本日10月30日、秋古馬三冠の初戦である秋の天皇賞が東京芝2000mで開催となります。
今年フランスのGⅠイスパーン賞を勝ったエイシンヒカリ、前年の年度代表馬でマイル王のモーリス、前年度覇者ラブリーデイなど、近年では高レベルな顔合わせとなり、面白い勝負となりそうです。
さて、秋の天皇賞といえば、ファンにとって忘れられないのが「沈黙の日曜日」です。
とはいえ、ここでは是非競馬ファン以外の皆様にこそ読んでいただきたい。幾度となく語られるテーマですので、できるだけわかりやすく書いていくつもりです。
ひとまず、このCMを見てください。
このCMの冒頭に登場する馬が、今回の主人公であるサイレンススズカです。僕はこのCMを初めてテレビで見たときから、何度となくYouTubeでこの映像を再生しているんですが、やはり何度となく涙腺を刺激されています。
一度走り出したら、誰も追いかけられないそのスピード。「影さえ踏めない」と呼ばれたその強さのまま、突然に消えてしまった悲運の馬。
あの武豊が、日本競馬努力の結晶・ディープインパクトに匹敵する馬として挙げたその強さと伝説を、実際の動画を交えつつクイズ形式で振り返ります。
※競走馬の年齢に関しては、統一して現在の基準(満年齢/生まれ年を0歳として数える)を適用します。
競馬は「ブラッドスポーツ」です。サイレンススズカのその後の競走成績も去ることながら、「もし生きていたらどんな子孫を残したのだろう」というのが、ファンにとっての見果てぬ、そして叶わぬ夢であります。
スポーツにたらればは不要ですが、もしその後種牡馬になっていたなら。99年シーズンを走り引退、2004年クラシック世代から産駒が活躍を始め、ダイワメジャー、ハーツクライ、キングカメハメハあたりと戦います。
翌年はターフではディープインパクト、ダートではカネヒキリとの最強決戦です……夢には終りがありません。
「黒い刺客」にして「最後のステイヤー」ライスシャワーや、予後不良時の美談で有名なダービー馬・キーストンなど、レース中の事故で安楽死処分となった名馬の話は少なくありません。
しかしサイレンススズカは、怪我の原因が今でも謎であることや、圧倒的なレース運びの中で突如として怪我を負ったことなどが、その伝説をより物語的なものにしているように感じます。
1998年。伝説などなくても十分に強く、それゆえに伝説足り得た馬・サイレンススズカ。最初の映像、今一度見返してみてください。
さて、今年も秋の天皇賞のゲートが開きます。無事に、強い馬が決まると良いですね。