こんにちは。本屋に行くたびに諭吉が飛んでいくHirotakaです。今回は「東大生の本棚」の番外編、「早大生の本棚」を担当させていただきます。
そんな私が今回紹介するのは、歴史の授業では扱わない歴史に関する本です。
私は子どものころから読書が好きでした。小学校1年生で江戸川乱歩の「少年探偵団」シリーズ26巻を全巻読破して以降、伝記や小説など、様々な本を読んできました。
また、大河ドラマや伝記の影響で小学生の時から歴史にも興味を持っており、現在は大学で歴史を中心に学んでいます。
今回このテーマにした理由は2つあります。1つ目は「歴史を身近に感じてほしい」ということ、2つ目は「こういうのも歴史なんだ!」という発見をしてほしいことです。
歴史がやや苦手な方と歴史が好きな方、どちらの方にも楽しんでもらえる本になっていると思います。
真辺将之『猫が歩いた近現代』
こちらは近世から現代にかけて、猫と人間との関わりの歴史が書かれた1冊です。
近世(江戸時代中期〜幕末)には化け猫などのイメージが先行しており、猫を嫌っている人が多かったといいます。明治時代に入るとネズミ退治の目的で飼育数が増えましたが、やはりまだまだ猫人気は低く、現在のように猫が大切にされ始めるのは高度成長期以降なんだそうです。
多くの史料を引用しており、各時代に人間が猫に対して持っていた価値観がわかります。最後には殺処分数や地域猫活動などにも言及し、現代人が猫とどう向き合っていくのかを問いかけ、猫の幸福と人間の幸福とをどう追求するのかを考えていく必要があると感じました。
印象的だったのは、文豪の猫エピソードです。谷崎潤一郎や夏目漱石、二葉亭四迷といった名だたる作家が猫を愛したといわれています。二葉亭四迷は自分の猫を大変大切にしており、嫌なオス猫が寄り付かないかずっと心配していた、というエピソードも残っています。
また、各章の始めには猫のイラストが描かれていて、癒されました。
ヘンリー・ペトロスキー『フォークの歯はなぜ四本になったか』
こちらは「フォークが誕生した背景」と「なぜフォークの歯が4本なのか」について、道具の進化の歴史を記した1冊です。
フォークが誕生する以前はナイフを2本使って肉を切り分けていたが、肉が回転してしまう。回転しないように2本歯のフォークが誕生したが、それでもやはり不便であった。というように、フォークの歴史がナイフとの関連から語られます。
フォークだけでなく、昔のヨーロッパの食器の形状やそれに対する価値観についても、当時の文献を引用しながら知ることができます。また、併せてペーパークリップやファスナーについても進化の歴史が語られ、「道具の形状の改良は失敗から起こる」と筆者は説いていました。
この本を選んだ理由は、歴史を身近に感じることができるからです。身の回りにあるどんな道具も、不便だった点を改良して作られています。それだけでなく、今使っている道具にも改良の余地が残されていて、それがどのように改良されるのかと未来に想像を馳せることができます。
田中義恭監修『図解 日本の仏像』
もともとは礼拝の対象として造られた仏像ですが、現在では鑑賞の対象として見られることも多くあります。仏像を鑑賞する際に、歴史的背景や特徴を知っておくことが大事。そういったことを気軽に抑えることができるのがこの1冊です。
各時代ごとの代表的な作例をイラストで紹介しながら、歴史的背景や特徴を記しています。また、歴史だけでなく、
この本に出会ったのは、美術館のミュージアムショップです。中学生くらいのころから仏像を鑑賞するのが好きだったので、中身をパラパラと見て「これだ!」と思い、買うことを即決した記憶があります。今では、仏像を見に行く前にこの本をチェックするようにしています。見方を知る前と知った後では、鑑賞の満足度が大違いです。
本は自分の知らない世界を教えてくれる最高のツールです。皆さんも、様々な本を読んでみてください!
【あわせて読みたい】