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こんにちは! ライターの森脇です。

トイレには、よく「トイレットペーパー以外は流さないでください」という注意書きが貼られています。トイレにトイレットペーパー以外のものを流してはいけないのは、ずばりトイレが詰まる原因になるからなのですが、トイレットペーパーとその他の紙製品ではどんな違いがあるのでしょうか。

▲「備え付けの紙以外」のパターンもある

今回は、トイレットペーパーと同じくらい身近な紙製品である、ティッシュペーパーと比較して、ほぐれやすさの違いを見てみました。またその仕組みについて、トイレットペーパーやティッシュを製造・販売している、日本製紙クレシアに取材してみました。

トイレットペーパーとティッシュを水に入れるとどうなる?

まずはトイレットペーパーとティッシュペーパーを水に入れたときに、どれくらいの違いがあるか見てきましょう。同じ長さのティッシュとトイレットペーパーを使い、両者を比較してみます。

▲左がトイレットペーパー、右がティッシュペーパー

それぞれを水に入れ、割り箸でクルクルとかき混ぜてみたところ、両者に変化が……!

▲トイレットペーパー(左)は細かくほぐれるのに、ティッシュ(右)はほぐれる気配がない

両者を並べてみると差は歴然です。トイレットペーパーは、ほぐれて細かい繊維のようになっている様子が見られました。一方でティッシュは、少し強めにかき混ぜてもほぐれず、割り箸にまとわりついてきます

▲ティッシュよ箸を放してくれ

同じ紙製品なのに、こんなにもほぐれやすさが違うとは……。この違いは何から生まれているのでしょうか?

「スコッティ」や「クリネックス」などのブランドが有名な日本製紙クレシアの担当者に、トイレットペーパーとティッシュの違いを聞いてみました。

▲おなじみの紙製品!(日本製紙クレシア提供)

日本製紙クレシアに聞いてみた

トイレットペーパーとティッシュペーパーにはどのような違いがあるのでしょうか?

日本製紙クレシア担当者:まずトイレットロールは、使用後にトイレに流して捨てることを前提とし、水の中で溶けるのではなく、すぐにほぐれるように作られています。

「トイレットペーパーは水に溶けるのでトイレに流してもいい」という話をよく聞きますが、実はトイレットペーパーは水に溶けているのではなく、細かくほぐれているのです。

▲確かにトイレットペーパー(左)は溶けてなくなっているわけではない

では、ティッシュはどのように作られているのでしょうか?

日本製紙クレシア担当者:ティシューペーパーは、鼻をかんだりお化粧時に使ったりすることも多く、水に濡れてもすぐに破れないよう、「湿潤紙力増強剤」を配合してあります。

湿潤紙力増強剤とは、紙を作るときに添加する樹脂(糊)のことで、ティッシュが水に濡れても破れにくいように強度を上げるはたらきをします。

つまり、トイレットペーパーが水にほぐれやすいだけではなく、ティッシュ自体が水にほぐれにくく作られているということです。

このため、日本製紙クレシアの担当者は「ティシューペーパーを水洗トイレに流してしまうと、排水管を詰まらせる可能性があります。ティシューペーパーを水洗トイレで使用したり捨てたりしないでください」といいます。

▲そもそもティッシュが水にほぐれにくく作られていた!

どれくらいほぐれやすければ流してもいいの?

「ほぐれやすい」と一言で言っても、どのくらいほぐれやすければトイレに流してもよいのでしょうか。実は、トイレットペーパーのほぐれやすさの品質基準は日本産業規格(JIS)で定められています。

日本産業規格の規定(JIS P 4501:1993 トイレットペーパー)をかいつまんで説明しましょう。300mLの水が入ったビーカーにトイレットペーパーを入れ、攪拌装置(マグネチックスターラー)でかき混ぜます。このとき、トイレットペーパーの抵抗で回転子の回転数が減りますが、トイレットペーパーがほぐれると回転数が増えていきます。回転数が一定の値まで戻るまでの時間が、100秒以内であれば基準を満たしていることになります。

▲トイレットペーパーとティッシュを比較したほぐれやすさの試験の様子(静岡県庁公式YouTubeチャンネルより)

日本製紙クレシアの担当者は、「当社はこの基準よりも高いほぐれやすさで管理している」といいます。このような厳密な規定を満たしたうえでトイレットペーパーが販売されているのを知ると、トイレットペーパー以外の紙をトイレに流してはいけないことがよくわかります。

ティッシュはそもそも水にほぐれにくくできていた!

ここまでの内容をまとめると……

  • トイレットペーパーは、水の中で溶けているのではなく、ほぐれやすくなっている
  • ティッシュは水の中でも破れにくくなっているので、トイレに流してはいけない
  • JIS規格ではトイレットペーパーの「ほぐれやすさ」が定められている

トイレットペーパー以外の紙をトイレには流さないでくださいね。

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この記事を書いた人

森脇哲人

現在神戸大学大学院で気象工学、大気環境の研究をしています。大好物はみかん。皆様の日々の時間を少しでも有意義なものにできればと思います。

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