C’mon, baby アメリカ どっちかの夜は昼間♪
こんにちは、1758です。
昨年(2018年)大ヒットしたDA PUMPの楽曲、『U.S.A.』の2番の歌詞に出てくるフレーズ。続く「ユナイテッドする 朝焼け」という独特のワードセンスとも相まって、ぐっと引きつけられるものがありますよね。
しかし! よく考えてみましょう。確かにアメリカは日本から見てだいたい地球の裏側にあるし、もっともなことを言っているようにも思えますが……本当にそうでしょうか?
我々QuizKnockは、DA PUMPに挑戦する!(冗談です)
実際のところ、「どっちかの夜は昼間」なのでしょうか?
条件の設定
検証にあたり、以下の条件を設けることにします。
- 「夜」:日没から翌日の日の出まで 「昼間」:午前10時~午後2時を指すものとする
- アメリカ側の時間にはサマータイム(標準時を1時間進める)を導入
- ハワイや離島の領土は考慮しない(『U.S.A.』の歌詞では言及されていないはず)
- 日本の日の出・日没は東京におけるデータを基準とする
そして次が最も重要なポイントですが、
- 日の出・日没の時刻は今年(2019年)の夏至(日本時間2019年6月22日)のデータを採用する
1年で最も夜が短くなる夏至の日に「どっちかの夜は昼間」が成立するのであれば、他の日でも問題ないはず、という理屈です。
日本が夜のときを考える
アメリカ本土は4つのタイムゾーンに分かれており、東部と西部では3時間のずれがあります。ロサンゼルスなど西海岸の都市と日本との時差は、サマータイムを考慮して16時間。東部(ニューヨークなど)では13時間となります。
まずは、日本が夜のときを考えます。
東京の日没は19時1分。このときロサンゼルスは明け方の4時、ニューヨークは朝の7時。
条件①に合致しません。すなわち、「どっちかの夜は昼間」説、不成立。
もちろん、日本で23時になる頃にはニューヨークが午前10時を迎えているわけで、日本の夜がアメリカの昼間と重なる時間帯があるにはあるのですが……。歌詞の表現は必ずしも正確とは言えません。
どうしたDA PUMP! ノリが良ければ何でもいいのか!?
しかしまだ結論を出すのは早い。アメリカ側が夜のときも調べなくてはなりません。
アメリカが夜のときを考える
ロサンゼルスの日没は20:09、ニューヨークでは20:31(サマータイムを考慮)となっています。
時差の対応を表で示したものがこちら。
ロサンゼルスが日没のとき、東京の時刻は正午過ぎ。条件①に合致し、十分に「昼間」といえる時間帯ですね。「どっちかの夜は昼間」説、成立。
しかし、条件が満たされているのはわずか2時間ほど。ロサンゼルスが22時/ニューヨークが深夜1時を迎える頃には、日本で「昼間」が終わってしまいます。
結論:半分くらいはホント
- 日本が夜のとき、アメリカは昼間でない地域が多い
- アメリカが夜の場合は、日本で昼になっている時間帯が長い
「どっちかの夜は昼間」説は、半分くらいは本当でした。
今回検証したのは条件が最もシビアな夏至の日ですから、他の時期であれば「説」が成り立つ時間帯が長くなるのは間違いありません。とはいえ、「思ったほど正確じゃないな?」というのが皆さんの偽らざる思いではないでしょうか。
そもそも、こんなノリのいい曲にケチをつけるのが間違っているのかもしれない。
U.S.A.クイズの記事も是非。