こんにちは。Suzukiです。
今回の記事は「千葉時代」についてです。 今回のポイントを、まずは軽いクイズで押さえてみてください。
目次
「千葉時代」とはどのような時代なのか
「千葉時代」は地質の時代区分の名前で、国際的にはラテン語でチバニアンという名前です。恐竜が栄えたジュラ紀や三葉虫などが栄えたカンブリア紀などと同じような区分です。(チバニアンの方がより細かい区分です)
地質の時代に地名が使われることは珍しいことではなく、前述のジュラ紀やカンブリア紀もその時代の発見に貢献した場所が由来になっています。(ジュラ紀はフランスとスイスの国境にある山脈・ジュラ山脈から、カンブリア紀はイギリスの一部・ウェールズのラテン語名から)
チバニアンはおよそ78万年前から12万年前の時代と、地質時代で考えると極めて最近です。北京原人やジャワ原人などの原人が生活をしていた時代にあたります。
この時代の区分となっている78万年前というのが重要なポイントです。その理由は、このときに地球の地磁気が逆転したと考えられているのです。
地磁気の逆転について補足を入れます。
今、方位磁石を使うとN極が北を向きます。これは地球が大きな磁石になっており北にS極、南にN極があるからなのですが、実はこの「大きな磁石」も時間が経過すると反対になることがあり、78万年前に逆転が起きているのです。 この逆転現象、実は地球に何度も起きている現象ですが、78万年前を最後に現在に至るまで起きていません。
なぜ千葉の名前が使われているのか
ここでやっと千葉県の理由の登場です。 千葉県市原市の養老川沿いにある地層で、この地磁気の逆転と地層の時代がはっきりと読み取れることが分かったのです。そのため時代を代表する地層として「チバニアン」という名前が候補に挙げられているのです。
まだ決まったわけじゃない
ここまでチバニアンについて解説してきましたが、実は、地質の時代としてまだこの名前が正式に採用されたわけではありません。 他にもイタリアから同じ時期の地磁気逆転を示す地層が見つかっており、その地が時代を代表する地層とされた場合は、その地の名前がつく可能性があるからです。現在では大きい時代区分から「更新世中期」やイタリアの地名から「イオニアン」と呼ばれることが多いようです。日本地質学会のホームページには更新世中期と書かれています。
まだ100%ではありませんが、千葉の地層の状態は世界的に見てもかなり良いらしく、千葉の名前が使われる可能性はかなり高いようです。今年の上半期までには正式に名前が決まるということで、日本の地名が地質学の用語に入ることを期待して待ちましょう!