こんにちは。
新参者のライター、千葉大学医学部4年(2019年度現在)の縄手です。よろしくお願い致します。
さて、地球温暖化のせいなのでしょうか、今年の日本列島は5月から随分と暑かったですね。
暑いときに、みなさんが使うのがそう、制汗剤ですよね。おそらくはみなさん汗をひかせたい、涼しくなりたい、と思い制汗剤を使うのではないでしょうか。
しかし、よく考えてみるとなぜ制汗剤は冷たく感じるのでしょうか?
その答えはズバリ、メントールです!
メントールは冷感を与える
制汗剤を使ったとき、冷たく感じるのに一番大きな役割を果たしているのがメントールです。
※メントールは、メンソールと同一の物質。メントールはドイツ語読み、メンソールは英語読み。
メントールはハッカに含まれる成分のひとつで、皮膚に触れると冷感を人に与えてくれます。制汗剤にはこれが含まれているのです。
実際に冷たくなっているのではなく、脳の勘違い
メントールに触れると人の皮膚に存在する冷たさを感じる部分(温度感受性TRPチャネルという)が刺激され、脳に信号が届けられ、私たちは冷たい・涼しいと感じるのです。そうすることによって汗が抑えられるのです。
言い換えると、実際に体温が低下しているわけではなく脳が勘違いしているということです。
また、同じ仕組みで脳に熱い・温かいと勘違いを起こさせるものに、カプサイシンという成分があります。漢方薬では、体を温かく感じさせるためにこのカプサイシンが使われることがあります。悪寒がするときに飲む漢方に含まれていることがあります。
おわりに
実際に体温を下げたいのであれば、汗をかいていた方が断然良いです。
汗や水の方が、制汗剤よりも実際に吸収してくれる熱の量は圧倒的に多いです。物質が液体から気体に変化するとき、外部から熱を吸収してくれます(気化熱といいます)。汗や水はその気化熱の値が大きいので、メントールなどよりも大きく熱を吸収してくれるのです。
夏場、制汗剤を使ったから熱中症にはならない、という風に考えてはいけません。特に、つい全身に制汗剤を使ってしまっている人は要注意です。全身の汗が抑えられて体温が下がりません。
制汗剤は本当に汗を抑えたいところだけにするといいのではないでしょうか。