「初めて触るパズルも解ける」ロジカル思考の大切さ
――これまでパズル的思考でさまざまなものに取り組んできたと思うんですが、そのなかでも自分の経験や知っているパターンじゃない問題や課題に出合うこともあるわけじゃないですか。 そういうとき、ふくらさんはどんな行動を取るんですか?
ふくら とりあえず、いろんな角度から考える。一つのことをめっちゃやるというよりは、なるべくいろんな角度から考えようとしますね。いろんなパターンを一気に考えて、そのなかから良さそうなものを選ぶ。そこまでの早さはやっぱり人より早いんだろうなと思って。
▲「まずはいろんなパターンを一気に考える」
ふくら 良さそうなものを選ぶときも、正しくというか、ロジカルに選ぶ。自分のなかでその理由を明確に説明できるっていうことが大事かなと思っています。これはパズルや数学にも共通することかな。
――では、良い方法が見当たらないことはあんまりないのでしょうか?
ふくら いろいろ考えた結果、ベタな方法でやるしかないとか、根本からは解決できないなっていうことはありますけどね。そうなったら諦めますけど。だからそこからは、「じゃあ被害を最小限にするためにどうすればいいか」っていうのを、また同じように考える。
▲「被害を最小限にするためのパターンをまた考える」
――デメリットが一番小さくなるように。
ふくら そのときのロジックもやっぱりめっちゃ重要で、むしろそれがパズルで相当鍛えられている気がするな。ロジカルに考えて、これはやっても無駄だとか、「これがあるからこうなってる」っていう構造をちゃんと理解して考えていくことを大事にしてて。
たとえば、僕は初めて触るルービックキューブでも揃えられることが多いんですよね。こないだ動画で「ルービックキューブインポッシブル」に挑戦しましたけど。
▲冒頭にも紹介したこちらの動画
――角度によって色が変わるルービックキューブですね。
ふくら そう。たぶんあのキューブって、3×3×3のルービックキューブの解き方を丸暗記してるだけの人には解けないんですよ。
じゃあなんであのインポッシブルが解けたかっていうと、それこそロジカルシンキングだと思うんですよね。
――どんなことを考えて解いていたんでしょうか?
ふくら まずは、一旦トライする。もちろん解き方のひとつとして、ものすごくよく考えて、1発で成功させるものもあるんですけど、インポッシブルの場合はトライするデメリットがないから、まずはトライ。
そのあと、やってみたものがどういう失敗に打ち当たるのかっていうのを考えるんですね。そしたら、その失敗を潰す。すると、また次の失敗にぶち当たる。で、別の失敗がきたら、それを取り払うっていうのを続けて……、失敗が出てこなくなったら、それは成功ってことだから。
▲とにかく理詰めで問題を潰していく、それが大事
――問題をよくよく理解して、それを確実に潰していく。
ふくら 将棋の棋士の方でよく「100手先まで読む」とか聞きますけど、将棋をやり始めたときから読めるわけじゃなくて。続けていくと読めるようになるものだから、僕もそんな感じなんだろうなと思います。
パズルでできた人との関わり
――こうした思考法を含めて、パズルには「一人で黙々とやるもの」というイメージが強いんですが、ふくらさんにとってパズルによってできた人との関わりみたいなのはあるのでしょうか。
ふくら パズルやクイズをやっていたから今の仕事があって、こういう仕事だから人との関わりができたっていうのはありますけど。でもそれは、ちょっと特殊な例だから。
だけど、やっぱり小学校や中学校にもそういうパズル好きな友達がいて、よくクイズやパズルを出しあったりしてました。辞書とかめくってて、おもしろいものを見つけたときって絶対誰かに言いたくなるじゃないですか。そのときに言える友達がいるっていうのはやっぱよかったですよね。それを伝えて喜んでくれるっていう。
――そう思うと、パズルやクイズがコミュニケーションのひとつになっていたという。
ふくら そうですね。でもなんか思いついたときに話したいけど、ちょうどそのときに話す相手がいないことってあるじゃないですか。だから今は僕、Twitterで結構好きにつぶやいてますけど、それはおもしろいものを見つけたときに誰かに共有したいからなんだなぁと思います。
中編ではふくらPの日常で活きる「パズル的思考」やロジカルシンキングの大切さについて聞いていきました。後編ではこうした考え方が、QuizKnockの動画企画にどんな影響を与えているのかについて掘り下げていきます。あの動画の裏話も掲載予定! ぜひ、次回もお楽しみに。
【前編・後編はこちら】
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