河村です。どうも。
「河村が考えたことをスタコラサッサと書く日記」こと「あしたはげつようび」のコーナーです。そういうコーナーもあるんや。
近況:高い水筒を買った昔の自分に感謝しています。
さて、先日「恐竜の化石はなぜ変なポーズなのか」という記事を書こうとしたんですが、編集部から「恐竜の化石がそういうポーズのイメージがそもそもない」という指摘を頂きまして、記事としては取り下げました(QuizKnockの記事は厳しい基準をクリアしないと公開されません)。
だから治外法権的な自分の連載で書こうと思います。編集長、見てますか~?
もしかしたら馴染みは薄いのかもしれませんが、こんな恐竜の化石が発見されることがあります。首がおかしいですね。
図鑑少年だった僕は割とこのダイナミックポーズおなじみなのですが、皆様はいかがでしょうか。
このポーズ、考えると不思議です。化石になる時、つまり「これから死ぬ」って時に、こんなポーズは普通取らないのでは?
死を悟れてその準備をするほど恐竜に知能があったとは(筆者は)思えません。ほとんどの人間も出来ませんしね。
(一部の人は死ぬ前に準備をします。生前墓とか)
今回は、よく考えると意味の分からないこのポーズの理由をお話しします。
理由はアレだった
死後の動物の肉体が起こす現象を「死体現象」といいます。この謎ポーズの理由は死体現象と考えられます。
なぜなら、死後に偶然何らかの力、例えば地下水の流れなどが働きこうなったにしては、このポーズで見つかる化石の数が多すぎるからです。そんなに偶然は重なりません。
つまり、死体自体の変化である死体現象が原因と考えられるのです。
2007年(最近!)、アメリカの生物学者フォーとパディアンは、この謎ポーズが死体現象の1つ、「死後硬直」によるものだと発表しました。
死後硬直とは、死体の筋肉が硬くなる現象のこと。ミステリでおなじみですね。
2人の説明は、「恐竜のこのポーズは、死後に首の後ろの筋肉が硬く収縮したことで生まれ、それが化石化した」というものでした。
少なくとも筆者には妥当な説明に思えます(もっとも、「反論を募集している」ことが科学では大事。そのうち反論されて覆るかもしれません)。
こんなところにも死後硬直
敵の矢を受け、立ったまま死んだ武蔵坊弁慶。
彼が「立ったまま死ねた」のも、死後硬直がすぐに訪れたからだという説があります。
激しい運動の直後に死んだ場合、死後硬直はすぐに始まるのです(普通はある程度の時間が経ってから始まります)。
戦いの中で落命した弁慶は、その筋肉が即座に硬化し、立ったままの状態を保てた、と解釈できるのです。
恐竜と弁慶、以外なところにつながりが生まれました。ミステリの中でしか目にしなかったような知識も、こんな雑学として披露できるものです。皆さんもぜひ隠れた「つながり」を探してみてくださいね。
こんな感じでいい感じに締めようと思ったら、僕のパソコンが止まりました。
石と化してしまった……これこそ本当の化石化ってか。ハッハッハこりゃあいい……。
あしたはげつようび。あしたも僕は生きていたい(もちろんその先も)。
【きょうのふくしゅう】
河村の連載「あしたはげつようび」はコチラ