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これが世界を驚かせたマジックだ!

凄すぎる! いつの間にか繋がっていたけど、仕掛けがわからない……!
本当にどうなってるの……?

野島さん ありがとうございます! 2番目(動画では1:53〜)にお見せした白いサイコロが登っていく『ダイスクライマー』というマジックは、完成までに5年ぐらいかかっています。

ーーえっ、5年も!?

野島さん 2019年ぐらいに「この現象できたらいいな」って思ったんですけど、実際にサイコロ5つを指2本で挟んでも何もできなくて。「あと指が3本あればなんとかなりそうなんだけどなー」って思ったりしました。

野島さん そこからいろいろ試行錯誤したら、3年後ぐらいに「指があと1本生えてたらギリギリ実現できそうだな」っていう状態になったんですよね。さらに「どうしたら指の本数を減らせるか」を考え続けた結果、去年やっとこのマジックが完成したんです。

ーー「無理かもしれないけどできる気がする」という感覚を信じて粘り続けた賜物な訳ですね。

野島さん 気づいたら指の数を減らせてましたね(笑)。

大量の本を読破するほどマジックにのめり込んだ学生時代

ーー話を変えまして、野島さんの経歴についてお伺いできればと思います。野島さんが最初にマジックに触れたのはいつ頃だったのでしょうか?

野島さん 小学1年生のときですね。デパートでマジックの実演販売があって、そこで「チャイナリング」を見て衝撃を受け、親にねだって買ってもらったのが最初です。

チャイナリング:複数の金属製のリングをつなげたり外したりするマジック。

ーー本格的にマジックに没頭するようになったのはいつ頃だったのでしょう?

野島さん 専門学校に通っていたときぐらいでしたね。東京駅の近くに当時マジックショップがあったんですけど、そこにはマジックに関する日本語や英語の本がズラーっと棚に並んでいたんです。

ショップに通い詰めてオーナーと仲良くなり、並んでいた本は読める範囲で一通り読破しました。この頃にはすでにマジックを研究したり、何か新しい仕掛けを考える……ということをひたすら繰り返していたので、それはすごく楽しかったですね。

ーーこの時点すでにマジシャンとして生きていこうと決めていたのでしょうか?

野島さん いえ、最初はそういうわけではなかったです。卒業したら普通に就職しようと考えていたんですけど、マジック制作の会社からお声がかかりまして。その会社に就職し、10年ほど正社員としてマジックを作っていました。その後、2016年に独立してフリーでマジシャンとしてやっていこうと決断しました。

ーーずーっとマジックのことを考え続けている野島さん。……マジックのことが嫌になったりしませんか?

野島さん 過去には「やめようかな」と思ったこともありましたし、ときどきふと「なぜマジックのことだけを考えて生活できているんだろう」って考えることもありますけど、嫌になることはないですね。ずーっと「マジックっておもしろいな」って思っています。

大人はマジックを見ると子どもに戻る

ーーさまざまな場所・お客さん相手にマジックを披露されていると思いますが、その際に気をつけていることはありますか?

野島さん 仕事でやる時は「100%確実にウケる」マジックをやるようにしていますね。でも時々失敗することもあります。たとえば、以前仕事でこのカードマジックをやったんですけど……

今、ポーカーで戦いたくない人No.1が更新されました!
1枚しか交換していないはずなのにどうして……?

野島さん 見ていたお客さんがポカーンとしちゃって。「相当驚いてくれたのかな」と思って聞いてみたら、「何がすごいのかわからない」って言われたんです。よくよく聞いたらその人ポーカーを一切やったことなかったらしくて、ロイヤルストレートフラッシュを知らなかったんですよ。

ロイヤルストレートフラッシュ:ポーカーで、同じマークのA(エース)、J(ジャック)、Q(クイーン)、K(キング)、10を揃えると成立する最も強い役。

ーー確かにポーカーをやったことないという方には難しいのか……!

野島さん ほかにも「絶対に見破ってやる」っていう意地が伝わってくるぐらい、目を見開いて見てくる人もいますね。

野島さん「こんな感じにね!」

ーーマジシャンからするととてもやりにくそうですね……

野島さん いや、逆にありがたいですよ。僕の理想は「ずっとちゃんと見てたけどわからなかった!」ってお客さんに言ってもらうことなので。さっき山本さんが「仕掛けがわからない!」と言ってくれたのはうれしかったな。

「考えながら見てもわからない、だからすごい!」という体験を提供することこそがマジックの醍醐味だと僕は思っているので、見破ろうとしながら見てくれるのはとてもありがたいことです。

ーーなるほど、今度からマジックを見るときはもっと目を見開いて見ようと思います。

野島さん あとお客さんって基本、マジックを見たあと子どもに戻っちゃうんですよ。

ーーまた興味深いフレーズが。

野島さん マジックを見たお客さんは、基本的に驚きのリアクションを自然に出してくれるんです。

驚き方は人それぞれですが、「えーっ!?」とか「なんで!?」とか「やばっ!」とか、少年・少女の純真無垢なリアクションが多いですね。こうした「素の反応」を引き出せるのも、マジックの魅力のひとつだな、と思います。

ーー確かに私もマジックを見ていてすごい現象を目にしたときは、大声を出してしまいますね。まるでお客さんにも魔法をかけているように感じます。

「なんかマジック見せてよ!」には〇〇で対応

ーー僕はクイズをやっているんですが、「なんかクイズ出してよ」ってよく言われるんです。マジシャンも「なんかマジックやってよ」って言われることあるんですか?

野島さん よくありますね。そういう時のために、いつでもできるマジックを何個か持ち歩いています。僕の場合トランプを持ち歩いていないことはないんで、それを使ってやることが多いですね。

ーー「常にトランプを持っている」カッコいいですね、私もそうしようかな。

野島さん ただ癖でトランプを触っている時に、「1枚引いてもいいですか?」と言われるとドキッとしますね(笑)。

▲マジシャンみんなが使う基本のトランプ「BICYCLE」
▲手癖でトランプをいじっちゃう
▲混ぜるのも手癖のひとつ

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この記事を書いた人

チャンイケ

京都大学大学院修了のチャンイケ(池田和記)です。さまざまな学問・エンタメに関心があります。趣味:クイズ・ボウリング・ゲーム・謎解き・食べ歩きなどなど。

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