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株式会社JERA

こんにちは、小南です。

先日スーパーでこんなお菓子を見つけ、懐かしい気持ちになりました。

▲「パチパチパニック」のコーラ味(左)とグレープ味(右)/ 明治産業提供

「パチパチパニック」という商品で、口の中で飴が弾ける食感が楽しい、いわゆる「パチパチキャンディ」です。久しぶりに食べてみましたが、パチパチとした食感がなんだか明るい気分にさせてくれました。もう生産されていないようですが、子どもの頃は同じくパチパチ弾ける「わたパチ」(明治)もよく食べていたなあ……。

ところでこのパチパチキャンディ、なぜ口の中に入れるとパチパチと弾けるんでしょうか。

ということで今回は「パチパチキャンディが口の中で弾ける理由」について、「パチパチパニック」を販売し、現在日本で唯一パチパチキャンディを製造しているという明治産業に取材しました。

パチパチの正体は「炭酸ガス」

明治産業は、1999年に弾けるキャンディとラムネを組み合わせた「シュワシュワパンチ」の発売を開始しました。2007年に商品名を現在の「パチパチパニック」に変更し、グレープ味、コーラ味、ソーダ味の3つの味が販売されています。

早速ですが、パチパチキャンディが口の中で弾けるのはどのような仕組みなのでしょうか。

明治産業 担当者:キャンディに熱を加えると融けて液状になり、冷やすとガラス状に固まる性質を利用し、特殊な設備を使用してキャンディの中に圧縮した炭酸ガスを封じ込めています。

お口の中でキャンディが溶けたときに、閉じ込められていた炭酸ガスが一気に放出され、“パチパチ”という刺激的な感覚が得られます。

なるほど。パチパチキャンディには圧縮した炭酸ガスが封じ込められていて、あの食感は炭酸ガスが一気に解放されることで生まれているのですね。

▲はじけるキャンディの作り方。明治産業提供の図より作成

この圧縮した炭酸ガスを封じ込める工程は非常に難しく、明治産業の担当者によるとパチパチキャンディを現在製造しているのは明治産業だけなのだそうです。

明治産業 担当者:はじけるキャンディの製造では、高圧ガスをキャンデーの中に封じ込めるため、安全性を確保した耐圧性のある特殊な設備が必要となり、他社で製造をするには設備面での課題が大きいと考えます。

担当者によると、パチパチキャンディの開発は、親会社の明治製菓(現在の明治)が海外でしか作られていなかったパチパチキャンディを独自の技術で製造・設備開発し、販売したことが始まりだったそうです。その際も、設備の開発に時間を要したとのことでした。

そのような設備面での課題を乗り越え、魅力的な感覚を私たちに届けてくれているんですね。

▲キャンディの製造過程 / 明治産業提供

キャンディ以外でパチパチ弾ける食品は作れないの?

ここで小南、閃きました。

キャンディ以外の食品でも、パチパチ弾けるものを作れば人気が出るのでは?

これは新商品誕生の予感です……! 他の商品でもあのパチパチした食感を生み出せるか聞いてみたところ、ある条件を満たすことができれば可能とのことでした。

明治産業 担当者:パチパチと弾けるのは、圧縮したガスが一気に解放されるためです。そのため、食品素材に求められることは、

(1)食べるまでは圧縮したガスを封じ込めておける強度
(2)食べると容易にそのガスが放出できる

の条件を満たす必要があります。

なるほど。食べるまでは強度を保ちつつも、口の中に入れると簡単に崩れるなんて非常に難しい条件だ……。

そしてキャンディはこれらの条件を比較的簡単に満たすことができるため、パチパチさせるのに適しているそうです。

明治産業 担当者:キャンディは温度を変えることで強度が大きく変わりますし、口の中で容易に溶かすことができます。それに加えて、ゆっくりと溶けていくためしっかりとパチパチ感があり、長続きもするという利点も有していますので、パチパチ弾ける食品には適していると考えます。噛んで食べるようなものではパチパチ感も少なく、すぐに弾けなくなってしまいます。

キャンディは、パチパチさせるのにうってつけの食材だったんですね。新商品開発は諦めて、パチパチキャンディをこれからも楽しんでいこうと思います!


口の中で弾ける理由を知ってからパチパチキャンディを食べると、さらにパチパチが楽しく感じました。これからは皆さんも圧縮された炭酸ガスの放出を感じながら、パチパチキャンディを食べてください!

サムネイル使用画像:明治産業提供

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この記事を書いた人

小南

小南です。名古屋大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻所属。「楽しく読んでいたら、いつの間にか知識も身に付いていた!」と思っていただける記事を提供するべく日々奮闘中。皆さんの一時の気晴らしとなることができれば幸いです。

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