\ 連載「クイズを味わう」 /
「クイズ」は、物知りな人が解いて答えるだけのもの? いやいや、問題に込められたメッセージや「たくらみ」を見つけるのも、クイズの楽しみ方のひとつ。
毎回1問のクイズを取り上げ、「いいクイズ」「面白いクイズ」の秘密をひもときます。毎週金曜日のお昼に更新予定です!
今回はこんなクイズです。

今回は、読み上げ形式のクイズでしばしば出題される、いわゆる「ですが問題」を取り上げます。
「日本で一番高い山は富士山ですが、世界で一番高い山は何でしょう?(A.エベレスト)」のようなクイズ、といえば伝わるでしょうか。
「日本で一番高い山は」の部分だけ聞くと「富士山」が答えになるようにも思えるので、この手のクイズに馴染みがないと「ひっかけ」「意地悪なクイズ」という感じを受けるかもしれませんね。一方でクイズに多少親しんでいる方なら、「問題文の先を読む」能力が試される出題パターン、というイメージもあるでしょうか。
実は冒頭のクイズの「ですが(ますが)」には、こうした事情とはまったく別の重要な役割がありました。
比較のために、冒頭のクイズから「ですが」の要素を除いてみましょう。
ハムの種類のひとつ「ボンレスハム」には、豚肉のどこの部位が使われる?
一気にシンプルなクイズになりました。あなたがクイズ大会に参加していたとして、緊迫した場面でこのクイズが出題されたら、自信を持って正解できるでしょうか?
ハムの種類のひとつ「ボンレスハム」
ここまで聞いただけでは、何が答えになるのかかなり判断しづらいですね。
……には、豚肉のどこの部位が使われる?
問題文を最後まで聞いて、仮に「モモ」という答えが思い浮かんだとしても、「内モモとか外モモとか、もう少し細かい部位名が問われているのかも?」「そもそも、マジメなクイズの答えが『モモ』なんてことがあっていいのか……?」と迷いが生まれそうです。なんだか心許ない気がしますよね。
ここで元の問題文にある「『ロースハム』にはもちろんロースが使われますが、」という“前フリ”を考えてみます。一見バカげているようですが、この部分は2つの役割を果たしています。
1つは「お肉の部位を問う問題である」という解答の方向性を示すこと。もう1つは「ロース」という具体例を示し、どのくらい具体的に答えるべきかを伝えることです。
「『ロースハム』にはもちろんロースが使われますが」のおかげで、十分な知識を持つ人なら容易に正解を導けるようになります。早押しクイズのテクニック的にも、「ボンレスハム」と聞こえた瞬間に確信を持って答えられる。
このクイズの「ですが(ますが)」はひっかけどころか、解答者に対しての親切なガイドとして機能しているのです。あなたがどこかで出会ったクイズ、これから出会うクイズにも、こうしたささやかな「やさしさ」が仕込まれているかもしれません。
(文・倉門怜央)
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