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5首目 「どっ」と「くん」に耳を澄ませて、これらのリズムが乱れていないかなどを

引用元:お医者さんは「聴診器」で何を聴いてるの?【現役医学生が解説】(著:大野 水季)

さて、ここから後半戦です! ここで今回、僕が素人ながら一番気に入った短歌を紹介させてください!

これはまず、好きな人と会ってるときに、自分の鼓動で緊張してることが伝わっていないか不安になるような状況がとてもよくて、それを「ドキドキ」とか「鼓動」とか言わずに、『「どっ」と「くん」』って言う言い方をするのが洒落ているなぁと思いました! 
これは分けると6・7・4・8・7になってますね。

下の句を8・7で分けるのは地味ですが良いテクニックです。
私も自分で詠むときによく使いますね。スーッと流れる感じがあって読みやすくなります。
心臓の鼓動が「どっくん」ではなく、膨張と収縮の「どっ」と「くん」の2つなんだっていうのも、地味ですが改めて書かれてみると発見だなと思いました。
あと、3句目で「これらの」って指示語が使われているのが、いい意味で冗長さがありますね。

心臓の鼓動って色々エモーショナルなことにつなげやすいので、そのままやるとクサい感じになってしまうこともあるんですけど、「これらの」の説明文っぽいところで踏みとどまれています。
また字足らずというのはただでさえ不安な感じがするんですが、これは本来5音しかない3句目で字足らずになっているので、より一層不穏に感じられるのがいいですね。

この3句目のおかげで、少女漫画っぽくもあるベットリした全体の雰囲気に対して、バランスが取れている感じがします。
もし使うとしたら、30作くらい全体で恋愛模様を描いている連作の中なイメージですかね。
そうなんですけど、僕としてはそういうストーリーがなく、こういう感じで関係ないものの中で急に見れた方がよりいいなと思いました。

6首目 いつまでも忘れられません。死んだら古墳に入りたい。ランキング

引用元:【ベスト記事】読者のコメントが秀逸すぎるので、もっと紹介させて!(著:QuizKnock編集部)

続いてはこちら。この短歌はなんと「記事を紹介する記事」の中にありまして、読者のコメント、別記事のタイトル、記事の本文が混じって成立している奇跡の一首です。
こちらも「東京スカイツリーと私」と同じく、「たい。」がはみ出てる句またがりですね。

しかし上の句も定型に収まってくれていればと思ってしまいますし、間に「。(句点)」が入っているせいで、詰まって読まざるを得なくなっちゃうので、なくてもいいなと思うんですがいかがでしょうか。
僕としては上の句の「忘れられません。」と繋がって、最後に「ランキング」という単語として締められるのが、一連の流れとして見れるのでいいんじゃないかと思いますね。
確かに。何かを「忘れられない」というナヨっとした感情に対して、「古墳に入りたい」というユニークなナーバスさは合いますね。
なるほど。この短歌を詠んでる人が何かを「忘れられない」ということではなく、自分が忘れられないように古墳に入りたいという考え方という読み方もできるんですね。
ただ、最後に入る言葉が「ランキング」というのはベストではないんじゃないかと感じますね。

この短歌だと、最後の単語ありきで歌の全体を遡って読むことになるので、より良い単語が当てはまらないか、推敲を求めたいです。
前にあるのが「入りたい」という願望なので、「入りたい順」のランキングと取れるので完全に場違いではないんですが、もうちょっと何か……と思っちゃいますね。
元の記事としてはちゃんと文章は成り立ってるのに……。

短歌として見たらこういった評価になるというのはとても面白いですね。
プログラムはどれだけ動かしても疲れないので、ぜひプログラムの語彙の中から単語をシャッフルして、よりいい5句目にできるよう頑張ってほしいなと思います。

7首目 鉄道の「上り」「下り」はどのように決まっているのか知っています

引用元:電車の「上り・下り」はどう決まる?鉄道に関する素朴なギモン特集(著:QuizKnock編集部)

こちらも記事紹介の記事からの一首です。QuizKnockは普段誰にとってもわかりやすいように伝える表現をしようとしているのに、変な抽出をしたせいで「私は知っています(があなたは知らないでしょうな)」みたいな、いつもと反対の知識をひけらかすような態度になったのが面白かったです。
今回選んだ中でも、いかにもどこかの散文から一文を抜き取ってきたっぽい感じですね。

私が自分で作るときも、この短歌のように「一文で意味が通ってるけど、大きなことは言ってない」一首を作ることがあります。
いや本当に最近はこういう短歌普通にありますよね。

自分も過去に近いような歌を詠んだことあります。

かもしれない運転を心がけたこと、誓って一回もありません

――青松輝

これは知識があくまで鉄道についての雑学なのがいいですね。もっとストレートに役立ちそうな知識だと一気につまらなくなっちゃうと思います。

知っているからって特別な利益は得られず、かつ「なぜ決まっているのか」の確信に触れてないところが良いですね。
元記事にあるように、例外はあるけど実際のところ東京(都会)に近づくか離れるかが基準になっていることが多いわけじゃないですか。

鉄道っていう線を辿って都会へ上っていくっていうのは示唆的で、短歌っていうジャンルに対する批評のようにも取れます。
東京や「短歌というジャンルそのもの」が、勝手に自分らが上られる側と決め付ける思い上がりや、「上」の概念にあるものが「下」から色んなことを吸い上げてくるような感じに対する批評ということですかね。
ですね。それに対する異議申し立てというか、「私は知っていますよ」という態度の表明というか。

「知っています」とだけ言って、それに対して肯定も批判も今のところしていない態度の文章で、これから何をしでかすかわからないところが面白いですね。

8首目 違和感を覚えました。 アイロンをかけると「カサッ 」と音が……。うわあ

引用元:レシートの文字はスティックのりで消える!紙に隠された謎に迫る(著:千春)

さぁいよいよ本日最後の短歌です。

僕は子供の洗濯物畳んでたらポケットに虫とか学校からのプリントとか、「うわあ」って言っちゃうようなものが入ってたお母さんの句に思えて、自分も怒られたなぁと思い出しながら読みました。
情景は浮かびやすいですけど、擬音語が入っていたり、普通は使わない「うわあ」というフレーズが入っていたり、文の組み立て方は異様ですよね。
うん、これは上手いですね。こういう組み立て方をしたときに、意味深すぎると読むのが難しくなっちゃうので、内容がわかりやすいのもいいと思います。

そして「うわあ」の部分は、人間だとバカだと思われるのが恥ずかしくて出せない気もするんですが、これくらい振り切ってる方が面白いですね。
私も自分じゃ使えないかもなぁ……。
ちなみにこちらのレシートの記事、少しずれたところでも短歌が成り立っていて、

ポケットの上をアイロンが通過したとき、違和感を覚えました

触れ合わず、何も反応は起きません。しかし、ここに熱が加わる

っていうのもいいな~と思いました。
「触れ合わず~」のやつもめっちゃいいですね! レシートの記事書いた人センスあるな。

まとめ

さて本日は8首見ていただきましたが、楽しんでいただけたでしょうか。

お気に入りの短歌などありましたか?
私は青松さんの話を聞いて改めて考えると、古墳の短歌ですかね。「ランキング」が正しいのかずっと考えちゃいますね。
すごい良かったですね。人間とする歌会より満足度高かったかもしれません。

僕はハロウィンの短歌が一番好きでした。
見たことない技の博覧会を見たようで面白かったですね。

人間相手だとその技を出してくることにある程度うまくいく見込みと意図があるので、その前提で評価をすることになります。

でも今回取り扱ったものは、決まった形式の中での面白さを見つけるような形じゃないにしろ、技が決まってるのかもわからないまま何かをぶち込んでこられるような感覚だったのは楽しかったですね。
やっぱり人間の想像力には限界があるんですよね。

ある程度優れた歌には型があって、それに従えば良さげな歌を作るのはできるようになっていくんですが、その先を目指すにはこうして想像の限界を超えていこうとした方がいいかもしれない。
あと、短歌って一首だけで評価するだけではなく、歌集などの連作の形を取って、それぞれの短歌の選び方や並べ方も含めて評価する部分もあるんですよね。

なので、もっとプログラムの精度の向上を要求するとしたら、今回は灼熱亭火焔さんがやってくれたように、数字上ピックアップされるものから短歌として楽しめるものを厳選して、並べるところまで機械学習でできたら面白いなと思いました。
いい短歌がたくさん見つけられてよかったです!

僕は短歌のこと全然知らなかったんですが、今回お二人の話を聞いてもっと詳しくなって、偶然じゃない短歌も作ってみたいと思いました。
本当思ってたより盛り上がってびっくりしています。見ていくうちに評価のハードルが上がっていって面白かったです。
僕も人間が詠まないような短歌が見られてとてもよかったです。自分でも制作のプロセスに組み込んでみようかなと思いました。

ありがとうございました!
ありがとうございました!
ありがとうございました!

まだ探せてない記事はたくさんありますので、今回読者の皆様の反応次第では第2弾があるかもしれません!

読者の皆様も、よかったら偶然短歌を探しながら記事を見ていただいて、より一層楽しんでいただけたら幸いです!

それではまた次の記事でお会いしましょう!

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この記事を書いた人

灼熱亭 火焔

新人ライター。燃え上がるような熱い魂を持っている。

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