ポイントは「思い出せる場所」か
スーパーやドラッグストアは売上が多い場所なんですね! 個人的には意外です。
でも、スーパーやドラッグストアって、カジュアルな服装で行くことが多い場所ですよね。証明写真が必要になるような施設ではありませんが、どうして売上が多いんでしょうか?
それは、いざ「証明写真が必要だ」というときに思い出せる場所だからなんです。
思い出せる場所だから、というのはどういうことですか?
証明写真が日常的に必要になる人はあまり多くないと思います。そんななかで、証明写真が必要になったとき、まず、どこに証明写真機があるかを記憶からたどるはずです。
脳内検索します!
一方、スーパーやドラッグストアは日常的に使う場所ですよね。これらのお店に行くたびに証明写真機が利用者の目に入っていれば、記憶に残りやすいんです。
証明写真機は駅などにも多く設置していますが、これも理由は同じで「毎日行く場所」だからです。
なるほど。その施設自体では必要なくとも、利用する人に「あそこにあるな」と思いついてもらうことが大事なんですね!
その通りです。このため、証明写真機を設置した直後はあまり売上はないのですが、だんだん認知されていって、お客様が増えていくという傾向があります。
なるほど。お店などはふつう開店直後に売上が伸びるイメージがあるんですが、それとは逆なんですね。
「人が集まる場所」だけではダメらしい
スーパーマーケットは設置してみたら成功した例ですが、それとは反対に、置いてみたけど売上が伸び悩んだという場所はありますか?
それでいうと、大きなショッピングモールですね。人がたくさん集まる場所ではありますが、毎日行く人はあまり多くないように思います。このため、あまり売上が伸びなかったと考えられます。
言われてみれば、ショッピングモールで証明写真撮ろうと思ったこと、ないです。やはり「日常的に行く場所」ということが大事なんですね。
スーパーやドラッグストアのように、日常的に使う場所以外は設置を避けているんでしょうか?
基本的には、売上が見込めて、設置する場所の許可が得られれば設置しています。また、「置いてほしい」という需要があり、お互いの利益が合致すれば設置しています。
▲駅で見つけた証明写真機。設置されている場所には理由があるのね
「置いてほしい」という声は、証明写真を目的とした集客を見込んでの需要なんでしょうか?
そういうのは少ない気がします。どちらかというと、近くに写真店や証明写真機がない場所から打診があることが多いですね。
証明写真機、家の前にも置ける?
富士フイルムでは、いつ頃から証明写真機を販売しているのですか?
20数年前くらいでしょうか。
▲富士フイルムの証明写真ボックス(富士フイルム提供)
そんなに前から。ではスーパーに置き始めたのはいつ頃でしょうか?
私は詳しくないのですが、当初からいろんな場所に設置して、最適化されていったと思います。
▲こちらも駅で見つけた証明写真機
なるほど、試行錯誤の結果なんですね。証明写真機は街の色々なところにあるように思いますが、ここまで普及したのにはどんな背景があるのでしょうか?
詳しいことはわかりませんが、証明写真はもともと写真店で撮るのが主流だったはずです。ただし、写真店は24時間営業しているわけではないし、撮り直しなどの対応をしてくれるぶん、価格帯も少し高いかと思います。
また、写真店がある場所も限られていますから、カバーしきれなかった地域から需要が広がっていったのではないでしょうか。
確かに、写真店よりも手軽に撮れるのは魅力ですよね。
……ちなみに、個人で証明写真機を設置することってできますか? 自動販売機みたいな感じで。
そうですね……需要があれば……。
ちょっと難しそうな反応ですね(笑)。設置先で機械の維持が大変なのでしょうか?
清掃や集金などの維持管理は弊社がおこなうので、設置先様は何もする必要がありません。このため、弊社としてメリットがあるなら……という話になりますね。
証明写真撮りたいとき、すぐ撮れる場所にあったら便利だな〜と思ったんですけど、やっぱり難しいのか……! ありがとうございます!
「そういえば」で思い出せることが大事!
取材してみると、証明写真機がスーパーマーケットに置かれている最大の理由は「思い出せる場所だから」であることがわかりました。その場所では証明写真を使うことがなくとも、必要なときにすぐ思い出して写真を撮りに行ける場所としてスーパーが適しているんですね。
証明写真が急に必要になったら、近くのスーパーに行ってみるとあれこれ探し回らずに写真を撮れるかもしれません。
▲(おまけ)笑顔で撮ってもちょっぴり左肩下がってました
【あわせて読みたい】
【このライターの他の記事もどうぞ】