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こんにちは、1758です。

藤島康介の人気作品に『逮捕しちゃうぞ』という漫画があります。その影響かは分かりませんが、子供の頃「言うこと聞かないとタイホしちゃうぞ!」と友達に冗談を言われた経験のある方も多いのではないでしょうか(といっても羽交い絞めにするのがせいぜいですけどね。)

遊びで「逮捕」と言っていられるうちは平和ですが、もし目の前に凶悪犯が現れたら、あなたはどうしますか?

果敢に立ち向かうか、ひたすらに逃げて警察の助けを呼ぶか。

そもそも、私たちに犯人を逮捕する資格はあるのでしょうか?

条件付きではあるが、一般人も逮捕できる

現行犯であること

結論から書くと、誰にでも逮捕は可能です。一般人による逮捕は私人逮捕(常人逮捕)と呼ばれ、刑事訴訟法213条に規定されています。ただし、どんな状況でも逮捕してよい、というわけではありません。

大前提は、現行犯であること。現行犯でない逮捕は裁判所の令状を必要とするため、一般人には認められていません。

逃げようとしていること

また、現行犯の中でも比較的軽い罪(※)の場合、私人逮捕できるのは以下の状況に限られています。(刑事訴訟法217条)

※30万円以下の罰金・拘留(1日以上30日未満の拘禁)・科料(罰金より軽い罪、1万円未満)が科せられるもの。過失傷害罪、侮辱罪など。

  • 犯人の住所または氏名が分からない
  • 犯人が逃亡するおそれがある

知り合いがひどい悪口を言っていた(侮辱罪)としても、その場で逮捕はできないということです。

長時間拘束すると逆に自分が捕まる

それでは、誰かを現行犯逮捕したときにはどう動けばよいのでしょうか。

暴力を振るったり、長時間拘束したりすると、逮捕監禁罪に問われる可能性があります。犯人を捕まえた側の自分まで警察のお世話になっては大変です。

速やかに通報し、検察官または司法警察職員(犯罪捜査を行う警察官)に犯人を引き渡しましょう。(刑事訴訟法214条)

また、逮捕を行った人は氏名・住所・逮捕の事由について聴取されます。(同215条)警察署など、官公署への同行を求められる場合もあります。

おわりに

単に逮捕といっても、様々な規則があります。目の前に犯人がいるからといって、必ずしも捕まえていいわけではないということです。「逮捕してもよい条件」を頭に叩き込んで、有事に備えましょう。

とはいえ、目の前で犯罪者に出くわさないのが一番ですけどね。

参考文献

  • 『ポケット六法』平成31年版 有斐閣
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この記事を書いた人

1758

ライターネームの由来は日本史の「宝暦事件(1758年)」。大学では主に日本文学を学んでいました。

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