「卒業旅行、ここ行った!」、今回は旅好きライターの森田 晃平が担当します。
1人でインドへ!
旅行を最大の趣味に挙げ、稼いだバイト代をほとんど旅行代に費やして47都道府県を制覇・16カ国訪問してきた私が卒業旅行で訪れたのは、インド。今年(2025年)1月、インドを10日間一人旅してきました。
インドは、高校生の頃からずっと行ってみたかった国です。しかし、「体調を崩したらどうしよう」「詐欺師が多そう」「カオスすぎて、街中を歩いているだけで疲れそう」などの心配事も多く、なかなか踏ん切りがつかずにいました。
それでもインドへの思いが絶えず、アジア各国で一人旅の経験を積んで海外でのトラブル対処法を一通り理解し(た気になっ)た私。
そろそろ、インドも私を受け入れてくれるはず……。
そう思い、「卒業旅行」として、また旅人として一段階レベルアップするための一種の「通過儀礼」として、ついにインドに向かうことに決めたのです。
タージ・マハルへ
今回の旅行では、インド北部の3都市を周遊しました。まず向かったのはアグラ。訪れたのは、インド観光では外せないタージ・マハル!

期待通りの美しさでした。あまりにも均整の取れすぎた白一色の巨大な建物を目の前に、「今見ているのは、実は精巧に作られた偽物なんじゃないか……?」と思ってしまう、不思議な感覚を抱きました。
本場のカレーもここで初体験。実は私には辛い食べ物が苦手というインドを旅する上で致命的な弱点があるのですが、日本で少し慣らしたおかげもあっておいしく食べることができました。

インドの首都・デリー
続いては、インドの首都であるデリー。3日間で世界遺産をはじめとする観光名所をたくさん巡りました。
なかでも特に印象に残っているのは、現役で使われている宗教施設を巡ったことです。ヒンドゥー教、仏教、シク教などの寺院に行き、礼拝の様子を見学したり、実際に礼拝に参加したりしました。大学で宗教学を専攻していた私にとって、知識として覚えていただけの宗教の営みが実際に目の前で行われている様子には、興奮を覚えずにはいられませんでした。
「聖地」バラナシ
最後に訪れたのは、聖なる河・ガンジスが流れるヒンドゥー教の聖地バラナシ。狭い路地を行きかう大量の人々、その間を我が物顔で闊歩する牛、河岸の火葬場から立ちのぼる煙、すべてを受け入れ呑み込むかのごとく悠々と流れるガンジス……。
まさにインドらしい混沌を感じながら街を歩いていると、「遠く離れたインドまで来られて本当によかった」という感慨深くなりました。
旅の目的の一つだった「ガンジスでの沐浴」も、(全身はつからず、簡易的なものですが)河岸にいたインド人集団に作法を教えてもらいながら無事達成できました。
インド旅行を終えて 〜私が旅に出る理由〜
今回の旅行の前後で、インドという国に対する印象はガラッと変わりました。記事冒頭で書いたような不安要素も、洗礼としていくつか遭遇はしましたが、一人で乗り越え、歩いていると、むしろ心地よく感じました。
よく「インドは好き嫌いがはっきり分かれる国」といわれますが、私は大好きになりました。近いうちに再び訪れたいと思っています。
日常的に旅行をしていると、時々「なんでそんなに旅行が好きなの?」と聞かれます。この問いに対する答えは今でも見つかっていないのですが、現時点で答えるなら「実際に現地に行かないと、わからないことがあるから」です。
私は地理が好きなので、日本や世界の観光スポットを多く知っている自信があります。でも、「知識として知っている」ことと、「実際に行って何かを感じる」ことには、大きな隔たりがあります。私がインドで経験したように、旅をすることである街や国に対するイメージが大きく変わることも珍しくありません。
今回の旅行でも、「道端で話しかけてくるインド人は全員が詐欺師ではなく、ほとんどは外国人観光客としゃべってみたいだけ」とか、「野菜のカレーはあまり辛くなくて、肉入りのカレーは辛い傾向にある」とか、「インドの子供がスマホで遊んでいるサッカーゲームでは、柏レイソルの細谷真大選手が“HOSOYA”ではなく“GOSOYA”と誤表記されている」とか、いろいろな発見がありました。
別にそんなことがわかっても、役に立つことなんて、ほとんどありません。ましてや、私以外の人間は何も得しません。でも、それでいいのです。私は、それらの発見を心から求め、楽しみ、愛しているから。そして、私は、私のために旅をしているから。
だから私は、これからも日本中・世界中を旅し続けます。ただただ、私のために。

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