ではあったと思います。

▲プロ入りを決めた高校時代の対局の解説(「中村太地が泣いた日」より)

中村 高校の3年間は将棋の実力も伸びやすい時期なので、両親が大学受験の要らない学校を勧めてくれたのは、今思えば大正解でしたね。

ーーご両親の先読みが素晴らしいです! 応援してくださっていたんですね。

中村 将棋と勉学、どちらも尊重してくれました。私もただ親の意見に従ったというより、一緒に考えたという感じで。目標は自分で決めないと、なんのために頑張っているかわからないですからね。

貴重な出会いは「大学に行ったおかげ」

ーーそんな太地先生は高校3年生でプロ入り、翌年には大学に進学されていて、まさに順風満帆の人生に思えます。

中村 いやー(笑)。高校の部活とか、大学のサークルで遊ぶとか、してみたかったなぁ、と思いますよ!

▲「将棋以外」の人生を想像してみる

ーーえっ。先生の口から聞くのはなんだか意外な感じがします(笑)。

中村 興味が湧くので、いろいろな経験をしてみたいんですよね。アルバイトもしてみたかったです。将棋の世界に没頭していると、世の中知らないことばかりで……。

何かを極めるということは、視野が狭くなることでもあるので、その中でもなるべく知見を広げておくのはとても大切なことだと思います。

▲将棋の外の世界にも、視野を広げておきたい

中村 将棋界って、狭い世界※3なんですよね。私は高校・大学と進学するなかで、棋士として生きていくだけでは絶対に出会えない人と友達になれました。色々な職業の人と交流することで、自分の知らない世界に触れられている実感がありますね。

※3)現在(2023年2月)、現役の棋士は約180人、女流棋士は約70人。

ーー確かに、別のお仕事の方との交流は刺激をもらえます。

中村 将棋が順調なときはよいのですが、ずっとうまくいくわけではありません。そういうときに将棋界以外の人に自分の悩みを話せるのも心強いですね。気づきもありますし、将棋を続けていく上で、貴重な心のやすらぎになっていると感じています。

5年前からQuizKnockファン

ーーところで、太地先生はQuizKnockの動画がお好きなんですよね?

中村 私は確か登録者10万人のとき(2018年頃)あたりから見ていますね。

▲QuizKnockメインチャンネル・10万人達成記念の動画

ーーそんなに前から!

次ページ:「このチャンネルは絶対に伸びると思っていた」QuizKnockファン・中村七段とメンバーの関わり

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QuizKnock編集部

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