イデです。
私の通う東京大学駒場キャンパスは「東京都目黒区駒場3丁目8−1」にあり、一方で西の名門である京都大学吉田キャンパスは「京都府京都市左京区吉田本町」にあります。
同じ〇〇区という名前でも、目黒区は「東京都」の後につくのに対し、左京区は「京都市」の後についています。つまり、目黒区は何市にも属していないということになります。
同じ「区」という名称でも、なんとなく違う気がしませんか? その違いとは何でしょうか?
区と特別区の違い
東京23区以外の区
そもそも、区という区分を持たない市はたくさんあります。というよりも、区という区分を持つ市のほうが珍しいくらいです。
人口が50万人以上で、政令(内閣が制定する命令)によって指定を受けた市のみが区を設置することができます。これらの市は、政令市(一般的には政令指定都市)と呼ばれ、現在(2020年2月)までに20の市が指定されています。
実をいうと、この政令市にある区というのは政治的な力を持っていません。区役所は市の事務所にしか過ぎないのです。政令市にある区には区長もいますが、区長は市長から任命され、事務所長のような役割を担っているだけです。
いわば、政令市の区は人口の多い市の単なるエリア区分にしか過ぎないということです。
地方自治法第252条には以下のように書かれています。
指定都市は、市長の権限に属する事務を分掌させるため、条例で、その区域を分けて区を設け、区の事務所又は必要があると認めるときはその出張所を置くものとする。
東京23区(特別区)
一方で、一般に「東京23区」と呼ばれる特別区は少し役割が異なります。
特別区は基本的に市が行うとされていることを行う権限があります。
また、区長は区民の選挙で選ばれ、区民による選挙で選ばれた議員が構成する区議会も設置されます。
しかし、市にできても特別区にはできないこともあります。
例えば、固定資産税は本来は市町村に納められるものですが、東京23区の場合は各区ではなく東京都が徴税した後に分配されます。
このように、特別区である東京23区は一部の権限を制限されてはいるものの、ある程度の自治能力を備えていて、国の行政区画の中で最小の単位である基礎自治体と位置付けられています。
おわりに
東京23区の「区」の部分には別の言葉を用いた方がわかりやすいのにな、と記事を書きながら思いました。
私は引っ越しを数回していて、自宅の住所に区がついたりつかなかったりという感じだったのですが、区があってもなくても日常生活において特に変わりはない気がします。
ただ、東京23区に住んだことない私は、いつか23区に住んでみたいなと思っています。