QuizKnock雑談中須貝駿貴×鶴崎修功『東大博士による卒論生の応援〜雑談を通して〜』
スペシャルQuizKnock編集部2023.12.12
QuizKnockのメンバーがチャット形式でゆるゆる雑談する「QuizKnock雑談中」。今回は、須貝駿貴と鶴崎修功の2人でお届けします。
今回は、大学院の博士課程を修了したという共通点を持つ2人に、学位論文の思い出を語ってもらいました。次々に飛び出す「学位論文あるある」は必見です。
東京大学教養学部を卒業後、同大大学院に進学し、総合文化研究科博士課程を修了。
東京大学理学部数学科を卒業後、同大大学院に進学し、数理科学研究科博士課程を修了。
「進捗どうですか?」
こんにちは。
こんにちは。
進捗どうですか?
まあまあ悪くはないですな
進捗とか聞かれてました? 論文書いてるときに
先生からはこんなに直接的には聞かれたことないかな
友達と顔を合わせたときには挨拶として「進捗どうですか?」が流行った
そうなんだw
『のんのんびより』が流行ってたときに「にゃんぱすー」が流行ったかのように
『のんのんびより』:田舎の学校に通う生徒たちの日常を描いたコメディアニメ。「にゃんぱすー」は主要キャラクターの宮内れんげが使う挨拶。
にゃんぱすーと同じレベルの流行り!?
すごすぎる
先生とのミーティングとかでも進捗確認には結局なるんだけどね。「進捗どうですか?」ではなかったかな
そうですね。意外と先生って直接的には聞いてこなかったですね。
逆に言えば、先生にいかに進捗を説明するかが重要だよね。
確かに。学生の論文は先生との共同作業の面がかなりありますから
先生にちゃんと何ができてるか説明できないとまずいですね
というわけで、今日は年末卒業生応援企画、論文あるある
がんばれ最終学年生
「表紙を作ったら論文の半分は完成」
ここで、論文格言をひとつ
「表紙を作ったら論文の半分は完成」
なるほどなあ
論文ファイルを作るということがいかに偉大な一歩であるかを説いた格言
確かに。
そもそも論文ファイルを作るときって研究成果がある程度出てからになるしなあ
確かに。思ってたよりこの格言深いわ。
表紙に載せるタイトルとか書いてるときには、ほとんど論文は完成しているといっても過言ではない
論文ってメインの結果の部分が最初にできて、必要な前提知識の説明が次にできて、タイトルとかイントロダクションって最後にできますよね
イントロダクション:論文の序論、「はじめに」。論文の導入として、研究の背景や前提となる知識を簡潔にまとめ、この研究の目的や意義を明確にするための文章。
タイトル(仮)→内容(実験や計算、考察など)→イントロダクション→アブストラクト→タイトル
の順で進むよね。なぜか。掲載順はイントロダクションが先なのに。
アブストラクト:研究の目的・方法・結果などを簡潔にまとめた論文の概要のこと。論文の冒頭に掲載されていることが多い。日々多くの論文を読む研究者たちにとって、アブストラクトは論文の内容を短い時間で把握したり、読むか読まないかを判断したりする重要な情報であり、研究のポイントや特徴を伝わりやすくまとめる必要がある。
あータイトル仮決めして後で変えるタイプですね。それもある。
「BibTeXは今やれ」
続いての論文格言
「BibTeXは今やれ」
BibTeX(ビブテフ、ビブテック):理系など数式を多用する分野では「Tex(テフ、テック)」という組版ソフトや「LaTeX(ラテフ、ラテック)」というパッケージを使って論文を書くことが多い。BibTeXは参考文献(リファレンス)の一覧や整形に使用されるツール。論文では文中で先行研究などの文献を参照することが多く、このツールを使うととても便利。
あーなるほど
論文の引用部分ですね
本文中でリファレンスで引きたい参考文献のリストを作る作業については、書いてる途中だろうが、息抜きにQuizKnockの記事を読んでいるところだろうが、とにかく今やったほうがいいということ。
書いてなくて引用元を忘れようもんなら再発見はつらい道のりになること必至
てか、文系のみんなはWordとかで論文書いたりすることもあるらしいけど、BibTeXなしでどうやってリファレンスやるんだろう。Wordにもそういう機能あるのかな。
確かに。どうやってるんでしょう。Wordも高機能になってるとは思いますが……。
TeXはいろんな人が便利な機能を大量に作ってるから、ほしい機能は探せば基本ありますね
TeXはBibTeXファイルに思いつくだけ論文情報をブチ込んでおけば、本文で引用したときに巻末に勝手に引用した順に追加してくれて、しかも引用しなかったやつは足さないでいてくれるという便利なシロモノ。
えらすぎる。
TeXは便利すぎてpdfで文書つくるとき未だにTeXで書いちゃう。
わかるわ
数式は特にそうだわ
なので、論文をチラ見したり読んだりしたときには、すぐに論文情報をファイルにいれておけばいいんですね
使わないなら消えるからね
さすがに一般の人に見せるときはデザインとか凝るために別のツール使ったほうがいいかもなって思うんですが、TeXの便利さから離れられない
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