QuizKnock

アプリで記事をもっと見やすく

インストールする

カテゴリ

ログイン
PR
日本甜菜製糖株式会社

「学ぶこと」「知ること」を楽しいものに変えるような作品を発表し続けている、デザイナーのみっけさん。WebメディアQuizKnockでは、「みっけのクイズパレット」と題して、そのデザインの裏側にある「ものの伝え方」に迫る連載をお届けしました。

【「みっけのクイズパレット」はこちら】

今回は、先日発売されたみっけさんの本から、「和風デザインを作るコツ」をテーマにお届けします。色やフォントの選び方など、グッと「和」になるポイントを紹介します。


文:みっけ

こんにちは。デザイナーのみっけです。

連載最終回から1年半が経ちましたが、みなさまいかがお過ごしでしたか?

私は企画展に参加したり靴下をデザインしたりとデザイン三昧の日々を送っていました。

そして、中でも特に長い時間をかけて取り組んだのが本の執筆です。このたび、『和のなるほど図鑑』が出版されました!

日本語、伝統文様、戦国武将、日本食、武道……などなど、「日本のあれこれ」が分かりやすい図解で楽しく学べる教養雑学本です。

今回は、この書籍からお気に入りのデザインをいくつか紹介したいと思います!

モチーフを取り入れるときはリスペクトが命!

こちらは、日本の名画を現代的なファッションに落とし込んだ作品です。喜多川歌麿の『婦女人相十品 ポッピンを吹く娘』が、数百年の時を経てザ・令和! なコーディネートに変身! というコンセプトで、特に「元絵の取り入れ方」が気に入っています。

目を引く市松模様の着物はそのまま生かしてビスチェに。また、町娘の若々しさを表現するために丈の短いへそ出しスタイルにしました。

作品の中でも肝になる部分でもあるポッピン(江戸時代のガラス製のおもちゃ)はどう表現しようか迷った結果、巾着風のバッグにしてみました。ポッピンの釣鐘のようなカーブが、絞った巾着に見えたからです。

そのほか、ピンクのTシャツやオリーブグリーンのカーゴパンツなどは、元絵に使われている色の面積に合わせて割り当てていきました。

こんな感じで、

  • 元絵の重要な部分はコーディネートでも目を引くアイテムに取り入れる
  • 形を別のもので表現する
  • 元絵の色の割合に合わせる

などの点を意識して制作していました。

また、今回のように元の作品がある場合は作品へのリスペクトが命!! 作品のどこに魅力があるのか、何が主役なのか、何を伝えたいのかなどを自分なりに分析してからデザインしています。

配色は料理でいうと味付け係!

次の作品はこちら。

▲テーマ『願いが込められた伝統文様』(一部抜粋)

伝統文様の意味をまとめた作品で、特に配色がお気に入りです。

この本は「和」がテーマではあるのですが、重厚な和風デザインよりは和モダンテイストのデザインが多めになっています。和の要素だけではなく現代的なデザインもミックスした方が、気軽に読みやすく、かつ本に掲載した情報をみなさんに身近に感じてもらえるかな? と思ったからです。

この作品は特に配色が和モダンっぽくできて、作っていて楽しかったですね!

▲使った色(メインカラー)はこちら

このテーマでは、明るめの華やかなカラーばかりを使いました。

私は配色を考える時「明度差をつけること」を意識しています(以前、こちらの記事でもお伝えしました)。

今回の配色はどうでしょうか?

▲さきほどのパレットをモノクロ化したもの

似たようなグレーばかりでぼんやりしていますね。つまり、明度差があまりないということです。

今回は先ほど言ったこととは逆のことをしているのですが、もちろん、狙ってやっています。

この配色に至るまでの私の頭の中はこんな感じです。

▲良い案がないか考えをめぐらせます

こんな感じで、明度差を利用して、出すぎたメリハリを調整するという方法に落ち着きました。料理でいうと「味付けが濃くなったから水を足した」みたいな感じでしょうか。

みなさんも、「明度」や「彩度」に目を向けて味付けを調整してみると配色がもっと上手くいくかもしれません!

和風デザインのコツは「3つの〇〇」

最後に、私が和風デザインを作る時に心がけていることを、こちらの作品を使って紹介します。

▲テーマ『12ヶ月の伝統色』

それぞれの月に合わせた日本の伝統色を紹介した作品です。デザインのモチーフはカレンダー。

この作品が「和っぽく見える」ためのポイントは「3つの〇〇」です。みなさんはなんだかわかりますか?

次ページ:これをおさえれば、グッと「和」なデザインに! 3つの重要なポイントとは?

1
Amazonのアソシエイトとして、当サイトは適格販売により収入を得ています。

関連記事

この記事を書いた人

QuizKnock編集部

身の回りの気になることをクイズでお伝えいたします。

QuizKnock編集部の記事一覧へ