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株式会社宝塚クリエイティブアーツ

春色の汽車に乗って 海に連れて行ってよ

1982年にリリースされた松田聖子のヒット曲『赤いスイートピー』の歌い出しだ。若い世代の方でも、どこかで聞いたことがあるのではないだろうか。

鉄道好きの筆者は、いつか実際にこの「春色の汽車」に乗ってみて、素敵な春の気分を味わいたいなぁと思っている。

調べてみると、歌詞のモデルになったのはどうやら湘南の海沿いを走る列車らしい。しかし困ったことに、大阪在住の筆者にとって神奈川県はだいぶ遠いし、何より湘南エリアにオシャレなイメージがありすぎて若干近寄りがたい(偏見)。

▲あらゆる「オシャレ」が具現化された風景、湘南……!

そんなわけで、もう少し手の届きそうな「春色の汽車」を見つけ出し、実際に乗りに行ってみようと思う。暑い夏がやってくる前に、爽やかな春の気分をあなたにもお裾分けできれば何よりだ。

「春色」ってどんな色?

さて、まずは「春色」について考えてみる。

手元の辞書を引いてみても「春色(はるいろ)」という見出し語は見当たらなかったが、春の景色のことを指す「春色(しゅんしょく)」という言葉は見つかった。ということは特定の色ではなく、淡くてきれいな、春めいた色全般を思い浮かべればよさそうだ。桜の花びらの薄い桃色、菜の花やタンポポの黄色、晴れた空にたなびく雲の白色……。

ところが困ったことに、日本の汽車(SL)はほとんどが黒色に塗られている。世界の鉄道に目を向ければ、『きかんしゃトーマス』に登場する仲間たちのようなカラフルなSLも走っているようだけど、わざわざ海外まで乗りに行くのは大変だ。

▲かつて時速約200km(!)というSLの世界最速記録を叩き出した「マラード号」。現在はきれいな青色に塗られている

春色の汽車、発見!

とはいえ、諦めるのはまだ早い。「汽車」という言葉は一般的にはSLのことを指すけれど、実は地方によってはJRの列車を指すケースもあったりするのだ。

ということで、JR西日本の路線を走っている「春色」の車両を探してみると……兵庫県・岡山県・広島県にまたがるエリアの在来線に、それらしい電車が2種類見つかった。

ベテランの風格「113・115系」

一つは、国鉄時代から長らく活躍している113・115系という車両だ。車体のカラーリングは黄色で、野原に咲き乱れる菜の花やたんぽぽのイエローがイメージされる。まさに「春色」と言っていいだろう。

花の色をまとう「Urara」

そして、ベテランの113・115系に近年取って代わりつつあるのが、「Urara」と呼ばれる新型車両の227系だ。沿線の桃・バラ・桜をイメージしたピンク色を基調として、7色のグラデーション帯がアクセントとして入っている。

(引用元:PR TIMES

どちらも瀬戸内海沿いの路線を走っているから、「春色の汽車に乗って 海に連れて行ってよ」のイメージにもぴったりだ

「素敵な旅」のはじまり

そんなわけで、実際に「春色の汽車」に乗りに行ってみよう!

▲いつも通りの大阪駅

今回は大阪駅から列車を乗り継ぎ、広島県の福山市にある景勝地・ともの浦まで行ってみることにした。『崖の上のポニョ』の舞台のモデルになったとされる、歴史ある港町である。

次ページ:いざ西へ! 春の素敵な片道4時間旅

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この記事を書いた人

富取 新太

大阪大学在学中。夜行列車と海峡と古書店が好きです。

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