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ランドマーク税理士法人

河村です。どうも。

先日、目覚まし時計が壊れました。
もし寝ている時に壊れたら永遠に目覚められなかったはずなので、起きている時に壊れて良かったです。


今日は「食の喜び」について考えていました。

僕は食の喜びを知っています。心の底から知っています。
なぜなら一度失ったことがあるからです。

……数年前まだヤンチャだった僕は、食費を浮かせるため、食事を統一し、その全部を完全食にしていました。

毎日毎食「牛乳にプロテインを溶かして、シリアルを加えたもの+サプリメント」

(美食は悪だ、というイギリス人みたいな考えがあったことも否定できません。僕は食事の一過性さを極度に敵視していたのです)

その結果、食費は浮きました。アホみたいに浮きました。

一方で、フィジカルやメンタルからは潤いが失われ、生活がガッサガサになりました。当然ですね。

s_s_5130145390686 当時買ったお徳用プロテイン。今でもたまに思い出して飲む

大切なものは失ってから気付くもの。そこで初めて僕は、「食の喜び」に気付いたのです。


さて、喜びに目覚めた僕が考えるのは「どんなものが美味しいか」。

この難問について、僕は答えらしきものを見つけました。

です。脂は美味い。

s_s_5130179023717 脂なので美味い

野菜や海産物も美味しいんですが、どちらかと言うと「大いなる何かに身を委ねる」タイプの美味しさであって、ッシャオラ感は足りません(ッシャオラ感とは、「ッシャオラ」と口に出したくなる感じのことです)。

ッシャオラ感のある食べ物といえば、脂です。ゆえに脂は美味しいのです。

しかしどうやら、「脂は健康に悪い」。色んなメディアが脂の危険性を叫んでいます。

 

……そんなことは知っとるのじゃい!

ココらへんをちゃんと調べたところでドーセ「食べ過ぎも食べなさ過ぎも良くないぞい」という含蓄じみたミミタコ結論が得られるだけ。
偉大なる栄養学が辿り着いた間違いの無い結論です。

でもね。

身体に悪いのは百も承知、僕は腹いっぱい脂が食いたい。腹いっぱい脂を食うことを許されたい。
こんな僕を許してくれるものはないものか……。

そうだ! 栄養学的な視点がダメなら、文化的な視点から許してもらおう!

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フィリポフ,ミシェル 著(2016)『脂肪の歴史』(服部千佳子 訳)原書房

そういうわけで、本を買ってきました。

脂肪の歴史・文化について書かれた本です(腹回りの脂肪についての本でない旨、前文に書かれています)。

今日は、「脂肪を食べ過ぎても許される」、そんなハートフルな文化を探してみます。

生きるための脂肪――イヌイットの文化

フィリポフ(2016, p13)によれば、通常の我々の食生活において、脂肪の占める割合は4割ほど。

しかし、北極圏・イヌイットの食文化では、脂肪が全エネルギー源の7割を占めるそうです。7割!?

脂肪7割の食事って想像がつきません。「バターの天ぷら」とか作ったらそのくらいになるかもしれませんが……。
イヌイットの皆さん、何食べてるの?

 

……答えは、アザラシ

animal_azarashi 食材としてのアザラシ

寒い寒い北極圏。冷たい海にすむアザラシは、防寒のため身体に脂肪を蓄えています。体脂肪率は50%を超えるそうな。

イヌイットはそんなアザラシを食べます。アザラシの脂肪を食べます。なぜなら、食べないとエネルギーが足りず、体温が保てないから。

脂肪はエネルギーの塊、炭水化物なんかよりよっぽどエネルギッシュ。
そういうわけで、体温を保つのが大変な、エネルギー消費が激しい北極圏では、脂肪がもてはやされるのです。

他にもイヌイットはクジラなどを食べるそうです。やっぱり脂っぽそう。

権力としての脂肪――インディアンの文化

アメリカ先住民インディアンの伝統行事「ポトラッチ」を紹介します。ポトラッチでは、脂っぽい食べ物が食いたい放題なのです。

ポトラッチ。出産や成人の時など、節目節目に行う祝宴です。

800px-wrangell_totem_poles トーテムポールは元々ポトラッチの贈り物。

wikipedia / Via .wikipedia.org

(ここから精神世界)

さて、ポトラッチの始まり始まり。

あなたは招待客。宴に招かれます。

すると食べ物が山ほど出されます。食べたい放題イェーイ!
このごちそうは、主人からあなたへの贈り物なのです!

食べたい放題イェーイ! あなたは食って食って食いまくります。遠慮は要りません、贈り物ですから。

アザラシや魚などの脂っぽい料理(彼らにとって高級品)が出ます。脂で腹を満たせ!

パクパク……。

ムシャムシャ……。

……。

さてさて、さすがにもういいかな。あなたはもう食べられません、大満足。

でも食べ物はありあまっています。とんでもない量が積まれています。
あなたは吐く寸前まで食べていて、もう一口も食べられません。

すると主人、おもむろに立ち上がる!

そして料理を全部火の中へ! 悪魔的笑みを浮かべる主人!

そう――この行事は「主人の財力見せつけパーティー」だったのだ!
いやらしく笑う主人、引け目を感じるあなた、生まれた絶対的「人間格差」

(ここまで精神世界)

ポトラッチとはこういう行事です。マジです。「贈与による戦争」などと言われることがあります。

こんな「札束ビンタ」みたいなイベントが、インディアンの間では行われているのです。

腹は満たされても心がすさむ……。

※食事会以外のパターンのポトラッチもあります。共通するのは「最強の財力を見せつけて相手を沈黙させること」。


以上、世界から2つの「アブラギッシュ文化」を紹介しました。

脂肪を腹いっぱい食べるためには、とんでもなく寒い地域に移住するか、お金持ち主催の食事会に参加すればいいことが分かりましたね。

……寒いのが苦手で、人脈の無い僕には、両方無理そうです。

 

さて、ここで考え直します……僕が好きなものを食べることを、誰かに許してもらう必要は、そもそもあるのか?

そうだ! 僕は好きなものを好きなだけ食べればいいんだ! イェーイ!

s_s_5130178998877 イェーイ!!!

そしたら身体は太るわ財布はやせるわでエライ目にあいました。

あしたはげつようび。あしたはダイエットも節約もするから許して……。


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この記事を書いた人

河村・拓哉

河村です。どうも。日頃は主にYouTubeで活動していますが、同じく「楽しいから始まる学び」に寄り添って記事も書いていきます。東大クイズ研OB。

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