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ランドマーク税理士法人

大学卒業までに、1度は海外旅行に行きたい。こんにちは、1758です。

街を歩いていると、「免税店」「TAX FREE」という看板を目にすることがあります。名前だけ見ると、何となくお得感がありますよね。

具体的に免税店の何がお得なのか、皆さんはご存知ですか? そもそも、どんなお店なのかよく分からない……という方も少なくないのでは。

そもそも「免税」って何が免除される?

日本の免税店には「空港型免税店」(Duty Free Shop)と「市中免税店」(Tax Free Shop)の2種類があります。前者は成田・関空など、国際空港の出国エリアにあるもので、後者は導入で書いたような街中にある店です。

空港型免税店は消費税以外も

空港型免税店は海外渡航する人なら誰でも利用でき、消費税のほか関税・たばこ税・酒税などが免除されます。出国手続きを終えた先の空間は法律上日本国外にあたるため、日本のあらゆる税金が適用されないという仕組みです。

市中型免税店は消費税のみ

市中免税店の方は少々複雑です。こちらは、消費税が適用されない訪日外国人をターゲットにしています。

なぜ日本国内なのに消費税がかからないのかというと、日本の消費税には「消費地課税主義」という考え方があり、国内で消費される商品・サービスに限って課税する方針をとっているからです。

上記の理由から、日本から輸出される物品には消費税が課されません(消費税法第7条)。観光客が買っていく市中免税店の商品は輸出品と同様のものとみなされ、消費税の分が安くなるというわけです。ちなみに、市中免税店の正式名称は「輸出物品販売場」といいます(消費税法第8条)。

ただし、免税の対象となるにはいくつか条件があります。

市中免税店の対象は非居住者で、一定額の購入が必要

ポイントは、「特定の人に」「一定の方法で」で販売する場合に限り、消費税が免除されるということです。

対象者:日本に住んでいない人

「特定の人」とは、「非居住者」のこと。外国人であっても日本国内で勤務している人や、6ヶ月を超えて滞在している人は対象外となります。逆に、日本人が免税の対象となるケースも存在します。

条件:一定額の購入が必要

販売方法について、ルールを要約すると、「消耗品は5000円~50万円、一般物品(消耗品以外)は5000円以上の購入で免税の対象となる」。昨年(2018年)7月から施行された制度では、合算して5000円を上回れば免税される場合もあります。

市中免税店は更に2つの形態に分かれており、それぞれで販売方法の詳細が異なります。

  • 一般型:独立した店舗。他店舗と合算できないため、5000円未満の買い物は免税されない。
  • 手続委託型:ショッピングモールや商店街など、特定の区域にまとめて展開される。手続きカウンターで各店舗の購入品を合算し、基準額を満たせば免税対象となる。

「空港型」と「市中」のハイブリッドも

近年では、国内でも「空港型」-Duty Freeの店が展開されるようになっています。

通常の市中型免税店(Tax Free)の場合、日本人が利用するメリットは特にありません(免税対象でないわけですから、当然ですね)。しかしこの“新形態”では、30日以内に渡航予定のある日本人も免税対象となっています。その名も「空港型市中免税店」。

この形態なら、「パスポート等を提示するだけで簡単に利用できる」「出国まで何度も使える」といったアドバンテージがあります。都内の数店舗を中心に、人気が集まっているようです。

また「特定免税店制度」が実施されている沖縄県には、国内にいながらにして免税の恩恵を受けられる店舗が存在します。

おわりに

訪日外国人旅客数は年々増加し、昨年(2018年)には3000万人を突破しました。免税店の店舗数も4万を超え、2012年時点比で10倍にまで膨れ上がっています。

日本経済を支えるインバウンド消費、その基盤をなす免税店。店舗形態の発展、商品ラインナップの多様化など、注目すべき点は尽きません。

海外旅行の時、「Tax Free」や「Duty Free」の案内を見かけたら、ふらっと入ってみるのも面白いのではないでしょうか。

参考文献

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この記事を書いた人

1758

ライターネームの由来は日本史の「宝暦事件(1758年)」。大学では主に日本文学を学んでいました。

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