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通学路の桜並木もすっかり緑に変わりました、波戸なおです。

新しい学校や職場で新生活をスタートさせた方も多いことでしょう。慣れない環境に不安を抱えている方もいるかもしれません。私も、進学を機に上京した3年前、期待と不安が入り混じった落ち着かない気持ちでいっぱいだったのを覚えています。

今回は、そんなみなさんの毎日を彩るために、総勢10名のライターがおすすめの本を持ち寄りました。小説を始め、エッセイ歌集漫画など、さまざまなジャンルの本が揃っています。

ほっと一息つく時間のお供にする一冊を、ぜひ探してみてください。

波戸なおの本棚

小嶋陽太郎『放課後ひとり同盟』

空から落ちてくる不幸を蹴り上げる女子高生、性別違和を抱える「お兄ちゃん」、子どものころの初恋に囚われたままの大学生——登場人物たちは誰しも、ちょっとだけ“普通”じゃなくて、でも、ありふれた青春の中を生きている。

小嶋陽太郎の軽快な筆致は魔法だ。痛みを伴うテーマでも、思わずクスッと笑みがこぼれ、気がつくとページをめくる手が止まらなくなっている。

私たちは、孤独を抱えたまま「ひとりとひとり」として寄り添い合うことができる。不条理で愛おしいこの世界で、この本はきっとあなたの新しい友人になる。

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河村・拓哉の本棚

長谷川浩一『線虫 1ミリの生命ドラマ』

新生活で、本当に読書をする時間はありますか? 新生活が始まった今は、勉強や人間関係づくりに時間を使うべきだと思いませんか? 分かりやすい教科書を読むとか、世間に取り残されないために流行り物を読むとかは、勉強や交友に含んでいいでしょう。そのうえで、忙しい中でも、自分のためだけに本を読む余裕はありますか?

はいという人にこれ。線虫という動物について書かれた入門書がおすすめ。知識を得ることで世界の感じ方が変わるゾワゾワ体験を楽しめます。1つだけ紹介すると、地球の土壌には440,000,000,000,000,000,000もの線虫が生息しているそうです。

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木村真実子の本棚

片岡健太『凡者の合奏』

人気バンドのボーカルによるエッセイが、大量の「失敗談」で溢れている。心にストンと落ちてくる片岡さんの言葉でその失敗をたどっていくと、sumikaの楽曲やライブが持つ温かさの理由にも触れた気になる。

11年続いた前身バンドの幕引きも、突然声が出なくなったことも、凡者というにはあまりに波瀾万丈すぎると、凡者Bの立場からは思ってしまう。だが、そのどれもがフィクションじゃなく、ホントの話。新生活の中できっと出会うたくさんの失敗を、少しだけ愛せるようになる1冊。

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熊倉悠弥の本棚

梶井基次郎『檸檬』

国語の教科書にも取り上げられている表題作『檸檬』をはじめ、結核により夭逝した作家・梶井基次郎による全20編が収録。世界観をこれほど綺麗に描き出せる作家を私は他に知らない。読めば自分の見える世界も不思議ときらめいて見える一冊。

冬の温泉宿でのアンニュイを綴った『冬の蠅』、空を眺めて妄想を広げていく『蒼穹』、月夜の海での幻想的な出来事を描いた『Kの昇天』など、サッと読めて清涼感が後に残る短編が多く収録され、軽い読書にもおすすめ。

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志賀玲太の本棚

初谷むい『花は泡、そこにいたって会いたいよ』

どこででも生きてはゆける地域のゴミ袋を買えば愛してるスペシャル/初谷むい『花は泡、そこにいたって会いたいよ』

一口に「短歌」といっても、そこには多様なおもしろさがある。言葉の組み合わせを純粋に楽しんだり、作者の人生に思いを馳せてみたり。そんな中でこの本の歌には、私たちの知る生活の感覚をより鋭いものにしてくれるような、言葉の広がりのおもしろさが多分に含まれているように思う。冒頭の連作が春に関するものでもあるということで。著者の第2歌集、第3歌集もあわせてぜひ。

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この記事を書いた人

波戸なお

早稲田大学で社会学を学んでいます。小説や短歌、絵画など、様々な芸術に触れるのが好き。推しはチェンジではなく増やす派です。私の記事を皆さんの新しい「推し」に加えていただけるよう頑張ります。

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