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②「細菌」が食生活を変える!?

イベント後半のキーワードは「めちゃめちゃ増える!謎の生物」です。

現代社会の超重要課題、「地球温暖化」。その原因のひとつである「二酸化炭素」排出の問題も解決してくれるかもしれない……という、夢のような生物を研究員の平野さんが紹介します。

ズバリ、その生き物とは……こちらです! 「水素細菌」といいます。
▲不思議な生き物「水素細菌」(イメージ)

スゴい生き物「水素細菌」に迫る

「水素細菌」は、水素と二酸化炭素を栄養にして生きることができる細菌です。驚くべきは、その繁殖力! エサとなる水素と二酸化炭素を適切な環境で与えておけば、1時間で2匹、2時間で4匹、3時間で8匹……と倍々に分裂して増えていくのだそうです。

つまり丸1日、24時間放置すれば、その数は約1680万匹に!

そんな水素細菌を飼っているタンクを見せていただきます。実験室にいる研究員の栗田さんと中継がつながりました。

▲画面内にいるのが栗田さん
こちら栗田です! このタンクに水素細菌が入っているので、早速機械を動かして水素と二酸化炭素を吹き込んでいきます。

今回は料理番組みたいにショートカットして、40時間経ったものをお見せしますね。
▲ぶくぶくぶく……

綺麗な透明だった水槽は、放置し続けると……完全に白濁した色に! 会場からも驚きの声が上がります。

40時間放置したということは……2の40乗で、だいたい1兆匹! あのタンクの中には、1兆匹の水素細菌がいるんだ。
その通りです。ちなみにこちらの生き物は温泉で見つかったものなので、装置の中の水の温度も約50℃と、とても熱くしているんですよ。
電子顕微鏡で2万倍に拡大した水素細菌(やや閲覧注意です!)

たくさんある、水素細菌の使い道!

そして水素細菌がスゴいのは、「たくさん増える」だけでは終わらないところ。たとえば、水素細菌から「お肉に似た食品」を作ることもできるんです。

平野さんによると、水素細菌は「畑の肉」と呼ばれる大豆の倍以上の割合のたんぱく質を含んでおり、粉状に加工することで代替肉の素材に利用する研究が進んでいるそうです。

他にも、飛行機のバイオジェット燃料として利用することができたり、プラスチック製品を作り出すことまで期待されているんだとか!

二酸化炭素は人間の活動の中でたくさん排出されてしまうものですが、こうした製品に水素細菌の力を活用できれば、排出された二酸化炭素を水素細菌に食べさせる、という循環型の社会の実現も夢ではありません。

水素細菌に二酸化炭素を食べさせれば、結果的に排出される二酸化炭素が増えずに済む、ってことか!

「カーボンニュートラル」ってやつですね。
ちなみに水素細菌に関する解説は、現在開催中の大阪・関西万博「電力館」でも見られます。万博に行く機会があれば、ぜひご覧ください!

少年の問いかけに……

最後に、参加者の男の子からユニークな質問が。

水素細菌が1日で1680万匹にふえてたけど、1680時間置いといたら、どのくらいの数になりますか……?
いい質問だね、えーっと……
2の1680乗ってことは、2の10乗が約1000だから、ざっくり10の500乗くらいになって……
……無量大数って知ってる?
▲「0がたくさんつくやつ!」
その無量大数が10の68乗だから、無量大数×無量大数×……で7、8回かけ算したくらいになりまーす!

お子さんたちも、水素細菌の驚異的な繁殖力に思いを馳せている様子でした。無邪気な質問に須貝がとっさの暗算で応じたところで、イベントもお開きとなります。

▲質問に答える平野さん

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先に見たい方はこちら:須貝も興味津々、津波研究の超巨大装置!

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