神戸でひとり暮らしを始めてから、電車のありがたさをより痛感しています。こんにちは、菜葵です。
先日の記事ではつり革の高さに注目し、その基準を取材しました。
そういえば、つり革って形も三角型と丸型の2種類があるような……。そこで今回はつり革の形に焦点を当て、それぞれの採用理由やその要因となった特徴を聞いてみました。
※今回いただいた回答はその会社全ての車両に共通するものではなく、主要車両についてのものです。
つり革の「形」の採用理由は?
電車のつり革の形といえば、三角型と丸型。
各社に使用している形を聞いたところ、三角型を採用しているのが7社、丸型を採用しているのが5社、三角型と丸型どちらも採用しているのが4社という結果になりました。
▲各社の回答まとめ
その採用理由を聞いてみると、高さのときと同様に国土交通省によって定められた「公共交通機関の旅客施設・車両等・役務の提供に関する移動等円滑化整備ガイドライン(バリアフリー整備ガイドライン)」で決めている(JR九州)という回答もありましたが、多くは三角、丸というそれぞれの形の特徴に注目して選んでいるということでした。
三角型のつり革は持ちやすく疲れにくい
三角型のつり革を採用している理由は、持ったときに力を入れやすい、加えて、持ちやすく安定感があるため疲労を感じにくいからだということです。
名古屋市交通局:座席前に立った状態で、窓を向いて自然に持つことができ、力を入れて握りやすい特徴があります。
東京メトロ:レール方向に対して直角方向に吊り下げられ、手を前方または後方に回転させたりすることなく、自然な手の向きのまま握ることができると共に吊手本体も回転しないため安定感があり長時間の使用でも疲労感を伴わない形状として採用しました。
また、東急電鉄では、複数人でも掴まりやすいように大きな三角型を採用しているとのことでした。
東急電鉄:多客時にひとつのつり革を複数人で掴まるような状況があり、掴まりやすくするために大きな三角型の形状としています。
丸型のつり革はとっさに掴まりやすい
一方、丸型のつり革は、通常時はもちろん、揺れによってとっさに使用するときにも掴まりやすいという特徴があります。
JR西日本:過去の研究結果により、丸型が通常時やとっさにつかまる際の両方において、つかみやすい結果となったため採用しています。
阪急電鉄:列車は走行中、列車の進行方向に対して左右に揺れ動くことが多く、リングと窓と並行に取り付けられている「丸型」の吊輪では、そうした揺れに対して身体をささえやすくなること、またつかみやすい、とっさに持ちやすいこともあります。
また、その形による安全性に注目する声もありました。
JR東海:顔などに当るような突起がなく、つり革のどの部分にも掴まることができるため。
可愛いつり革の形もありました!
他にも、車両のデザイン等加味して決めている(西日本鉄道株式会社)という理由や、季節限定の変わった形もあるようです。それがこのハート型。
ゆりかもめ:ホワイトデーなどの時期にあわせて、ハート型のつり革を設置したことがございます。
ちょっとした遊び心も、利用する私たちをワクワクさせてくれます。
つり革の「形」は、その形の特徴を踏まえて会社ごとにどの形がいいかを選んでいることがわかりました。
つり革の形はそれぞれの特徴によって決められていた!
会社によって採用しているつり革の形は異なり、それぞれの特徴が大きな採用理由となっていました。つり革の形も、私たちの毎日の通勤通学をより快適にしてくれるもののひとつだったのです。
私の日常の気づきから始まったこの調査。皆さんも周りのものに目を向けてみると、誰かの温かい心が感じられるかもしれません。
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