草(クズ)のスペックはこれだ
各種資料を参考にして、草(クズ)の繁殖速度や個体重量などを具体的に設定した値が以下になります。
▲この条件で生やしまくる
「1株の重さが10kgってほんと……?」と思った方も多いでしょうが、意外とオーバーな数字ではありません。クズの古い株は、根だけで100kgにも達する場合もあるそうです。これだけ大きな草なら、生える時にぐんぐん二酸化炭素を吸ってくれるはずです。
検証開始!
それでは、草を生やして地球温暖化を止めることができるのか検証していきましょう。
世界の二酸化炭素排出量は年間335億トン(2019年データ)とされており、そこから陸地や海洋に吸収される量を差し引くと、約151億トンが大気中に蓄積されることになります。あまりにも膨大な量ですね。成功するか少し不安になってきました。
1年間で減らせる二酸化炭素は?
まず、1年間にTwitterに生やされる607,000,000本の草(クズ)を実際に生やし、どれだけの二酸化炭素が吸収されるか見てみましょう。
▲地球温暖化恐るべし
結果はなんと約0.11億トン。Twitterに投稿された草をそのまま生やすだけでは、到底地球温暖化を止められません……。
クズをどんどん増やそう
ならば、生やした草をそのまま無限に自然繁殖させていき、力ずくで地球温暖化を止めるプランを試しましょう!
▲やった! 草が地球温暖化を止めた!
以上の検証により、理論上41年ほどで地球温暖化が止まることが明らかになりました!
1年では歯が立たないほどの量にも、自然繁殖すれば到達できるのです。草(クズ)の驚くべき生命力に、思わず笑みがこぼれます。草を禁じえない、といったところでしょうか。
40年までに草(クズ)は240億本以上生やされ、繁殖で増えた分を合わせるとその数は4.4兆本にのぼります。全宇宙に存在する銀河の数は約2兆個とされているので、それの2倍以上です。
ちなみに、クズの密度を1m2あたり2.5株とすると、176万km2の陸地がクズで埋まる計算になり、これはリビアの国土面積と同じです。
▲リビアはここ
何か大事なことを忘れているような……
クズは大きな葉を広げて地表を覆うため、40年の間に広大な土地が日光の当たらない不毛地帯と化します。生態系の変化、平原が埋め尽くされることによる農地の減少と食糧難……世界に与える影響は計り知れないでしょう。
SDGsで見ると「13.気候変動に具体的な対策を」をほぼ完璧に達成する一方、「2.飢餓をゼロに」と「15.陸の豊かさも守ろう」をかなぐり捨てる形です。
▲これが我々の望んだ未来だったのか
やはり、環境問題は一筋縄ではいかないようです。ノーベル賞はお預けですね……。今後のさらなる研究に、ぜひともご期待ください!
参考文献
- Kudzu in Alabama ❘ Alabama cooperative Extension system
- J.-P.Aurambout, A.G.Endress A model to simulate the spread and management cost of kudzu (Pueraria montana var. lobata) at landscape scale Ecological Informatics Volume 43, January 2018, Pages 146-156
- データで見る温室効果ガス排出量(世界) ❘ JCCCA
- 海洋の炭素循環 ❘ 気象庁
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