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2025年、某日。

クイズ王・伊沢拓司は、ちょっとした知的好奇心に駆られていた。

ちょっと考えてみていただきたい。
「日本人が思うカッコいい日本語」のような概念は、皆さんきっとお持ちのはずだ。「幽玄」「無常」のようなシブいものから、「漆黒」「紅蓮」のような、いわゆる「厨二病」的なものまで思いつく。「

一方、外国の方が触れる日本語:たとえば、漢字やひらがなのタトゥーには、「なんでやねん」とズッコケたくなるようなものも少なくない。日本人が思う「カッコいい単語」とズレが生じるのは、見た目だけでなく、その意味や響き、用例といったものについての知識の差があるからだろう。
では、英語について申し分ない知識を持ったネイティブスピーカーは、どんな英単語を「イケてる」と思うのだろうか? やはり、ノンネイティブの日本人の感覚とは違うものなのか?

……と気になって仕方なさそうな伊沢サン。チョイスが音楽に寄りすぎているのはともかく、「カッコよさ」は伝わってくるチョイスだ。
が、これはネイティブとも共通の感覚なのか、果たして?
ここはひとつお節介を焼いて、クイズ王の疑問に向き合ってみよう。面白そうだし、何といっても、答えを見つけられたらちょっとカッコいい気がする。
構成・執筆:カタヤマ
身近なネイティブに聞いてみる
都合のいいことに、筆者の親戚にバリバリ英語ネイティブの人がいるので、まず話を聞いてみることにする。

日本人のJさんはアメリカ生まれ。中学生までを現地で過ごし、その後もたびたび渡航しているという人だ。
海外暮らしが長いからか、(失礼ながら)「日本語より英語の方がだいぶ達者なんじゃ……?」と思うこともしばしば。身内とはいえ、ネイティブの感覚を聞くには申し分ない人材だろう。

ーーそもそも、英語圏の人が「好きな英単語」とか「かっこいい単語」を考えることってあるんでしょうか?
Jさん 人によると思いますね〜。少なくとも僕はパッとは出てこないかも。
あと最初に言っておきたいんだけど、「カッケえ単語」が必ずしも「カッケえコミュニケーション」に結びつくとは限らないね。むしろ逆効果かもしれない。
ーーおや、そういうものですか。
Jさん 言葉ってのは、相手へのプレゼンテーションみたいなものだと思いますから。相手が何を知りたいかに応じて、わかりやすい言葉を選ぶのがいいよね。

ーー会話で使うか、書き言葉で使うかで言葉の印象も変わってきそうですね。それを踏まえて、お好きな英単語はありますか?
Jさん うーん、“dream”かな。明日はまた違う答えになるかもしれないけど。
ーーこれまた随分とシンプルな単語で。
Jさん (黒人の権利獲得に奔走した)キング牧師の有名な演説「I Have a Dream」のdreamをイメージしてます。
「I Have a Dream」、これ以上ないくらいシンプル。もしあれがめちゃくちゃ難しい単語を使って、「I envision a future wherein……」とか言っていたら、こんなに人々の心に残らなかったと思うから。

Jさん スティーブ・ジョブズ(Apple創業者)が広めた格言にしても、「Stay hungry, stay foolish」(直訳:「貪欲であれ、愚かであれ」)。ちょっとでも英語を習ったことがある人なら、絶対に知っている単語ばかりでしょう。
ーー相手に一番よく伝わる単語が、ある意味一番カッコいいともいえるかもしれないですね。
Jさん そうそう。もちろん長大な単語、難しめの単語を覚えるのも趣味としてはいいけどね。dreamと似た意味の単語なら“reverie”なんかちょっと洒落てるかも。
ーーあんまり英語っぽくない響きで独特ですね。
Jさん まあ僕のはひとつの意見だから、もっといろんな人の話を聞いてみたら面白いと思いますよ。それこそ、難しい言葉を知らなくたってインタビューはできるだろうし!
ーーやってみます!
街頭でインタビューしてみる
気軽に英会話してみよう、と背中を押されたところで、道行くネイティブの方にお話を聞いていくことに。まず向かったのは観光客に人気の街、浅草だ。

恐る恐るネイティブと思しき方に声をかけると、さっそく予想外の単語が飛び出した。

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