受験期の「Twitterログアウト」に物申したい
――歴史や学問を楽しむという点でここまで話してくれたけど、一方これから受験で歴史を勉強しなきゃいけない人たちもいるわけだよね。そんな人たちに向けて、伝えたいことはある?
こうちゃん 受験生とかに向けていうと、「歴史の用語を覚えて何になるんだ」って声がめちゃくちゃ聞こえてくるんすけど……。
――画面の向こうから?(笑)
こうちゃん うん、聞こえてくる(笑)。
▲「聞こえるのよ、声が」
こうちゃん それはね、まず高校に入ってからやってる勉強は大体そうだからって思ってほしい。そのうえで、これは勉強全体の話になるんですけど、自分が納得しているかがめっちゃ大事で。
――なるほど。
こうちゃん 自分が納得しないことってできないから。「これ覚えて何になるんだよ」とかって言いたくなる気持ちはめっちゃわかる。自分も本当に面倒なときもあったしね。そりゃポケモンやりたい日もあったから。
そこでやっぱ、「なんで勉強してるんだろう」っていうところに立ち返ってほしくて。大学に受かりたいとか、成績が良くなりたいとかっていう目的があったと思うんだよね。でもそのとき「やりたくない」って思ってることってやっぱり覚えられない。
――「やらされてる」って思っちゃうと、モチベーションも上がらないもんね。
こうちゃん 基本的には勉強は覚悟だから。これを覚えて点を取らなきゃいけないって思うと覚えられて、夢中になると楽しくなっていくもんなんだよね。自分を納得させて、気持ちをいい方向に持っていくっていうのは意識した方がいいと思うよ。
数学の問題もわかんなかったときは答えを見ればいいんだけど、僕は「答えを書き写せばいいや」じゃなくて、「最終的には試験で自力で解かないといけないんだから、ちゃんと理解しなきゃいけないよな」って思ってたから。もちろん全然わからない問題とかもあったけど、「なんでこんなことやんなきゃいけないんだろう」って思ってると、多分進まないんだよね。
▲「やっぱり、勉強を前向きにとらえるって大事」
こうちゃん ちなみに僕は小学校のときになわとびで「はやぶさ」を練習してたけど、「なんでこんなことやんなきゃいけないんだ」ってずっと言ってた。その結果小学校6年間ついぞ「はやぶさ」ができることはなかったわけだけど。
――こうちゃんが苦手なこと、「逆上がり」と「はやぶさ」っていいね。
こうちゃん あと、これも伝えたいんだけど、みんなも「逆張りの逆張り」になったほうがいい。
――逆張りの逆張り?
こうちゃん 僕ね、めっちゃ逆張りな人に対する逆張りがあって。
「俺この科目って意味ないと思うわ」とかって言う人いるじゃない。そういうのに全部、「いや俺はそうは思わないけどね」って言いたいんだよね。逆張りの最先端はこっちですよって。
▲「こっちが最先端っしょ、って」
――あぁ、なんかこうちゃんのその感じわかるかも。
こうちゃん あとね、みんな意味のあることをやろう。意味がないことしてほしくないですね。
――おぉ、どんどん出てくるね。意味がないことってどんなこと?
こうちゃん 3時間ただ教科書を眺めるだけとか、答えを写すだけのワークとかはやめましょうって言いたい。こなすだけの勉強をするなら、絶対ポケモンとかやったほうがいいよ。
学校の課題って、単にこのワークを埋めろってことじゃなくて、みんなの力になると思って出されてるんですよ。この課題が出てるのは受験に役立つからだって思ってほしくて。
で、そう思ったときに、3時間ワーク書き写しましたっていうのは、本質的じゃないんだよね。だったら他のことをやったほうがいい。
――せっかくやるなら身につく勉強をしたいもんね。
こうちゃん それでいうと、受験期にTwitterをログアウトするだけで満足するのはやめてほしいマジで。それで満足するのはねぇ、嫌なんですよ。
▲どんどん提言が繰り出されていく
――こうちゃんが白熱してきた。
こうちゃん 受験生ってそういうムードがあるじゃないですか。それで勉強量が増えてるならいいんだけどさ、Twitterログアウトしたけど、実はスマホゲームやってたとか。置き換わってるだけじゃん。
「Twitterをログアウトすること」って「本気で勉強すること」とは関係ないんだよね。そこで本気で頑張ったって思っちゃうのはちょっともったいない。だから僕はずっとそういう本質的じゃないことはやめようって思って生きてきたんですよ。
特に受験期は、自分のなかで本当にこれが意味あるのかとか、考えてほしいんだよね。
――勉強に集中するための環境づくりとしてはいいかもだけど、「やった感」を出すためにやるのは違うよってことね。
こうちゃん すべてはみなさんの人生だから、みなさんのやりたいように生きてくれればいいと思う。でも、「この大学に受かりたい」という目的があるときには、受かったほうが幸せだから。うれしいから。
だからもし受かりたいと思っているなら、自分のやってることに意味があるかだけは考えてほしい。本当にここだけは、ずっと言い続けてる。
――熱いね。歴史だけに関わらないもんね、これは。
こうちゃん そうだ今回は歴史の話だったね。「歴史面白いんで」ってことだけ最後につけ加えておいてよ(笑)。
――(笑)
▲最後は笑顔のこうちゃん
前・中・後編と、3回にわたってお届けしたこうちゃんへのインタビュー。「こうちゃんと歴史」をテーマに、彼が歴史に興味を持ったきっかけから話はスタートしましたが、最終的には一つのテーマの話に留まらないような、深い学びについての話まで飛び出す結果に。その学びに対する誠実な姿勢には、刺激を受けた人も多いのでないでしょうか。私は、こうちゃんに対する見方がちょっと変わったような気さえしています。
QuizKnockメンバーへのインタビュー企画、次回以降もお楽しみください。次に登場するのは突飛な発想でいつも我々を驚かせるあの人……!?
【前編・中編はこちら】
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