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――2025年5月某日。

大学で宗教学を学んでいる筆者は、日本に存在する「おもしろいものを(まつ)る神社」について調べていました。

バイクを祀る神社に、電気を祀る神社! 世の中にはおもしろい神社がたくさんあるなぁ

【電気の神社の話はこちらから】

ん? なんだこの神社。「はじかみ神社」……生姜しょうがを祀る神社?
はじかみ」って、魚料理とかに添えられてるアレだよな……

▲ちょっといい魚料理についてきがちなコレ

僕が見つけたのは、石川県金沢市にある「はじかみ神社」。なんでも、食べ物の生姜を祀っている神社のようです。

え、
もしかしてそれって……!
……ってコト!?

こんな芸術点の高いダジャレ、見逃すわけにはいきません!!

しかもこの神社、さらに調べていくと、毎年6月15日に、年に一度のお祭りを開催しているそうです。生姜の神社がやってるお祭りって、どんな感じなんだ……?

偶然にも、2025年の6月15日は日曜日。休みの日に見に行ける! 行くっきゃない!

というわけで……

来たる6月15日。やってきました、石川県の金沢市!

【はじかみ神社突撃隊 メンバー紹介】

桑名良治
神話とダジャレをこよなく愛するライター。金沢には2回ほど行ったことがある。
廣澤陽斗
ライターであり、筆者の高校時代の同級生。金沢に来たのは初めて。

金沢市のはじかみ神社へ

お昼過ぎ、あいにくの雨の中でしたが、波自加彌はじかみ神社に到着しました!

これが生姜を祀る神社……! そしてどうやらここの祭神さいじん波自加彌神はじかみのかみは、生姜以外にも様々な香辛料を司っているらしく、「日本唯一の香辛料の神様」をうたっているようです。

「波自加彌」の漢字、強そうだよね。万葉仮名っぽい?
名前の由来とかも知りたいね。

そして境内には……

生姜だ! 生姜の絵馬があるよ!
期待を裏切らないね~

そして始まる、年に一度の行事・その名も「はじかみ大祭」

様子をのぞいてみると……

▲全国から集まった生姜

ん……?

めちゃくちゃ生姜置かれてない??
▲山盛りの生姜が!
ほんとだ! 生姜がめちゃくちゃある!!!
あとさ、食品メーカーの名前もたくさん書いてあるね。
▲「ハウス食品」「ヱスビー食品」など、超有名企業の名前も見える
あれ生姜のチューブじゃない? そういうのもアリなんだ

さすが香辛料を司る神様。数々の食べ物に関するお供え物が全国から届いていました。

生姜が入ったスパイスカレーが食べられる
本殿の中継

そして14時半ごろ、本殿で祭祀さいしの儀式が始まります。

そこでは宮司さんによる神事が行われました。

振幣(ふりへい)の儀
散湯(さんとう)の儀
直会(なおらい)の儀

(儀礼中の写真撮影はできなかったので、過去の様子の写真をいただきました)

少し変わった神社だと思ったけど、やっぱり儀式は特段ツッコミどころはないか……

と思っていた矢先、祝詞のりとの奏上を聞いていたら……

~~~スパイスカレーの……~~~

今、「スパイスカレー」って言ってなかった???

祝詞って横文字アリなんだ???

ラストで大きな衝撃を受けつつも、無事に儀式が終わりました。祭りの最後には、儀式で清められた生姜を使った特製の「生姜しょうが」がふるまわれました!

我々も実際に飲んでみましょう!

効くぅ~~!
うまいな

やはり生姜の味。辛味がからだに染みわたります。

からだにいい味がする! とても温まるな。
しかもかなり飲みやすいね! いい生姜使ってるのかな。

といった具合で、生姜湯で体内を清めつつ、はじかみ大祭は終了! ほかに類をみない、とってもユニークでおもしろいお祭りでした。

▲最後にのぼり・絵馬と記念撮影

謎はまだ残っている

……ですが、祀っているものや、神社の名前の由来など、まだまだ気になることが多すぎる!

というわけで、後日、禰宜ねぎ田近たぢか 規景のりあきさんにオンラインでお話を伺えることになりました!

田近規景さん
はじかみ神社の禰宜。「『ジンジャーの神社』というダジャレもガンガン使っちゃってください!」と快諾してくれた。

インタビューで謎を解明するぞ

本日はよろしくお願いいたします!
よろしくお願いします~

こちらの神社、どれくらいの歴史があるのでしょうか?
文献によると、養老2年……西暦で言うと、718年の奈良時代にはすでに存在したと言われています。
ということは1300年以上! すごいですね。
実はそのころは今の場所とは少し離れた場所に神社があったのですが、源平の合戦で社殿が焼失したので、元々あった場所から今の場所に移転したんです。
そうだったんですね!
源平合戦かぁ……日本史の出来事が出てくると、より長さを実感するなぁ。

とても長い歴史を感じたところで、今度は名前の話題に。

名前もなかなか特徴的ですよね。
「はじかみ神社」という言葉は『薑・椒(はじかみ)』という語に由来します。この語は「歯で噛むもの」という意に由来して、特に生姜や山椒さんしょうといった香辛料のことを指す言葉なんです。
▲コレを「はじかみ」って呼ぶのはそういう意味だったのか!
なるほど! 生姜をはじめとした香辛料をまつっている神社にピッタリの名前なわけですね。

どうして生姜を祀っているの?

ここで一番お聞きしたいことをおたずねします……。ズバリ、「生姜」を祀っているのはなぜなのでしょうか?
実は……あまりよくわかってないんです。
え?

次ページ:生姜ジンジャーの神社」のヒミツ

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この記事を書いた人

桑名 良治

筑波大学3年の桑名です。神話や日本語、群雄割拠の時代などが好きです。日本語検定1級。

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