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こんにちは、博士後期課程(以下、博士課程)に在学中のユウです。突然ですが、クイズです。

問題:「0.4%」。これ何の数字?

正解は、同学年の中で大学院の博士課程に進学した人の割合でした。博士課程とは、一般に大学院の修士課程を終えた人が進むことができる課程のことです。

ちなみに、大学進学率は約55.2%。2人に1人以上が大学に進学するのに対し、博士課程に進む人は40人のクラスが6つあっても1人いるかどうか……くらいの割合です。「博士課程」という進路を選ぶ人はとても少ないですね。

▲博士課程には、およそ250人にひとりが進学(人数は社会人ドクターや留学生を除く)

今回は、「0.4%側」の私がなぜ博士課程という道を選んだのかをお話しします。あくまで一個人の体験談ですが、「あ、こんな道もあるんだ」「博士課程ってこういうかんじなんだ」というのを少しでも感じていただけたらうれしいです!

東北大学大学院工学研究科の博士課程に在学中。
埼玉県の公立高校から一浪を経て、東北大学工学部、同大学院の修士課程に進学。

実は博士課程に行くつもりはなかった

さて、今でこそ博士課程に在学している私ですが、実はもともと博士課程に進むつもりはありませんでした。なんなら大学院の修士課程では就職活動をしていて、修士1年の3月には希望していた民間企業から内々定までいただいていました。

このときの私は、「まず博士進学の可能性はないな」と思っていました。「早く社会に出てきちんと給料をもらいながら様々な課題解決に取り組みたい」という気持ちが強かったためです。博士課程に進んでしまったら、経済的に生活を成り立たせることができずキャリアやライフプランの足止めになってしまうとも感じていました。

▲ほら、博士課程って良くない噂も聞きますし

ところが、私は修士2年の5月に考え直し、いただいた内々定を辞退して博士課程に進学することを決意することになります

博士課程は「社会人最初の3年」に最適だと判断

私が博士課程への進学を決めた最大の理由は、博士課程が社会人生活の最初の時間を過ごすのに最適な環境だと判断したからです。

修士課程を修了したあとの進路について改めて考えたとき、自分はひとつの企業に長くいるよりは3年ほどで転職をするような気がしていました。そのため、「修士修了後の最初の3年間をどこで過ごしたいのか」ということを軸に、進路を考え直しました。

▲博士課程はある種の「職場」だと思っています

様々な選択肢を再検討していくと、私は、「自分にとって『博士課程』という進路こそが、自分を高められる最適な環境だ」と思うようになりました

大きく3つ理由があるので、順に紹介していきます。

理由1:トレーニングの場として良さそう

1つ目の理由は、博士課程は自分のトレーニングの場に適していると考えたからです。私は博士課程で、「自分で課題を見つけ、問いや仮説を立てて検証する力」を身につけておきたかったんです。

この力は研究以外でも役立つ汎用的な力だと思っています。というのも、博士課程では、自分主導で世界で誰もやったことがないこと・知らないことに対して、課題設定をして新たな知恵を生み出すことが求められます。

▲博士号はなにかしらの「世界初」を生み出した証

私は修士課程まで、指導教員や先輩・同期・後輩のサポートをたくさん受けてなんとかやってきた実感がありました。だからこそ、きちんと自分でやり切ることが求められる博士課程に身を置きたいと思うようになりました。

理由2:研究室の先生方のもとでもっと学びたかった

2つ目の理由は、研究室の先生や研究室の環境によるものです。「この研究室じゃなかったら博士課程に進学しなかった」と断言できます。

業務連絡:指導教員の先生方へ、恥ずかしいのでこの先は読まないでください。

▲進路を考え直したときの志望順位は、このようなイメージ

私の場合は、教授と准教授の2人の先生が主に指導をしてくれています。どちらの先生も心から尊敬しています。

就職活動では、自分の上司がどういう人かを事前に知ることはほとんどないと思います。もちろんそれまで出会った社員の方々から会社の雰囲気を察することはできますが、運の要素が大きいのも事実。

修士修了後に自分がなりたい像を考えると、今自分が学んでいる素敵な先生方から、「ものの考え方」や「仕事の進め方」などもっといろんなことを、今自分が学んでいる素敵な先生方から引き続き学び取る方が優先だと判断しました(ただ、内々定先の人事や社員の方々が本当に優しい方々だったので最後まで悩みました……。博士進学の決断も尊重してくださったこと、申し訳なさと感謝でいっぱいです)。

▲合う上司か、合わない上司か

ちなみに、博士課程に進む選択肢のひとつとして社会人ドクター(社会人として働きながら、大学院生としての身分を持って、博士号取得のために研究に取り組む学生)という道もあります。

ただ、私の場合その選択肢はすぐに消えました。指導教員の定年が近く、私が社会人ドクターとして戻ってくる頃には退職されている可能性が高かったからです。それほどまでに、指導教員の先生方への尊敬の気持ちと様々なことを吸収したいという思いが強かったのです。

理由3:研究テーマをもうちょっと続けたくなった

最後の理由は、自分の研究テーマに関連します。私は東北大学で防災の研究をしており、特に東日本大震災の被災地に貢献をする実践的な活動をしたいと思っていました。

就活をして内々定をいただいていた企業は防災を業務でやる企業ではあったのですが、東北被災地に関われるとは限りませんでした。それを考えると、自分が防災を学ぶうえでお世話になった東北の皆さんに自分が学んだことで「今」貢献したい、いわば恩返しをしたい気持ちのほうが強くなり、東北被災地に関わる研究を続けたいと思いました。

▲被災地に直接貢献できるような研究をしたい

博士に行こう!とは決めたけど

以上の3つの理由から、学部・修士まで在籍していた研究室でさらに博士課程に進むことが最善の選択肢だと考えるようになり、私は博士課程に行くことを決めました。就活が終わった時点では「博士課程にいく可能性は全くない」と思っていたのですが、総合的に考えると博士課程の魅力にも気づき、「博士課程に進もう」と考えたのです。

ただ、そうは言っても博士課程への進学についてはかなり悩むこともありました……。

次ページ:悩みはやっぱり「お金」……それでもユウが「行ってよかった」と語る理由は?

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この記事を書いた人

ユウ

東北大学大学院で防災を研究しています。楽しく読んでいたら自然と知識が身につく記事を目指して、私自身も楽しみながら記事を書いていきます。

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