「人型ロボット」のキモを担う技術に注目!
工場はもちろん、家庭でも、人とロボットの共存が進んでいます。この流れのなか、ますます必要とされるのが「人間と同じような動きができるロボット」の開発です。
今回のロボット展でも、人型ロボットのブースには注目が集まっていました。
さっきの警備ロボとは違って、人型だ!
「THE・ロボット」って感じの見た目だ。
なんか、腕がずいぶんなめらかに動いてるな。
こんにちは。こちらのロボットのアクチュエータを開発している新谷と……
岩﨑です。
「アクチュエータ」? アクチュエータってなんですか?
電気・空気圧・油圧などのエネルギーを、直進運動や回転運動といった機械的な動きに変換する装置のことです。エネルギーを運動に変える装置をロボットに搭載することで、ロボットが稼働するんです。
リニアアクチュエータは、人間の筋肉のようにまっすぐ伸びたり縮んだりする動きを担当するパーツです。
▲新谷さんが主に担当する「リニアアクチュエータ」
ロータリーアクチュエータのほうは、ロボットの関節のような働きをします。
▲岩﨑さんが主に担当する「ロータリーアクチュエータ」。真ん中には穴があいている
なるほどね。どっちも、人っぽい、スムーズな動きをするのに欠かせない部分なわけだ。
▲須貝「こういう関節の動きね」
強みは「小型化」にあり!
そして、私たちはこれらの小型・軽量化に取り組んでいます!
ほう! 軽量化すると、なにかいいことがあるんですか?
ロボットが動作するときの慣性エネルギーを小さくして、消費電力の低減が期待できますね!
なるほどね。でも、小型化と高性能を両立するのは結構ムズくないですか?
いろんな性能を搭載しようとすると部品が加わってしまうし、小さくするのって大変なんじゃ……?と思ったんですけど。
岩﨑さん「いいところに気づきましたね」
そこで登場するのが、NSKのベアリングやボールねじなんです!
おお!
▲実際にアクチュエータで使われているベアリング。機械のなかの軸をなめらかに回転させてくれる
軽量・小型化を両立させるため、部品を小さくしていくことから始めます。
NSKでは、ベアリングやボールねじを自社開発かつ得意分野にしていますので、既製品・カタログ品では実現が難しいものでも、NSKで自社設計・制作ができるというわけなんです。今回、ひと回り小さくて軽くなるように開発することができました。
NSKだからこそできた軽量化ってことですね
▲リニアアクチュエータの重さは1kgほど。技術が詰まっている
実は、最初は性能ありきで大きなアクチュエータを作ったんです。でも、「どんな巨人を作るんですか」って言われちゃって……
人間と共存する前提の人型ロボットって、デカいと威圧感ありますもんね
▲ロボットの腕部分にいるリニアアクチュエータ
そうですね。それから、共存という意味でいうと、バックドライバビリティという新しく実現した機能があります。
バックドライバビリティ?
バックドライバビリティは、アクチュエータの出力側に力を加えた際に、その外力によってアクチュエータが逆に動かされる性質のことです。
例えば工場で生産に使われているような従来のロボットは、指令通りに動くことが第一で、何かにぶつかっても、無理やりにでも動こうとします。だから、動作範囲に人間が立ち入らないように安全柵を設けたり、停止装置が搭載されていたりします。
たしかに。危険だもんね
でも、バックドライバビリティの高いアクチュエータを使うことで、外から加えられた力によって動かされる(人間がロボットを手で押して動かせる)機能が搭載されるんです。
そうか。俺たちはロボットを動かすことも止めることもできるけど、ロボットも俺たちの思う通りに動いたり止まったりすることがめちゃくちゃ大事なんだな
今回も、NSK製の効率の高いボールねじを使用することで、高バックドライバビリティを実現したんですよ。
▲人間と人型ロボットが共存するための工夫がたくさんでした!
警備ロボットに人型ロボット、技術の進化がすごいな~!
続いて、須貝の目に入ってきたのは……?
おっ! めっちゃデカいロボット発見!
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