2人目:中川朝子
次に怪談を披露するのは、医学部生であり小説家でもある中川さん。医者や病院といえば怖い話がつきもの。どんな怪談が飛び出すのでしょうか。
披露!
では、お話しする前に、この場にふさわしい格好に着替えてきますね!
そんな格好、ある?
少しお待ちください。
スッ……
ススッ……
浴衣だ……!
夏らしくていいですね~。
気合い入ってますね、すごい……!
それでは、改めまして話させていただきます。
突然ですが、皆さんになぞなぞを出題します。
!?!?
「失ってはじめて大事だとわかるもの」な~んだ?
それ、なぞなぞとかじゃなくない???
志賀さんから順にどうぞ!
私は「友情」だと思います。
「お金」……ですかね?
「若さ」なんじゃないかな。
案の定、それぞれの価値観を出し合うだけになってるな……。
皆さん、とても良い解答をありがとうございます! でも、残念ながら全員不正解です。
このなぞなぞの答えは……
「健康」です!
やっぱり、なぞなぞじゃないじゃん!
今まで見た中で、一番怖いレイアウトの「健康」だ……。
皆さんの近くにも、病気の兆候は潜んでいます。ある日突然「健康」を失ってしまわないよう、気をつけなければいけません。
そこで今回は、一般の方はそうでもないけど、医者が聞いたら青ざめるキラーフレーズを集めてきました。
絶対怖いやつだ……。
まずはこちら!
「腰背部痛」です。
腰の痛みってこと? なったことはありそうだけどなぁ。
湿布したら治る、ぐらいのイメージですけどね。
このあたりでしょ? 僕もよく痛むけどな。
実はこの症状、「急性大動脈解離」というとても怖い病気の所見でもあるんです。
えっ……!
急性大動脈解離:読んで字のごとく、大切な血管である大動脈が解離する状態。非常に危険であり、困難な緊急手術が必要となることもある。
この症状を聞いたとたん、救急外来はざわめき立ち、緊急オペの準備が始まる可能性もあります。
恐ろしすぎる……。
腰の痛みがある田村さんは大丈夫なんですか……?
大動脈解離の場合、腰痛では済まされないぐらいの強烈な痛みが走ることが多いとされています。
そこまでではないな、よかった〜……。
でも、ただでさえ腰痛はつらいでしょうから、気になるようであればお医者さんに相談してみてください。
はいっ……!
次のキラーフレーズはこちら。
「犬の吠えるような咳」。
本当の怪談のタイトルでありそう。
暗いと読みにくいな……。
この症状が子どもに見られたら、小児科医には緊張が走ります。
こちらは「クループ症候群」という病気の所見になります。
クループ症候群:咽頭が炎症を起こして腫れ、気道が狭くなる病気。乳幼児期に発症しやすい。発症時に出る咳の音は、犬やオットセイの鳴き声にたとえられる。
この咳は、普通の咳との聞き分けはしやすいんですか?
はい、明らかに異常な音なので、すぐに気づくと思います。
次から咳の音には注意しないとな……。
▲怖すぎて思わずカメラ目線になる田村さん
あの……私、幼い頃にこの病気になったことあります。
えっ、大丈夫だったんですか!?
本当に息が苦しくなって、変な咳が出てました。すぐに救急車を呼んでもらったんですけど、今思えば本当に正しい判断だったんですね……。
実際に患ったことがある人がここにいるとなると、もういよいよですね。
リアリティの暴力だ……。
最後はこれです。
「緑色の嘔吐」です。
ホウレンソウの食べすぎ……?
それもちゃんと赤字で書くんだ。
緑色の嘔吐が出た場合、「胆汁性嘔吐」を疑ってください。
胆汁性嘔吐:胆汁が混ざった嘔吐物が出ること。まれに腸閉塞など重病につながるケースも。
実はこの症状、ひどい二日酔いのときにも起こるんです。
なので私、体験したことあります!
▲「大丈夫なの!?」
今度は話してる本人が体験してるんかい!
つい、飲みすぎちゃったんです。
お手本みたいな「医者の不養生」だ……。
結果
終始「身に覚え」を感じながら聞いていました。
まさか昔かかった病気が出てくるとは……。関係ないって切り捨てられる話じゃないですね。
中川さんはお酒をほどほどにしてくださいね。
中川さんは専門分野の濃ゆい話を披露してくれました。他の3人はしばらく、体のちょっとした不調にビクビクしながら過ごすことでしょう。
私の話は、他3人が体験したことがないからこそゾッとする仕上がりになっているかと思います。芸術の恐怖、体験させてあげましょう!
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