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書き直さなければ100万円……「読めなかった」一問

QuizKnockの動画の他に、クイズ番組の収録で印象に残っているものはありますか?

「クイズ!オンリー1」に初めて出演したときのことですね。この番組では、「漢字」というジャンルでもひらめき系などいろいろな出題があるのが特徴です。

※「クイズ!オンリー1」:TBS系のクイズ番組。「漢字」「ディズニー」など特定のジャンルのクイズが出題され、出演者の中で単独正解、すなわち「オンリー1」を目指す。山本さんが出演した回では、オンリー1には賞金100万円が贈呈された。

それまでクイズ番組に出演したときに「漢字が読めない」ということはあまりなかったんですよね。ただ「この漢字『羴い』、何と読む?」という問題でシンプルに漢字が読めなくて間違えたんですね。

実は最初に書いた【なまぐさい】が正解で、それを残しておけばオンリー1達成だったと、悔しさを滲ませる。

「羊」のケルベロス、もとい品字様……。

※品字様:「品」「矗」のように、同じ字を3つ重ねて構成される漢字。

その漢字は漢検の範囲外の、いわば漢字マニアが「おもしろい漢字を探すぞ」とでも思わないとたどり着けないような漢字で、「(クイズ番組で)出るわけないだろうな」と高をくくっていた部分がありました。それからは漢検という範囲にとらわれず勉強するようになりましたね。

漢字に再び向き合う 山本の目指すところ

1級に再び挑戦 昔とは「ワクワク感が違う」

最近漢字の勉強を再開して、漢検1級も受験したと聞きしました。

そうですね。2月の試験では自己採点で152点(1級は200点満点で160点合格)というところでした

※インタビュー後に返却された結果は135点だったそう。また、6月に再受験した際は149点だったそうです。

なんと惜しい……もうすぐそこ、というところに肉薄していますね。

この8点を埋めるためにまた相当な努力が必要というところが1級の厳しさですね。

たしかに、あと1割、あと10点の壁が厚いとはよく聞きます。山本さんの考える準1級と1級の壁の厚さは何でしょうか?

まずシンプルにですね。準1級の配当漢字は常用漢字を含めた3000字ですが、1級は6000字。単純に考えると2倍ですが、全く知らない漢字が3000字プラスされるので、新しく覚えることが体感で4、5倍はあります。1級は普段の生活では見かけない漢字だらけなので、なおさらですね。

準1級は「噂」「醤油」など普段目にする漢字も多いですからね。

それから6000字全てが範囲になるので、ただ難しい漢字だけが問われるわけではなくて、見知った漢字でもあまり知られていない読みや意味を問われたりしますね。豊富な語彙が試されます。

「青山」と書いて読みは【せいざん】。「お墓」という意味がある。簡単な漢字の熟語もあなどれない。

なるほど。漢字に没頭していた小中学生の頃と、現在大人になって改めて漢字を勉強したときの手応えの違いはありますか?

共通している部分で言えばやはり世界が広がっていく感覚はあるなと思っていて、小中学生のころは本当に何も知らなかったので、「こんな植物があるんだ」「こんな国があるんだ」と漢字を勉強することで世界を広げてくれた部分がありました。

最近はクイズを通して割と色んな知識を得た状態だけど、それでも漢字については全然知らない世界がある。「こんな見たこともない漢字があるんだ」「こんな四字熟語があるんだ」と、今度は漢字を勉強することでしか知ることのない知識と出会えて、また漢字は世界を広げてくれているなという気持ちはあります。

小中学生のころは難読漢字辞典を読んで語彙を身につけたり、知らない言葉と出会うたびに漢字を調べたりというお話もありましたね。

漢字を通して語彙力は相当鍛えられたなと思います。そういう意味ではワクワク感の種類は違うかもしれないですね。昔は、新しい世界を知ることができるという楽しさがありましたが、最近は漢字の世界をコンプリートしたいという気持ちです(笑)。漢字王になりつつある自分を楽しんでいるという。

次ページ:「漢字をコンプリートしたい」、その真意とは。

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この記事を書いた人

永岡 優

ジャンル「オオカミ」で「超逆境クイズバトル!!99人の壁」に出演するなど。神戸大学大学院修士課程修了(システム情報学)。日常に溢れる教養を楽しい切り口でお届けします。

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