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こんにちは、まちょです。

みなさんは正座し続けたり、腕枕をしながら寝てしまい腕や足がしびれてしまったりした経験がありませんか? 私もよく足がしびれるのですが、かなり不快ですよね。

▲正座の後は立ち上がれなくなったりします

ではいったい、なぜ足がしびれてしまうのでしょうか。「血の流れ(血流)が悪くなるからでしょ、知ってるよ!」という方、ちょっと待ってください。じゃあなぜ血流が悪くなると足がしびれるのでしょうか。よく考えると不思議ですよね。

今回は私と一緒に「しびれ」の秘密を見ていきましょう!

そもそも「しびれ」って何だろう

なぜしびれが「起こるのか」を考える前に、「しびれの正体」について考えましょう。

しびれを感知しているのは末梢神経と呼ばれるものです。

例えば、ひじをぶつけた際、たまにしびれることがありますよね。それはひじにある末梢神経が集まっているところが物理的な刺激で圧迫されることで、そこに異常が起こることが原因です。つまり、この「異常な末梢神経の働き」がしびれの正体なのです。

ちなみにですが、ひじのぶつけてしびれやすい部位は俗にファニーボーンと呼ばれています。

正座は血流を変化させてしまう

ここからは、正座で末梢神経に異常が起きてしまう原因を探っていこうと思います。

冒頭でもお話ししましたが、正座は足が圧迫されるような姿勢であり、長い間続けていると血流が悪くなってしまいます。しかし、実は正座で足がしびれる理由はそれだけではありません。

ここで正座している場面を思い出してみましょう。正座をしている時もそうですが、正座を崩した直後、よりしびれを感じたという人はいませんか?

そう、血流が悪くなることだけでなく、その後血流が急速に元に戻ることもしびれには重要なのです。この2つが原因で、末梢神経に異常が起こってしまいます。

異常を感知する分子

しかし、血流の変化が「しびれ」を起こすというのも不思議ですよね。ここからは、血流の変化がしびれを起こすメカニズムを見ていきましょう。

2016年、京都大学のグループによって、ある分子が異常を感知することで、末梢神経の異常な働きを起こしているという論文が報告されました。(プレスリリースはこちら

それがTRPA1(トリップエーワン)チャネルと呼ばれるものです。

TRPチャネルは以前、「蚊に刺されても痛くないのはなぜ?秘密は「針の細さ」【素朴なギモン】」という記事でも解説しました。そこではTRPA1を「痛点のセンサー」として紹介しましたが、なんとTRPA1がしびれの発生にも関わっていることが考えられているのです。

血流が悪くなると、末梢神経に必要な酸素が不足する低酸素状態となります。TRPA1は「酸素センサー」として考えられているため、末梢神経にあるTRPA1が低酸素状態を感知し異常を引き起こすのです。

また、血流が戻るときには活性酸素と呼ばれる酸化物質が発生してしまい、それもまたTRPA1を刺激するのです。


まとめ

なぜ正座で足がしびれるの? ひとことでいうと、「血流の変化がTRPA1チャネルを刺激することで、末梢神経に異常を発生させるから」ということが考えられているのです。

では、また次の記事でお会いしましょう。

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この記事を書いた人

まちょ

博士後期課程のまちょです。専門は薬学です。薬学は生物・物理・化学すべてを網羅する学問ですが、分かりやすくかつ興味をもってもらえるような記事を書きたいです!

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