3人目:あさぬま
続く参加者はあさぬま。前回の偉人×カクテル選手権ではスマートな偉人の表現と優れた味を両立して優勝を獲得しただけに、今回の出来にも期待が集まります。
▲さっそく大量の材料が並ぶ
今回はグラスを4つ用意しているんですが、それに合わせて4種類作っていこうかなと思います。
4種類で、一人の偉人?
そう、4つで一人です。まずベースに使うのは、ウィスキーです。これにそれぞれ違うドリンクを混ぜてシェイクしていきます。
▲シェイクも慣れたもの……?
よく見たら、野菜ジュースとかフルーツとか、そういう種類のものが多いね。
「野菜一日これ一本」、大学生のときに毎日飲んでたわ。
私これ飲んだことないんですよね。
もう味の保証がなくなった。これ、色が重要なんですか?
色というより、何が入っているかが大事ですね。
▲あさぬま「これは飲んだことあります」
でも、見た目もどれも綺麗だな。おいしそう。
香りも今のところいいね。
更に、それぞれに仕上げとしてトッピングを加えていきます。オレンジ、洋梨、さくらんぼ……。そして最後に、こちらにはお花をーー
シャキン!
ファサ……
やってるな。
斬新過ぎる。でもこれ、どんな偉人がわからないな?
僕わかったかも。もしかしてこれアルチンボルドじゃない? 野菜とか果物を使ってるところでもしやと思ったんだよね。
さすが、正解です。
誰?
イタリア、ミラノ生まれの画家です。今回イメージしたのは、彼の代表作の『四季』です。春、夏、秋、冬のそれぞれをイメージした絵があるんですよね。
アルチンボルド:イタリアの画家。野菜、果物、魚、動物などを組み合わせて描く人物画を得意とし、ウィーン、プラハで宮廷画家として長く活躍した。
▲用意も周到
見てもらうとわかるんですが、彼の最も大きな特徴であるのが、人物画を描くのに野菜や果物のモチーフを使っているところなんですよね。だから今回は、「それぞれの絵に描かれている野菜や果物」を使ってカクテルを作ってみました。
▲アルチンボルド『四季』
これは凄いな。
あさぬまの偉人カクテル
それじゃあどんどん飲んでいきましょうか。
4杯あるしね。
試飲
4杯用意するというトリッキーな技こそ披露しましたが、前回優勝者の評判を裏切らず堅実な仕上がりを見せてきました。こちらは、味の方も期待できそうです。
一人一杯飲もうぜ。ジャンケンな。
▲持っている男、須貝が勝利
じゃあ俺は「夏」ね。いただきます。
▲「やりおるなこのカクテル」
フルーツの味もしておいしいけど、後から結構アルコールが来るな。
あ、おいしい。でも結構スタンダードなおいしさかも。
▲「ねぇ飲みにくいよこれ」
飲みにくいけど、おいしいよこれ。ウィスキーベースだけど、すんなりした口当たりだね。
▲「ちゃんとおいしい」
またおいしいの作っちゃった。私天才かもしれん。お酒のいやらしさがないですね。
堅実過ぎるが故に突き抜けきれなかったことは気になりますが、味・再現度・プレゼン力の全てにおいて高評価です。前回優勝者の面目躍如、といったところでしょうか。
ウィスキーをベースにしたのにも実は理由があるんです。ウィスキーって、大麦からできているお酒じゃないですか。ちょっと『夏』を見てください。
▲アルチンボルド『四季』より『夏』
まさか麦が描かれているとか?
そう。ビールとも迷ったんですが、味の相性も考えてウィスキーを選びました。
これがお手本です。
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