「遊ぶように学ぶ世界」をもっと広げるプログラム
ーーbatonが開発しているアプリを紹介してもらいましたが、このようなアプリはどういう思いで作っているのでしょうか?
田村:どのアプリも、「クイズ」というbatonのメンバーがずっと思いをかけてやってきたことが根底にあります。
メンバー全員がクイズの良さを知っていて、その上で「こういうふうに使ってほしい」っていうのをたくさん持っている。その良さを応用したものを体験してほしいな、と思って作っています。
伊沢:「トーキョーディスカバリーシティ!」で「Discovery Touch」を使ってもらいましたけど、そんな感じで「Quiz Pitcher」や「Newmonic」といったアプリを、学校の授業や文化祭、企業の研修で活用してもらって、「クイズ」でその場が楽しく盛り上がればいいなと思いますね。
伊沢:そのうえで、「楽しい!」という体験自体が必要な知識の復習になっていたり、その場での共通認識を得る機会になったりになっていたりと、クイズの使い方、遊び方、学び方にバリエーションを作っていって、それが普及していくといいですよね。その先にあるのが、「みんなが楽しく、遊ぶように学ぶ世界」なんじゃないかと。
田村:もちろん「クイズが絶対だ」と思っているわけじゃないんですけど、まずは僕らの強みであるクイズで、そういう世界を作っていくために、できることをひたすらやっています。そういう動きの中で、「クイズで研修」というプロジェクトを進めていまして。
ーー「クイズで研修」とはどういったものでしょうか?
田村:これは、batonが今までのイベントで「こういうふうに使います!」と提供してきたものを、企業の研修や懇親会の場で使ってもらって、チームビルディングの助けにしてもらおうというものです。クイズを使うと、退屈だと思われがちな単なる知識のインプット・アウトプットを「楽しい体験」に変えることができるんじゃないか、というコンセプトですね。
ーーなるほど。具体的な研修の内容も教えてください。
伊沢:インプットするべきことについて自分たちでクイズを作り、お互いに出しあうクイズ大会をやったりするんですね。アイスブレイク的なところだと、自分や紹介したい人の「ここを知ってもらいたい」というポイントでクイズを作ってみんなに面白く知らせたり。
falcon:自己紹介でクイズを作るって、僕たちもやったことあるよね?
伊沢:そう、もともとこのプログラムは俺が社内合宿で行った、パーソナルなクイズをみんなに提出してもらって、それでクイズ大会をやるというものだったんだよね。
普段喋るのがあまり得意じゃない人でもエピソードをクイズにすると面白く自己開示することができるし、仲良くなるにはもってこいだった。まあそのときは30分ぐらいやっちゃって、結果ダレちゃったんだけど。
falcon:クイズ作るの結構大変だった記憶があるな。そもそもメタ読みで正解されたくないし、「自分の情報をどうクイズにしたら面白く解いてもらえるか」をめちゃめちゃ考えたかも。
田村:クイズを作るうえで大事なのは、自分の中で大事だと思ったことを自分のセリフで表現できるようにすることなんだよね。「これって面白いよね」「大事だよね」というのを他者へと伝えることができるようにすると、それは同時に「理想的な復習の機会」にもなる。
田村:今作っている研修は、「情報ってこう楽しめばいいんだ」「こういうふうにアレンジしたら伝わりやすいんだ」ということを知ってもらうきっかけのひとつになると思います。
伊沢:「batonとQuizKnockが作ったクイズのプログラム」と聞くとつい身構えちゃうかもしれないけど、そういうところはいい意味で外してもらえると嬉しいかな。
「実は根っこは変わってない」batonが目指す世界づくりに向けて
ーー改めて、ここまでのbaton、QuizKnockの活動を振り返ってみるといかがですか?
falcon:こうしてみると、僕たちのやっていることっていろいろな部分で繋がってるよね。
田村:そうだね、最近batonやQuizKnockはよく教育現場に行ってますが、そこでもらったフィードバックが「トーキョーディスカバリーシティ!」の謎解きに活きてきたり、当然その逆もあったりする。
会社が大きくなったことで「こことここって繋がってたんだ!」みたいな面白さが出てきていると思うんですよね。この部分はあまり知ってもらえないことなので、みなさんにはそこの面白みを感じていただけると嬉しいですね。
伊沢:俺は良いライブを聞くと楽器を弾きたくなるんですよ。それと同じように、QuizKnockのコンテンツに触れると「クイズを解きたくなる人」や「クイズを作りたくなる人」が出てくるんじゃないかと思うんです。前者の人に向けても後者の人に向けても行動しやすくなるようなものをお届けしたいな、と思いますね。
ーー最後に、これからのbatonが目指す世界づくりの展望をお聞かせください。
田村:falconが「開発のライブ感を大事にしている」とか、伊沢が「自分の面白いと思ったことを大事にしている」と言ってましたけど、まずは自分たちが世界を楽しめるようにしたくて、そのうえでそれを広めるコンテンツやサービスを作る、という形でbatonやQuizKnockは活動してきました。今までも「遊ぶように学ぶ世界」というワードを大事にしてきましたが、もっと「遊ぶように学ぶ」という感覚を多くの人に知ってもらいたいです。
田村:そして、仕事でも生活でも「より楽しくできる部分」をちゃんと楽しく面白くできるようにしたいなと思っていて、そのために僕らは「クイズ」や「謎解き」というツールを使ってきましたし、最近は企業向けに謎解きを用いた研修やサービスも提供し始めています。このように、世界の面白がり方を集めて、自分たちで消化して、それを世界に向けて発信できるようにしていきたいなと思います。
falcon:WebメディアQuizKnockを初めてやったとき、僕らが面白いと思っていることをできるだけニュアンスを削がずに世間に出していきたいよねという話をしていて、今はそれが結構できているな、と思っています。僕らが楽しいと思っていることを追求していって、いろいろな人に発信していくというスタイルを忘れないようにしたいですね。
伊沢:2018年くらいに「町中でQuizKnockに出会えるような状況にしたい」という話をしたんですね。
今はそれが実現できている。「トーキョーディスカバリーシティ!」もそう、いろんな商品の広告もそう、そしてQuiz Pitcherとか「クイズで研修」とかも、今後そうなっていくだろうと思ってます。「え、この会社"クイズで研修"使うんかい!」みたいな。一見全然違うことやってそうなサービスも、本質的には全部同じなんです。
まだ我々が出てない部分に出ていきたいし、その中で面白いコンテンツを供給していきたい。実は昔から根っこのところは変わらないから、そこんとこよろしく!
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