⚠️この記事には『賭博黙示録カイジ』に関するネタバレがあります⚠️
\ 連載「クイズを味わう」 /
「クイズ」は、物知りな人が解いて答えるだけのもの? いやいや、問題に込められたメッセージや「たくらみ」を見つけるのも、クイズの楽しみ方のひとつ。
毎回1問のクイズを取り上げ、「いいクイズ」「面白いクイズ」の秘密をひもときます。毎週金曜日のお昼に更新予定です!
今回取り上げるクイズはこちら。

正解は「カイジ自身」です。
利根川のイカサマを破るためにトイレの鏡を割った際にできた傷です。カイジの勝負に対する覚悟が感じられる名シーンですね。
先日、QuizKnockのオフィスで、クイズ初心者向けのフリバ会※を主催する機会がありました。この問題はその時に出したものです。
はっきり言ってこのクイズ、作品の基本情報を知っている程度では正解にたどり着くのは難しい問題です。でも、私はこの問題を、初心者の多いクイズの場でわざと出題しました。
クイズ初心者は「簡単なクイズに答えたい」とは限らない
初心者の多いクイズの場において、用意すべき問題とはどのようなものでしょう? 「最後まで聞けば、誰もが答えにたどり着ける易しい問題」をイメージしたあなた、その直感は正しいと思います。参加者はたくさん正解できて嬉しいでしょうし、出題するこちら側としても、多くの問題で正解が出てテンポよく場が進むと安心感があります。
しかし、実際にそういった易しい問題ばかりを並べると、「初心者の中でも易しい問題を押すのが得意な人が無双する」という現象が起こりがちだったりします。クイズの強さにはさまざまな方向性があり、易しい問題を幅広くカバーできる人もいれば、特定の分野に関してトガった知識を持った人もいるわけです。
特に初心者フリバのような場では色んな人の良い正解を引き出したいというのが私の持論。何より「初心者の人たちは、別に簡単なクイズに正解したくてクイズの場に来ているわけではない」とも思います。
そこで問題群の中に混ぜたのが、冒頭のカイジの問題でした。
深い知識を持っている参加者の「良い押し」を引き出したい
このクイズは、作品をよく知っている人でなければ正解にたどり着けない、いわば「点の知識」を扱った問題です。誰もわからずスルーになることも十分考えられますが、「20〜30代の人が10人いたら、そのうち1人くらいはカイジを通っていて、あの衝撃的なシーンを覚えているはず」と考えての出題でした。
クイズでは思いがけないことを問われてタイトルやキャラ名がとっさに出てこないことがよくありますが、シーンさえ思い出せればすんなり正解にたどり着けそうなのもこの問題の良いところですね。(スルーになったらなったで、自分の司会術でなんとかすれば良いのです!)
そうして出題した結果、狙いは見事に成功。それまであまりボタンがついていなかった参加者がボタンを押し、少し驚いたような顔で正解してくれました。印象的な正解を持ち帰ってもらえて、出題者冥利に尽きる瞬間でしたね。
もしかすると、「キュービィロップ(ブルボンのキャンディー)」を出したり、「本西厚博(オリックスなどでプレーした外野手)」を出したり、「ニッケコルトンプラザ(千葉県市川市にあるショッピングモール)」を出したりすることでも似たような正解が見られるかもしれません。というわけで、初心者相手でも臆せずに尖ったクイズを混ぜていきましょう! 立てよ国民!!!
(文・石野将樹)
※^ フリバ(フリーバッティング):簡単なルールを設定して行う早押しクイズ。クイズ大会ほど本格的でない「普段のクイズ」くらいの意味。
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