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こんにちは、小南です。

絵を描くときによく使う色鉛筆に対して、私は昔から疑問に思っていたことがあります。それは「消しゴムで消そうとしても、跡がきれいに消えない」こと。鉛筆は簡単に消せるのに、どうしてなのでしょうか?

▲色鉛筆で書いた文字は消えにくい……!

ということで、この記事では「色鉛筆は、なぜ鉛筆と比べて消しにくいのか」について紹介します。色鉛筆にまつわる長年の疑問を、鉛筆や色鉛筆を製造・販売する三菱鉛筆に取材しました。

目次

そもそもなぜ鉛筆は消しやすいのか
色鉛筆が消しにくい理由とは?
消しゴムで消せる色鉛筆も登場!
鉛筆が六角形、色鉛筆が丸形の理由

色鉛筆が消しにくい理由は「芯の材料」にある

色鉛筆が鉛筆と比べて消しにくい理由は、芯の材料の違いにあります。これを知るために、まずは鉛筆が消しゴムで消せる理由を探っていきましょう。

そもそもなぜ鉛筆は消しゴムで消せるのか

鉛筆の芯の材料は、黒鉛粘土です。鉛筆の芯はそれらを混ぜ合わせ、焼き固めて作られています。鉛筆はこの芯を紙に押し付けたときに、黒鉛の粒が紙につくことで、紙に文字を書くことができる仕組みになっています。

では、消しゴムで鉛筆の文字を消す時には何が起こっているのでしょうか。

​​三菱鉛筆広報:鉛筆で書いた文字が消しゴムで消える理由は、紙面上に乗っている黒鉛が消しゴムに取り込まれ、紙面上からなくなるからです。

▲鉛筆で書いたときの紙の表面

紙の表面は、繊維が芝生のようになっています。鉛筆の芯である黒鉛の粒は紙の繊維の密度より大きいため、紙の表面に乗っている状態になります。黒鉛は消しゴムによく馴染むため、こすると消しカスと一緒に粒が取り除かれて、きれいに消すことができるのです。

色鉛筆がきれいに消せないのは「紙に染み込むから」

一方で、色鉛筆の芯の材料は、顔料とロウです。色鉛筆の芯はそれらを混ぜ合わせ、乾燥させて作られています。色鉛筆は鉛筆と同様に、芯を紙に押し付けたとき、顔料の入ったロウが紙につくことで色が見えるようになります。

ここまで聞くと鉛筆と同じように感じますが、なぜ色鉛筆は消しゴムで消えにくいのでしょうか。

三菱鉛筆広報:ロウ(ワックス)の入っている色鉛筆の場合、ロウが溶けて紙面内部にも入ってしまい取りづらくなるためと、ロウが消しゴムに馴染みにくく、ロウと顔料を消しゴムでは取り込めないためです。

▲色鉛筆で書いたときの紙の表面

鉛筆の芯である黒鉛と違い、ロウは紙の繊維にしみ込むため、また消しゴムに馴染みにくいため、消しゴムではきれいに消えないのですね。同じような書き味でも、鉛筆と色鉛筆で紙の表面の様子がこんなにも違うなんて驚きです!

次ページ:朗報!「消しやすい色鉛筆」も登場していた!

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この記事を書いた人

小南

小南です。名古屋大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻所属。「楽しく読んでいたら、いつの間にか知識も身に付いていた!」と思っていただける記事を提供するべく日々奮闘中。皆さんの一時の気晴らしとなることができれば幸いです。

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