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【解説】
正解は「亜鉛」でした!
▲亜鉛は主に閃亜鉛鉱(スファレライト、ZnS)として産出されるvia Wikimedia Commons Ivar Leidus CC BY-SA 4.0(画像をトリミングしています)
ヒント1:人体におよそ2g含まれ、不足すると味を感じにくくなることも
亜鉛は成人の場合、体内におよそ2g含まれていて、細胞が遺伝情報を伝達するDNAを合成したり、DNAからタンパク質を合成したりするときに必要です。つまり、細胞が活発に分裂するときに重要であり、子どもの発育に欠かせない存在です。
※DNAポリメラーゼやRNAポリメラーゼは、亜鉛を含む酵素となっています。
また、舌などの表面にあって、味覚を感知する働きをする「
▲味蕾は舌などの表面にあり、顕微鏡でみると右下の図のように玉ねぎの形をしている
ヒント2:トタンのメッキとして多用
国内で消費される亜鉛は、年間およそ30万トンに及びますが、その中で最も多いのがメッキとしての用途です。
メッキとは、素材の表面を薄い金属の膜で覆うことで、見た目を美しくしたり、摩耗やサビから素材を守ったりする加工のことです。屋根などに使われるトタン、レトロなおもちゃに使われるブリキがその代表例となっています。
トタンは建材として使われることも多く、駐車場や倉庫などで見かけることも多いと思います。
▲トタン小屋 via Wikimedia Commons Corrugated iron shed at Strathan by Sally CC BY-SA 2.0(画像をトリミングしています)
トタンは鉄に亜鉛の膜を被せて作られており、亜鉛のほうが鉄より錆びやすい性質をもちます。トタンに傷がついたときは亜鉛が優先的に錆び、鉄が守られて素材の腐食を防ぐことができるのです。
【亜鉛のほうが鉄より錆びやすい?】
錆びが生じるときは、金属がイオンになる必要があります。亜鉛と鉄が共存している状態では、イオンになりやすい方の金属が優先して錆びることができるのです。亜鉛と鉄では、亜鉛のほうがイオンになりやすいため、鉄と比べて錆びやすいというわけです(化学反応式を用いた詳細な解説はこちらの記事を参照)。
このイオンになりやすい性質のことを、化学では「イオン化傾向」と呼び、金属の種類の間でその大小を比較することができるのです。
イオン化傾向については、こちらのクイズもあわせて挑戦してみてくださいね。
ヒント3:名前も見た目も似た元素がある
亜鉛は銀白色をしていますが、空気中に含まれている水分子と反応して薄い酸化被膜を形成し、光沢を失います。この見た目は鉛によく似ており、「亜鉛」という名前の由来とする説もあるそうです。
▲鉛と亜鉛は見た目がよく似ている(亜鉛 via Wikimedia Commons Ёёги at Russian Wikipedia CC BY-SA 3.0:画像をトリミングしています)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ぜひ次回の「今日の一問・理科編」にも挑戦してくださいね!
【前回の理科編はこちら】
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