2016年10月2日、私が特番としての『東大王』を収録しているそのさなか、QuizKnockは世間にお目見えした。
未来のことなんて考えられない、その場しのぎの日々を繰り返す中で、メディアも組織もファンベースも大きくなり、気づいたら9年もの月日が流れていた。

YouTubeを通して知ってくださった方も多いかとは思うが、9年間ずっと続いてきたのはWebメディアとしてのQuizKnockだ。Webメディアが9年もの間、コンスタントに更新され続けることは、贔屓目抜きになかなかの偉業である。
今はもはやクイズのデータベースとしてすら機能し始めた感があり、あの頃に妄想していた世界がいま眼の前にあるということに、尋常でない感慨を覚える。
いよいよここから始まる「QuizKnock10周年プロジェクト」、せっかくだからこれまでを振り返る意味で、思い出の記事を選んでみた。
10周年なので10本選ぼうとしたが、普通に全然収まらなかったので15本になってしまった。これまでの歩みを3つの時期に分類し、それぞれ5本の記事を挙げている。思い出に浸るもよし、新たな出会いを楽しむもよし、ぜひQuizKnockの世界をお楽しみいただきたい。
草創期
WebメディアとしてのQuizKnockが始まってから、軌道に乗るまでの時期。ニーズに答える以前に、そもそも日々記事を出し続けるということにも苦労していた。
東大生であること自体をプッシュしてみたり、時事問題を解説してみたりとあれやこれや試行錯誤した結果、「ここにしかない、楽しくクイズをすることで学べる場」というところへとたどり着き、ひとまず安定飛行にはこぎつけた……そんな頃。今見ると少し恥ずかしい、汗の香りただよう手作りな記事たちである。
1. 【3分で常識力チェック!】大人の常識Knock vol.1

メディア開設1カ月前、小石川にあった我が家にて行われた初の編集会議。そこで「軸となる連載を作ろう」として初めて誕生したのがこの「常識Knock」だった。
初期を支えてくれた、安心感のある連載企画である。今解いても、時事問題以外は楽しめる程よい難易度。うむ、落ち着く。
「大人の常識Knock」バックナンバーはこちら!
2. オタクは水族館デートに行くな【東大生・自慢のデートテク】

この記事があったからこそ、良いスタートダッシュを切ることができたありがたい一本。いかにも当時のWebメディアっぽい作りだが、知識の要素はしっかりと入っている。
この頃からあんまりブレていないということが、今なお誇らしい作品だ。
3. 有名な場所も地図上だとほぼわからなくなる件2

メディアを立ち上げて半年、苦戦に次ぐ苦戦、様々な試みや路線変更を通して「やっぱりここでしか解けないクイズを面白く見せることこそが、QuizKnockらしさなのでは」という結論に至った。
その方針転換の第1作となったのがこの記事であり、以降メディアとしてはゆるやかながらビューを回復させていくことになる。長い苦しみの中でひとつの光をもたらしてくれた、私の希望だ。
4. 5000兆円欲しい!で、実際どう使うの?京大生がクソ真面目に考察

初期を支え、現在は編集者として舞い戻った鬼才ライター・コジマの代表作。
当時のネットミームを上手に捉えつつ、様々なレコメンドにも助けられ、リリースから数年もの間安定したビューを残した。ネタの良さも、短くまとめる文才も、今なお色褪せていない。知的おもしろ路線を確立した金字塔だ。
これをリアルタイムで読んでいた人は、文句なしに古参であろう。
5. 【朝Knock】日々のニュースをクイズでチェック!

初期の目玉コンテンツのひとつが、平日に毎日更新されていた時事クイズ企画「朝Knock」。
編集部もライターもその負担はかなりのものだったが、ひとまず毎日読んでもらえて、ちょっとした学びもあって……というまさに「QuizKnockだからこそ」の企画だ。私自身、朝Knockのお陰で正解できたクイズがたくさんあった。
無茶故に素晴らしい、思い出のダイアリーである。