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連載「伊沢拓司の低倍速プレイリスト
音楽好きの伊沢拓司が、さまざまな楽曲の「ある一部分」に着目してあれこれ言うエッセイ。倍速視聴が浸透しているいま、あえて“ゆっくり”考察と妄想を広げていきます。

「ヒット曲はラブソングばかりだ」と斜に構えていた時期が自分にもあったが、そのものの持つ包容力のデカさに、日々納得を深めて今に至る。

人と人とが利を抜きにして前に進むには愛の存在が不可欠で、何かを表現するとなったらやっぱり愛を通らざるを得ないのだろう。いまどき、性愛についてのみ歌うようなラブソングもそんなにないから余計にそう感じる。

喜びの愛、哀しみの愛、ほっこりする愛、嫉妬する愛、人類愛、自己愛(最近だいぶ多いな)……ひとえに「愛」とくくっても中身はさまざまだ。そうした手広さもあって、歌のテーマとしては今後も長らく一番人気であり続けるだろう。愛の力は無限大だ。

とはいえ、愛にできることにも限界はある。あの『愛は勝つ』ですら「信じることさ」と条件を付しているくらいで、愛にも使い方、貫き方があるのだ。

▲人によっても状況によっても形を変えるのが「愛」

そんな中、「愛」に一等ムチャをさせているのが、クリスタルキング『愛をとりもどせ!!であろう。

アニメ『北斗の拳』の主題歌として知られたこの曲は、ツインボーカルのマニッシュな魅力を存分に感じられる名曲であり、同バンドの人気を『大都会』とともに牽引してきた文句なしの代表作である。ディストピアと、その中における愛をストレートに歌い上げた歌詞は、『北斗の拳』のイメージにもぴったりだ。

そもそも『北斗の拳』という作品自体が、愛を大きなテーマとしている。主人公・ケンシロウのみならず、味方・敵たちもこの作品を彩る重要な要素であるが、彼らの行動原理もそれぞれの愛と哀しみなのだ。

そんな作品にナイスフィットな主題歌は、当然ながらいきなり愛を語るところから始まる、のだが。

YouはShock

愛で空が落ちてくる

クリスタルキング『愛をとりもどせ!!』(作詞:中村公晴)


……??
どういうことだ?
愛で空は落ちるのか?


いざ考えてみると、「愛で」どころか、空が落ちてきた経験が我々にはない。ゆえに、愛があれば空が落ちるのかどうかわからない。

では、一体全体どういう原理で、「愛で空が落ちてくる」現象が起こるのだろうか。

愛の力、いかに。『トークィーンズ』出演時に恋愛ネタでさんざんいじられたこの俺が、その実力を測ってやろうじゃねえか。

次ページ:そもそも「空が落ちてくる」ってどういう状態? 伊沢の考察は……

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この記事を書いた人

伊沢拓司

QuizKnockCEO、発起人/東大経済学部卒、大学院中退。「クイズで知った面白い事」「クイズで出会った面白い人」をもっと広げたい! と思いスタートしました。高校生クイズ2連覇という肩書で、有難いことにテレビ等への出演機会を頂いてます。記事は「丁寧でカルトだが親しめる」が目標です。

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