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もうすぐ新学期。今回はQuizKnockの鶴崎修功・山本祥彰・チャンイケの理系メンバー3人に、「大学の研究生活の思い出」を語ってもらいました。

それぞれ数学・物理・化学と分野の違う3人ですが、話を聞いていくうちに共通する「あるある」からニッチすぎる業界用語まで登場! 理系学生の必需品である「関数電卓」を持ってきたら、鶴崎の神童エピソードが止まりません

記事の最後には関数電卓とQuizKnockのサイン入りクリアファイルが当たるクイズも! ぜひ挑戦してみてくださいね。

▲QuizKnockの理系メンバーに集合してもらいました

鶴崎修功数学系
この春に東京大学の大学院数理科学研究科博士課程を修了予定。代数学の「表現論」という分野を研究してきた。学会でサインを求められたことがある
山本祥彰物理系
早稲田大学先進理工学部卒業。大学時代はディープラーニングを用いた研究を行っていた。所属していた研究室には毎年スキー合宿があり、映画『私をスキーに連れてって』を観るのがお決まりになっていた
チャンイケ化学系
京都大学の大学院工学研究科を修了。がん治療に使われる薬剤を患部に高効率で届けるための入れ物を、高分子化合物を使って開発する研究をしていた。研究室対抗のソフトボール大会では、「アンダースローの池田」として活躍した経験もある。

聞き手:野口みな子

理系学生の研究生活ってどんな感じ?

――今日は分野がバラバラの理系メンバー3人に集まってもらいました。3人は大学でどんな研究生活を送っていたんですか?

僕はディープラーニングを用いたフォントの研究をしてました。以前のインタビューでも話してるんですが、たとえば「火」という漢字を入力したら、燃えるようなイメージのフォントで表示される、みたいな。漢字や文字がもつ意味やイメージを機械に学ばせるんです。

ディープラーニング(深層学習):人工知能分野における技術のひとつ。画像認識や自然言語処理などに活用されている。

へぇ〜かっこいい。山本って漢字のイメージが強いから、理系だったっていうのがちょっと意外かもね。
それでも「漢字」にまつわる研究につながってるのが山本さんらしい。
でも、僕の場合はこの研究テーマを決めるまでに時間がかかって、結構大変だったんですよ。

▲研究テーマを決めるのがまず大変

まずはディープラーニングで何ができるのかっていうのを知らないといけないから、関連する研究の論文を読んだり、研究室内のセミナーに参加したり
研究室に所属したら、だいたいまずは課題となる本があって、それを分担して読んで内容を発表していくセミナーがあるよね。
そうそう、それからテーマを決めて、自分の研究が始まる。

ディープラーニングって研究が盛んな分野で、論文がどんどん出てくるから追いかけるだけで一苦労なんだけど、僕は英語が苦手だから論文読むのがめっちゃ大変で!
論文ってだいたい英語だもんな。

▲以前インタビューで見せてもらった鶴崎の論文の編集画面。もちろん全部英語である

だから翻訳サイトを使うんだけど、よく考えたら英語の翻訳にもディープラーニングが活用されてるんだよね。

翻訳中の画面見ながら「ディープラーニングでディープラーニングを翻訳してる〜」って(笑)。

▲ディープラーニングに囲まれていた研究生活

英語は僕も非常に苦労しましてね

僕は大学院の修士のときに初めて論文を出したんですけど、それを読んだ海外の人からメールが来たんですよ。「おもしろい研究ですね。自分もこういう研究してるので、あなたの論文を引用しときますね」って。

引用:論文のなかで別の論文を取り上げること。論文は既存の研究論文を引用したうえで、自身の研究の新しいポイントを示すことが求められる。このため、「引用される」ことは他の研究者に影響を与えていることを示しているともいえる。

すご!
引用してくれるのはうれしいんだけど、質問とかも入ってたんだよね。でもメールが英語だから、こっちも英語で返さなきゃいけない。

まず、英語のメールってどう書いたらいいかわからないし、この内容をどうやって英語で説明したらいいんだ〜!っていうのは困ったね。

▲鶴崎「どうしたらいいんだ〜って」

――ちなみに鶴崎さんは数学科出身ですが、どんな研究をしてたんですか?

僕は「カッツ・ムーディ・リー代数」っていう、「行列」の進化版みたいなやつを研究をしてました。

カッツ・ムーディ・リー代数:数学の代数学という分野のうち、「表現論」に分類される代数。なかでも鶴崎は「ハイパボリック・リー代数」を研究していたらしい。

難しそ〜!
さっき山本さんが「研究室のセミナーに参加する」っていう話がありましたけど、僕の場合はずっと先生と1対1だったんですよね。

普通は先輩の研究を見ながらいろいろ教えてもらってっていうパターンが多いだろうけど、研究室に僕以外ほとんど人がいなかったから
マンツーマンなの!?
ほかにも学生はいたんですけど、一緒に研究しないんですよね。だから全然会ったことがなくて。数学って論文と本とノートさえあれば家で研究できるものだし、コロナ禍もあったから。

先生との面談も、進捗がなかったら「今日はあんまり進みませんでした」で2分で終わり、みたいな。

▲鶴崎「はい終わりでーすって」

――それはちょっと孤独ですね。他の研究室の学生と関わることはあったんですか?

それでいうと東大の数学科は研究室ごとに部屋があるんじゃなくて、いろんな研究室ごちゃまぜの学生室が割り当てられるんですよ。

それで、僕が割り当てられたのが通称幾何きか部屋という部屋で。
幾何部屋!
めっちゃゴツい名前。
数学って「代数」「幾何」「解析」とかいろんな分野があるんですけど、幾何の専攻の人が多い部屋で。

僕の専門は代数だから、他の学生同士の話とかも全然わかんなくて。「なんだそれは〜」みたいな。
大学に行っても1人、家にいても1人。
それでも幾何部屋には、コンピューターに詳しい先輩がいたから、そういう話をいろいろ教えてもらえたのは楽しかったですね。

「学生室」事情もさまざま

あっ、そういえば別の学生室におもしろい部屋があって。1人ずつに机がなくて、いわゆるフリーアドレスなんです。つまり、そこの部屋だけ定員が無限なんですよ

▲鶴崎「そこだけなんか無限で」

マジ? ヒルベルトホテルじゃん。
そう、マジで1室だけヒルベルトホテルがある(笑)。

ヒルベルトの無限ホテルのパラドックス:「無限個の部屋があるホテルでは、『満室』でも新たな客を泊めることができる」ということを示す、ドイツの数学者・ヒルベルトによって導入された思考実験。数学的には正しいが、直感に反するためパラドックスとされる。

数学科らしい部屋だ

――ちなみに、山本さんは研究室にどれくらい通ってたんですか?

僕は大学では研究と同じくらいクイズも大事にしたかったんですよね。だから、研究室に行く日と行かない日を分けてました。

でも、研究室のメンバーのなかには「住んでるの?」って思うぐらいずっといる人もいましたね(笑)
わかる。いたよねそういう人。

▲研究室にはだいたい「住んでるレベルの人」がいるのだ

家具を持ち込んでる人までいたんだよ。
すごい。確かに研究室に入ると、研究三昧になるから「いかに快適に過ごせるか」が重要になってくるんだよな。
そうそう、研究室でも豊かな生活を送れるようにね

僕の場合は、ドン・キホーテで買った安いお茶を研究室の冷蔵庫にストックしてていつも飲んでたから、「あのお茶をいつも飲む人」っていうイメージついてた(笑)
漢字王がお茶でキャラ付けされていたとは……。

実験に明け暮れたチャンイケ

――チャンイケはどんな研究室生活を送ってたんですか?

2人は理論系だからパソコンで研究するタイプだと思うんですけど、僕は実験が必要だったから大学行かないと何にもできないんですよね。

だから4年生で研究室に配属されてから3年間毎日通ってました
実験系って大変そうなイメージあるよね。

▲このなかで唯一の実験系、チャンイケ

僕は化学物質を合成する研究してて、とにかくいっぱい試薬を使うんですよ。ちょっとずつやり方とか配分を変えてうまく合成できるかを試していくんです。

それがなかなかうまくいかなくて、しかも1個1個の試薬がめちゃくちゃ高いんですよ。僕が使ってたのは、5gで20万円とかするやつで。
高!!!

▲笑っちゃうくらい高い

それは無駄遣いできないね。
しかもそういう実験に限って失敗しやすいんですよ〜!

実験に失敗するとストレスが溜まるので、みんな独自の「ストレス発散法」を持ってました。僕は「ご飯をもりもり食べる」とかですかね。

僕たちの「理系あるある」は更にニッチな世界に

――ちなみにそれぞれの業界でしか聞かないような特有の言葉ってあるんですか?

数学系でよく聞くのが「嘘」ですね。

次ページ:数学業界でよく聞く「嘘」ってどんな意味? 「言われたらドキッとしちゃう」

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