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コジマです。

FIFAワールドカップが盛り上がっている。日本も決勝トーナメント進出で大変めでたい。

渋谷やスポーツパブはもちろんお祭り騒ぎだが、その陰で静かに沸く場所がある。北海道小平町、そう「ラビオくん」が水揚げされた地である。

ミズダコのラビオくんは19日に水揚げされ、日本戦の結果の占いを託された。予想は早い順に「勝ち」「引き分け」「負け」で見事的中。各種メディアで取り上げられ(既に出荷済みというオチとともに)一躍有名になった。

※ちなみに「ラビオ」は「小平(おびら)」を逆から読んだ名前とのこと。

この占いがなければラビオくんも一般タコ(≒一般人)だったはず。「たまたま」で片付けるにも、完全に勘で3択を3回当てる確率は1/3の3乗で3.7%。やはりラビオくんは奇跡のタコなのか……?

発端は8年前

「動物に結果を占わせる」ムーブのそもそもの発端は、2010年南アフリカ大会の「パウル」だろう。ドイツの水族館で飼われていたマダコで、ドイツ戦7試合と決勝戦の全8試合を完全的中させた。

パウルの予言は「勝つ国」を当てる2択だったので、確率は1/2の8乗で0.39%。確かにサッカーのことを知っていると信じたくもなる。

この8年前のパウル効果がラビオくんにつながっている訳だ。思えばW杯のたびに似たような話が出る気が……と調べてみると、2014年にも各地で予言が行われていたようである。

参考:
W杯勝敗占い、結果は「特定秘密」?
タコがW杯勝敗占い、ドイツの初戦勝利を予言

するとこんな疑問が浮かぶ。ラビオくんもまた、たくさんの予言者のうちの1匹だったのでは?

ラビオくん候補がたくさんいたら

上で書いたように、3試合の勝ち・引き分け・負けが勘ですべて的中する確率は3.7%。

逆に96.3%はどれかを外すわけだが、予言者が複数いる場合、その全員が外す確率は下がる。具体的に計算してみると、10匹なら68.6%、50匹なら15.2%で、100匹まで増やせば2.3%まで下げられる。

日本にW杯を予想したタコが100匹もいるとは思わないが、候補生がたった10匹でも全的中させるタコは3割方現れるということ。めちゃくちゃ野暮なことを言っているが、案外スゴくないのでは……。

確率論的予言ダコ

予言が勘だと決めつけてしまった場合、困るのは的中が続いて注目され始めたときである。次の予想も結局は確率なので、外れると「あれ?」となる。

しかし、ラビオくんは既に(多分)誰かの胃の中。決勝トーナメントの初戦は活きのいい2代目が予言するというから、2代目にはプレッシャーを感じず予想をしてもらいたい。ロシアだけでなく、今年は北海道にも注目だ。

追記

7月2日、2代目の予想は日本の勝利!結果は……?

日本時間7月3日午前3時から行われた試合は、前半をスコアレスで折り返すと、後半は立て続けに2点を先制。予想通りか……?と思われたが、その後まさかの3失点で無念の逆転負け。日本代表、お疲れ様でした。

参考文献

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この記事を書いた人

コジマ

京都大学大学院情報学研究科卒(2020年3月)※現在、新規の執筆は行っていません/Twitter→@KojimaQK

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