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はじめまして。灼熱亭 火焔しゃくねつてい かえんと申します。

突然ですが、皆さんこちらをご覧ください。

とてもいい短歌ですね……

東京スカイツリーに足繁く通い、自分とのつながりを見出した人の短歌でしょうか。

どんな理由でスカイツリーに足繁く通うようになったのか、どのような点で「スカイツリーは私なんだ」という思いを得たのか。物語につながりそうな伏線が散りばめられていて、想像が広がる一首です。

「スカイツリー」という単語が切られて、「東京スカイ」という節が生まれることで、抜けるような青空の情景が浮かんでくるところも素晴らしいと思います。

 

こんな素晴らしい短歌、

一体誰が詠んだのでしょうか……?

 

それは実は、こちらの記事からの引用でした!

初めて読んでくれた人も再度読んでくれた人もありがとうございます。でも、特に短歌を詠んでいるパートは見当たりませんよね。それもそのはず、こちらは偶然短歌なのです!

偶然短歌とは

膨大にあるWikipediaの中から、「5・7・5・7・7」の短歌のリズムになったフレーズを抜き出し、それを短歌として楽しむというもの。いなにわ氏が発案・開発したもので、Twitterbotが運営され、せきしろ氏の選評とともに書籍化されています。

本日は、Webメディア・QuizKnockから、偶然短歌となるフレーズを取り出し、記事をいつもの読み方とは違う楽しみ方をしてみましょう!

偶然短歌の見つけ方

今回は、「形態素解析」というものを用いて記事から短歌を探していきます。

形態素解析とは、私たちが普段生活の中で一般的に使っている言葉、「自然言語」形態素(名詞や助詞など言語の単位)に分割する技術のことです。インターネットの検索エンジンや、Siriなどが人間の言葉を理解するのに使われています。

例えば、「私は勉強が好きです」という文章を形態素解析すると、「私/は/勉強/が/好き/です」というように言葉に分割されるわけですね。

今回使うプログラムでは、記事の文章を形態素解析し、それぞれの形態素の文字数から、5・7・5・7・7で区切れる文章を抽出します。

例えば先ほどのスカイツリーの記事をプログラムに入力すると、このように「偶然短歌っぽいもの」が出力されます。このなかから短歌として見ることができそうで、かつ面白いものをピックアップしていきます!

▲スカイツリーの記事だけでもこれだけ「偶然短歌っぽいもの」がでてきた

今回は用意したプログラムの性質上、そのまま5・7・5・7・7の形としては読めないようなものも多くありますが、抽出したからにはそうしたものも短歌として考えられるのか確認したいところ。とはいえ私ひとりでは心もとない……。

せっかくだからゲストを呼ぼう

ということで、今回はQuizKnock偶然短歌の選評をしてくれるゲストをお呼びすることにしました!

青松輝(あおまつ・あきら)
歌人。1998年3月生まれ。東京大学Q短歌会に2018年から所属。「ベテランち」「雷獣」の名義でYouTubeでも活動。

よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
灼熱亭 火焔 (しゃくねつてい・かえん)
新人ライター。燃え上がるような熱い魂を持っている。しかし短歌に関しては素人。
志賀玲太(しが・れいた)
ライター。短歌については、自作を作って発表しており、そこそこ詳しい。

青松さんはもともと「偶然短歌」ってご存知でしたか?
知ってます。もう本も出されて5年以上経っていて、だいぶ読み手の人間にとっても普通に受け入れられるようになってきた印象ですね。

また、そもそも近年の短歌は、国語の授業で習うような、いかにも短歌という感じの言葉遣いだけではなく、現代的口語的な言葉遣いで作られるものも普通に存在しています。

長い文章から抽出されたわけではなくても、偶然短歌的なアプローチで作られた短歌は、もうかなり受け入れられていると言っていいと思いますね。
なるほど!
今回用意された短歌をざっと見る限り、素直に優れていると言えそうな定型(5・7・5・7・7の形)の歌は少ないかもしれませんが、我々の視点で面白いところを見つけていきたいですね。
そうですね、せっかくなので現代短歌の範疇として読んでいけたらなと思います。

次ページ:さっそく「偶然短歌」を見ていこう!

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この記事を書いた人

灼熱亭 火焔

新人ライター。燃え上がるような熱い魂を持っている。

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