QuizKnockのパズル王・ふくらPが、じっくり「パズル」を語るインタビュー(全3回)。幼少期からルービックキューブなどのパズルに慣れ親しんできたふくらPに、パズルの魅力、そこから得られる学びについて聞いていきます。
▲過去には角度によって色が変わるルービックキューブにも挑戦
中編となる今回は、ふくらPの頭のなかで繰り広げられている「パズル的思考」について掘り下げていきます。パズルを解くための考え方は、ふくらPの日常生活のさまざまな場面で活かされているようです。ほかにも、影響を受けたパズル作家や、そして「なぜ初めて触るパズルでも解けてしまうのか?」というふくらPへの疑問にも答えてもらいました。
【前編はこちら】
目次
◎ 「新しいルールをインストールするのが好き」
◎ 「パズルで得られる学び」ってどんなもの?
◎ ふくらPがパズルを出題!「別の角度から考えると……」
◎ 「初めて触るパズルも解ける」ロジカル思考の大切さ
「新しいルールをインストールするのが好き」
――ここまでのインタビューではふくらさんの幼少期に触れていたパズルについて聞いてきましたが、成長するにつれて好きになるパズルに変化はありましたか?
ふくら ありましたね。小学生のときはルービックキューブとかハノイの塔とか「わかりやすいもの」が好きでした。たとえば知恵の輪のような、ひねる、ずらす、動かす、みたいなシンプルな動きで「外れたらクリア」っていう、いつでも誰でも始められるもの。でも一度クリアする方法がわかっちゃったら、同じことの繰り返しなんですよね。
▲オフィスにあるパズルたちとともに
ふくら だから大人になっていくにつれて、ルールをインストールする時間が必要なパズルが好きになりました。たとえば、数独は「縦列と横列、3×3のマスのなかで数字をかぶらせてはいけない」っていうルールを理解する時間が必要ですよね。なんていうのかな、やる前にまず「我慢」が必要なんですよね。
――すぐになにかできるものじゃなく、ある程度「縛り」が設けられているもの。
ふくら そうですね、必然的に「やったことがないパズル」が好きになっていくんですけど。どういうコツを使えばクリアできるのかがわからなくて、クリアの保証もされてない。そこで新しくルールを理解するところから始めて、どうやって解いていくのかを考えるのが好きっていうのは、昔にはなかった感覚だなって思います。
今はペンシルパズルっていう、数独とかスリザーリンクのような紙とペンを使ってちょっとずつ埋めていくものが好きです。
▲「スリザーリンク」はこんなパズル。数字の値の分だけ線分を引き、1つの輪を作る
――新しいパズルに出合う楽しさってどんなところにありますか。
ふくら 真正面から解こうとすると難しいけど、問題を別角度から見たときにいい方法があったりして、それを発見するっていう喜びがありますね。「見っけ」っていう。
なんか数学の問題を解くのに近い気もします。「こっち側の考え方をしたら簡単に解けるじゃん」みたいなものが好きで、その問題を解く方法を発掘していくのが楽しい。
▲「パズルの楽しさは数学の楽しさと共通してる」
――正解を導くというのももちろんですが、幼少期の話に比べるとルートを見つけたり、プロセスを楽しんだりするところに重点が置かれていると感じますね。
ふくら そうですね、なのでイラストロジックであれば、完成すると一個の絵になってパズルクリアってことだけど、それがどんな絵になるかには僕はさほど興味はなくて(笑)。「埋まったな〜」ってことが嬉しいって感じはしますね。