2024年も残りわずか。皆さんにとって2024年はどのような年だったでしょうか?
2024年のQuizKnockは、秋の一大イベントである「トーキョーディスカバリーシティ!2024」をはじめ、「ハイスクールクイズバトルWHAT」などのさまざまな催しを行ってきました。
「謎解きやったよ!」「ガチクイズの現場を初めて見た!」という方も多いかもしれませんね。
▲「WHAT2024」激闘の様子はこちらから!
実は、これらのイベントではQuizKnockの運営企業であるbatonが開発したアプリが大いに活躍していたことをご存じでしょうか?
株式会社batonとは
「遊ぶように学ぶ世界」を目指し、教育や学びに挑戦する会社。その中でもQuizKnockは「楽しいから始まる学び」をコンセプトに、動画やWeb記事、イベントなどを通じてさまざまな学びを提供してきた。
今回は、「楽しいから始まる学び」を支えるbaton発のアプリやサービスについて、QuizKnockの立ち上げ当初から関わってきた伊沢拓司、田村正資、falcon(batonのエンジニア)の3人にお話を伺いました。
目次
○伊沢が感じる魅力「継続できていること」
○東京ドーム謎解きでも大活躍!QuizKnock発の「あのシステム」
○暗記の強い味方「Newmonic」
○「クイズ番組」に参加している気分が味わえるアプリ
○「遊ぶように学ぶ世界」をもっと広げるプログラム
○「実は根っこは変わってない」batonが目指す世界づくりに向けて
伊沢が感じる魅力「継続できていること」
――まずは、QuizKnockの立ち上げ当初と今とを比較して、「ここがいいな」「ここが変わったな」と思うところを教えてください。
伊沢:みんなは意外だと思うかもしれないけど、俺が一番喜びを覚えているのは「継続できていること」。
「WHAT」にしろ、「トーキョーディスカバリーシティ!」にしろ、たくさんの人が集まるイベントが「続いている」ことを魅力的に感じるんですよね。「ああ、2回目もやれちゃうんだ、この企画」って。しかもフェスまでやっちゃう。良い響きだよね、「フェス」って。
田村:僕が関わっているところでいうと、「QuizKnockと学ぼう」チャンネルが3年以上続いているし、今年は「卒論発表イベント」というのもやりました。 これまで「視聴者」だった人が、自分の人生で「面白いな」と感じて学んできた「人生の糧になっているもの」をみんなに共有する機会を作ることができたのは大きな変化だと思います。
▲卒論発表イベントの様子はこちら!
田村:QurioStore にも関わってるんですけど、これまでは記事とか動画を作って発信するだけだったのが、独特なネタやモチーフを入れたアパレルや雑貨を使ってもらうことで「皆さんの生活の一部にしてもらう」という形を実現することができました。
QurioStore:QuizKnock発の通販サイト。好奇心で日常を彩るアパレル・雑貨ブランド「QurioS」のほか、早押しクイズの問題集やQuizKnockグッズなどを取り扱っている。
田村:今後も、皆さんともっと密な関わりができるんじゃないかと考えると、非常にワクワクしますね! ファルさんは?
falcon:僕は人を見る目に根拠のない自信があるんですけど(笑)。初期の頃からQuizKnockにいて、その時から「絶対に成功するメンバーだな」と思ってやってきました。アプリケーションの開発を担当する身として、これからももっと大きなことをやって、みんなを支えていきたいなと思います。
「トーキョーディスカバリーシティ!」でも大活躍したbaton発のアプリ
伊沢:アプリ開発の話でいうと、さっき出てきた「トーキョーディスカバリーシティ!」の謎解きには、今年から新しいシステムが導入されたよね。みんなが画像にスマホでタッチして開催場所である東京ドームシティ内に散らばった100問の謎をどんどん集めていくっていう。これを開発したのはfalconのチームだよね。
falcon:そうそう。あのシステムにはNFCタグを使って謎解きをするということから、「探しにいく」と「タッチする」という2つの意味を組み合わせて「Discovery Touch」という名前をつけました。
falcon:実は「NFCタグを使っていろいろなものを集める」という考えは、僕と一緒に開発した山本が「ドラクエ」好きで、作中に登場するアイテムの「ちいさなメダル」を集める感じにしようぜ! と思って始めたんですよ。
ちいさなメダル:ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズに登場する「道具」のひとつ。世界中のさまざまな場所で発見することができ、集めればアイテムと交換することもできる。
田村:ああいうのって「ここにありそう!」って感じで動くから、例えば東京ドームよりもっと大きく、街全体を「発見の場」に変えることもできそうで、すごく可能性を感じるツールだと思います。
falcon:確かにね。裏話的なことになるけど、実はこのアプリ、もともと「トーキョーディスカバリーシティ!」の謎解き専用に作ったわけじゃないんだよね。
伊沢:そうそう。最初は専門学校で行われる交流を深めるレクリエーションのために開発されたんだよね。
ーー開発にあたってこだわったポイントがあれば教えてください。
falcon:操作が不自由だったり使い心地が悪かったりすると、そこが気になってレクに集中できないから、UIの面ではかなりこだわったかな。「ダブルタップで拡大しない」とか、Webブラウザでもできるだけスマホアプリに近い使い心地にしたくて、かなり調整を重ねた気がする。
田村:確かに、最初にログインしたら何度開いても継続してステータスが引き継がれるようになってたり、ロードの時間がなかったり、ストレスなく動くようになってるよね。
伊沢:ナチュラルに操作できるからこそ、人とのコミュニケーションが
こんなふうに、一見繋がりのなさそうな別の経験がコンテンツをより面白くしていくというのは、QuizKnockのめっちゃ良いところだと思う!
暗記の強い味方「Newmonic」
ーー読者のみなさんにとってわかりやすいbaton発のアプリでいうと、今年(2024年)4月には暗記アプリ「Newmonic」がリリースされました。伊沢さんは普段からよく使っているんですよね。
伊沢:そうですね、アプリ内の機能が絞り込まれていて、似たような他のアプリと比べて使い勝手が良いと俺は感じています。
伊沢:スプレッドシートやExcelのような普段使っているツールで問題を管理できたり、コードを使って問題のデッキを友達とシェアできたりします。
「学び」を個人的なものに留めてしまうのが暗記アプリだと思うんですけど、Newmonicなら「みんなで同じ勉強をしている一体感」を感じることができるのが非常に良いですよね。
田村:僕はクイズって、自分が発見した「世界の面白い事実」を「これ、面白くない?」ってシェアするような営みだと思っているんですが、そういう思想が暗記ツールに反映されたみたいで面白いと思っています。
TikTokの軽快さや楽しさみたいなものを知の領域に取り込んでいるようで、良い意味での「下世話さ」みたいなものが出ているのがとても楽しいなと。
伊沢:TikTokとかYouTubeショートを観るような感じで、「このコンテンツ見たことある!」とか「これはなんだろう?」みたいな関心を指先ひとつで扱えるのは、今の世代にとってすごくフレンドリーですよね。
――Newmonicの機能を絞るにあたり、社内の声を参考にしていた印象があります。
falcon:そうなんです。うちの会社にはクイズが強いメンバーが揃っているんですけど、「こんな機能がほしい!」って主張してくれる人が多くて助かっています。
意見が分かれることもあるので、全員の希望には沿えないんですけど、そもそも意見がたくさんないと「ひとつに絞る」ってこともできないですから、非常に良いことですよね。
田村:デモの時からかなり改良が加わって現在の形になったんだけど、それによって、より若い世代に刺さりやすい操作性になっているんじゃないかと思いますね。
今後は「シェアできる」という強みを活かして、みんなで「『知の生態系』を作っていこう!」という動きをさらに盛り上げていきたいなと思っています。
「クイズ番組」に参加している気分が味わえるアプリ
ーークイズに関連したアプリでいうと、WHATなどでも使用されている「Quiz Pitcher」もbatonが開発したんですよね。どのようなものなのか簡単に教えてください。
田村:まるでクイズ番組に出演しているような体験を、手軽にみんなで味わえるアプリです。
田村:主催する人が問題を登録しておくと、参加者は表示された二次元コードをスマホで読み取るだけで、手軽に四択クイズに挑戦することができます。
田村: その場で参加することができるのに、しっかりと演出がついているし、「何問正解したか」「全部解くのに何秒かかったか」をもとにしてしっかり最終ランキングまで発表してくれるんですよ。
falcon:これ、懇親会や結婚式で使うとめっちゃ盛り上がるんですよ。実際、僕の結婚式の余興で使ったらめちゃめちゃ好評でした。
田村:ちなみに、その余興で僕は3位になったんですよ。
――実際に使ってみての周りの反応はいかがでしたか?
田村:「好評だな」と感じたのは、問題が出てからみんなで「こっちかな?そっちかな?」って悩みながら答えを選んで、正解が発表されて一喜一憂する時間をリアルタイムで同時体験できる点ですね。常に会場が盛り上がっている状態が作れていたような気がして、とっても良いアプリだと思いました。
伊沢:参加してから結果が出るまで全てスマホの中で完結するのもすごいよね。
「みんなの前で問題に答えるのが恥ずかしいな」と思う人でも参加できるし、最後に順位はしっかり決まるから嬉しさとか悔しさとかも出やすい。「『プライベート』なのに『オープン』」というところは今までのクイズにはなかったんじゃないかな。
伊沢:今年の「高校生クイズ」でもQuiz Pitcherを使ってもらったんだけど、初めて触ったテレビ局のスタッフさんたちが使ってもしっかりと動いてくれたし、それでいて今までのシステムよりもうまく回ったんですよ。先発よりも良いシステムを作ることができたというのは、すごく外部的な価値があるんじゃないかと思います。
falcon:batonだから良いシステムが作れた、と思ってますね。
もともとはMCが苦手な人でもうまく回せるように、出題、タイムアップ、正解発表までをほぼ全自動にしてたんだけど、使ってくれたメンバーがいろいろ意見を出してくれて、最終的にこの形になったんです。ブラッシュアップの手助けをしてくれる人が身近にたくさんいるのはめちゃありがたい!
――そんなQuiz Pitcher以外にも、また別の形でクイズに回答できるアプリを開発したんですよね。詳しく教えてください。
falcon:「Quiz Board」ですね。出されたクイズに対して、自分のスマホに直接指で答えを書くという、『東大王』の「速書きクイズ」みたいな体験ができるものです。
伊沢:書いたものが共有できて、それに順位を付与して得点の計算をしてくれるというシステムですね。すでに社内のイベントなんかでは何度も使われています。
falcon:そう考えると、こういうシステムとかって、いつもクイズっていう「僕たちの遊び」からスタートしているような気がします。「Quiz Pitcher」にしても、元をたどれば「登録者100万人イベントでみんなでクイズをしたい」っていうのが出発地点になっています。
僕は開発のライブ感をめっちゃ大事にしてるんですけど、あの時はプロトタイプの開発を1週間で終わらせたりとか、いろいろと無茶した気がしますね。
伊沢:怖すぎる武勇伝。